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プロジェクトマネジメント|ITパスポート試験

この分野には 198問あります。くり返し出ているものから並べています。

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この分野の用語(16語)

この分野の出題のようす

この分野の問題が出た回のうち、新しい8回では1回に4〜6問出ています。

回この分野の問数
令和8年度6問
令和7年度5問
令和6年度5問
令和5年度4問
令和4年度4問
令和3年度6問
令和2年度 10月 特別措置試験5問
令和元年度 秋期 特別措置試験4問

この分野でくり返し出ている用語はプロジェクトマネジメント(56問)・WBS(37問)・スコープ(25問)・アローダイアグラム(24問)・プロジェクトマネージャ(21問)です。問題が多い回は平成29年度 春期 特別措置試験(10問)・平成22年度 春期(10問)・平成30年度 秋期 特別措置試験(9問)です。

この分野でいちばん新しい出題は令和8年度 問50です。

この分野の198問のうち、22問はほかの回にも同じ内容で出ています。

ITパスポートの「プロジェクトマネジメント」を過去問の数で見る

この分野には、平成21年度春期から令和8年度までの29回の試験のうち29回から、199問を収めています。令和4〜8年度の5回では24問で、1回あたり4.8問でした。それより前の24回は175問で、1回あたり7.3問です。

よく出る論点

論点は、各問の解説に付けた用語を束ねて数えています。1問がいくつかの論点にまたがって入ることがあります。

WBSとスコープ(55問・26回)

WBSは、作業を分解した構造という意味の名で、全ての成果物を作るための作業を階層に分けて記したものです。大きな仕事を段々に細かく割り、末端まで下ろして初めて、そこから日程の図も見積もりも作れます。ここに載せる範囲は、そのプロジェクトで行うと決めたスコープの中に限られます。WBSそのものは何をやるかの一覧で、いつやるかまでは載りません。

問: 令和8年度 問39・令和4年度 問36・平成24年度春期 問41(平成22年度〜令和8年度)

アローダイアグラムとクリティカルパス(33問・23回)

作業の前後関係と所要時間を、結合点と矢印で描いた図がアローダイアグラムです。経路ごとに所要日数を足すと、合計が最も長いものが全体の日数を決めます。その最も長い道筋がクリティカルパスで、ここに手を入れない限り全体は短くなりません。

問: 令和6年度 問41・令和5年度 問41・平成24年度秋期 問49(平成21年度〜令和8年度)

スケジュールと進捗(30問・17回)

ガントチャートは、縦に作業を並べ、横に日付を取り、作業ごとに始まりから終わりまで横棒を引いた図です。予定の棒と進んだ分の棒のずれで、遅れているか進んでいるかが分かります。作業どうしの前後関係まではこの図では表しきれず、どれが遅れると全体が延びるかは別の図で調べます。進捗やコストの割合を出す問では、分母に何を置くかで答えが変わります。

問: 令和7年度 問45・平成24年度春期 問31・平成21年度春期 問50(平成21年度〜令和7年度)

工数とコストの見積り(30問・16回)

類推見積法は、似た内容の過去のプロジェクトの実績を手がかりに、おおよその費用を見積もる方法です。ファンクションポイント法は、機能の数と複雑さを数え上げて規模を測ります。積み上げ法は、必要な作業を一つずつ洗い出し、それぞれの手間を見積もって足し合わせる方法で、細かく積むほど正確になる一方、その細かさを出せる時期は後になります。工程ごとに生産性が違う工数の計算では、工程ごとに割ってから足すという順序で数えます。

問: 令和8年度 問37・令和6年度 問49・令和4年度 問50(平成21年度〜令和8年度)

リスクへの対応(20問・16回)

起こりうる危険と、その大きさや備えを記録しておくものはリスク登録簿と呼ばれます。

問: 令和8年度 問45・平成28年度秋期 問42(平成21年度〜令和8年度)

統合マネジメントと変更管理(18問・15回)

プロジェクトの活動は、範囲、日程、費用のように見る相手ごとに分かれています。統合マネジメントは、ばらばらに動きうる領域を束ね、全体としてつじつまが合うように調整する役目で、ぶつかり合う目標の間で釣り合いを取るトレードオフの調整も受け持ちます。変更要求を受け付けて可否を決め、決まったものを計画へ反映して関係者へ知らせる流れもここに入ります。プロジェクト憲章は、そのプロジェクトを正式に始めてよいと認める文書です。

問: 令和8年度 問45・令和3年度 問42・令和2年度10月 問40(平成21年度〜令和8年度)

品質の管理(17問・12回)

品質マネジメントでいう品質は、求められていることをどれだけ満たしているかの度合いで、機能の数のことではありません。品質ははじめから作り込んでいくもので、求めるものを聞き取る段から確かめる段まで、どの段にもやることがあります。手前の段で直すほど、直す費用は安くなります。テストで見つけた不良の件数を目標の数と比べるような、数で表して比べる分析も品質の活動です。

問: 平成30年度秋期 問38・平成28年度春期 問50・平成27年度春期 問43(平成22年度〜令和元年度)

ステークホルダとコミュニケーション(16問・13回)

ステークホルダは、そのプロジェクトに影響を与える人や組織と、プロジェクトの結果から影響を受ける人や組織です。関わる人や組織を洗い出して記録しておくものがステークホルダ登録簿です。一対一で伝え合う経路の数は二人の組の数と同じで、6人なら15、10人なら45になります。6人から10人へは2倍に届かない増え方でも、経路は3倍に増えます。

問: 令和4年度 問52・平成30年度秋期 問42(平成24年度〜令和8年度)

取り違えやすい組

空白を除いて30字以下の短い誤りの選択肢に、この分野の問の解説で用語として挙げた語が入っていた問を、その問の用語と組にして数えました。

組見分け方その組が出た問
アローダイアグラムとパレート図アローダイアグラムは、作業を矢印で表し、前後のつながりを結んだ図です。パレート図は、項目を件数の多い順に並べた棒と累計の折れ線を重ねた図で、作業の前後のつながりは描きません。3問(平成24年度秋期 問49・平成25年度春期 問44・平成29年度春期 問48)
WBSとガントチャートWBSは、作業を階層に分けて漏れなく洗い出す手法で、いつやるかまでは載りません。ガントチャートは日程を横棒で表す図で、作業を割り出す道具ではありません。2問(平成24年度春期 問31・平成29年度春期 問48)
DFDとWBSDFDは、データがどこからどこへ流れるかを描く図です。階層に分けた作業の一覧ではありません。2問(平成24年度春期 問41・平成27年度春期 問45)
アローダイアグラムとマイルストーンマイルストーンチャートは、大きな区切りの日だけを並べた図で、作業ごとの前後までは描きません。経路の所要時間も足せません。2問(平成24年度秋期 問49・平成27年度春期 問45)

最近の出方

令和4〜8年度の5回と、それより前の24回を、1回あたりの問の数で比べました。最近の5回は回の数が少ないので、1問の違いで1回あたり0.2問動きます。この幅を超えて動いた論点は5つです。増えたのはWBSとスコープ(1.83問→2.20問)、ステークホルダとコミュニケーション(0.50問→0.80問)でした。減ったのはスケジュールと進捗(1.21問→0.20問)、品質の管理(0.71問→0.00問)、リスクへの対応(0.79問→0.20問)です。分野の全体でも、1回あたりの問は7.3問から4.8問に減っています。

進め方

問の多いWBSとスコープ、アローダイアグラムとクリティカルパス、スケジュールと進捗の3つから解くと、この分野の199問のうち103問に当たります(2つ以上の論点に入る問は1問と数えています)。次は、スケジュールと進捗と同じく30問ある工数とコストの見積りです。この分野の全問は プロジェクトマネジメントの過去問 から解けます。

対策問題(オリジナル)

過去問の傾向をもとに作ったオリジナルの問題です。本試験の問題ではありません。

  1. 1/10問・WBSとスコープ

    社内の勤怠システムを入れ替えるプロジェクトで、プロジェクトマネージャがWBSを作る担当者に注意を伝えた。次の注意のうち、誤っているものはどれか。

    1. ア 契約の中で行わないと決めた古い紙の記録の整理は、WBSに書き入れない。
    2. イ いちばん下の作業は、手間を見積もり、担当者を決められる大きさまで分けておく。
    3. ウ 各作業をいつ始めていつ終えるかの日付もWBSに書き込み、日程の管理はWBSだけで済ませる。
    4. エ 担当者が何度も経験して慣れている作業でも、範囲の中にあるものは省かずに書き出す。
    正解と解説

    正解はウです。

    WBSは、範囲の中で行う作業と成果物を、大きなまとまりから見積もれる大きさまで階層に分けて並べたものです。何をやるかの一覧であり、いつやるかの日付を載せて日程まで管理する道具ではありません。日程は、分けた作業をもとに別の図や表で組み立てます。

    • アWBSに載せるのは行うと決めたスコープの中の作業だけなので、行わないと決めた整理を書き入れないのは正しい注意です。
    • イ末端まで分けると一つずつ手間を見積もれるようになり、担当も決めやすくなるので、正しい注意です。
    • エ慣れた作業でも省くとその分の工数が見積りから抜け落ちるので、書き出すのが正しい扱いです。

    この論点の過去問:令和4年度 ITパスポート試験 問36・令和8年度 ITパスポート試験 問39・平成24年度 春期 ITパスポート試験(特別措置試験) 問31

  2. 2/10問・WBSとスコープ

    ある部署は、新しい受発注システムのWBSを作るときに、利用者向けの操作マニュアルを作る作業を書き漏らした。マニュアルは作ることに決まっている。この漏れに気づかないまま計画を進めた場合に起きることとして、最も適切なものはどれか。

    1. ア マニュアルを作る手間が、全体の工数の見積りから抜け落ちる。
    2. イ マニュアルはスコープの外の作業として扱われ、作らなくてよくなる。
    3. ウ ほかの作業の工数が、漏れた分だけ自動的に多く見積もられる。
    4. エ 見積りの合計は正しいままで、担当者の割り当てだけがずれる。
    正解と解説

    正解はアです。

    WBSの末端の作業ごとに手間を見積もって積み上げるので、WBSに無い作業は見積りにも入りません。作ると決まっているマニュアルの作業を書き漏らせば、その分の工数と日程が計画から抜け落ちます。後で作業が見つかると、その分が丸ごと計画の外になります。

    • イ作るかどうかはスコープを決めた時点で決まっており、WBSに書き漏らしても作らなくてよくなるわけではありません。
    • ウ見積りは書き出した作業ごとに出すので、書かれていない作業の分がほかの作業に足されることはありません。
    • エ漏れた作業の手間は合計にも入っていないので、見積りの合計も少なく出ます。

    この論点の過去問:令和8年度 ITパスポート試験 問39・令和4年度 ITパスポート試験 問36・平成24年度 春期 ITパスポート試験(特別措置試験) 問41

  3. 3/10問・アローダイアグラムとクリティカルパス

    あるプロジェクトの作業は次の5つで、矢印の元の結合点に入る作業が全て終わるまで、そこから出る作業は始められない。

    作業A: 開始→結合点1(4日)

    作業B: 開始→結合点2(2日)

    作業C: 結合点1→終了(6日)

    作業D: 結合点2→結合点1(1日)

    作業E: 結合点2→終了(7日)

    作業Bの担当者から、Bが予定より2日遅れると連絡があった。ほかの作業は予定どおり進むとき、プロジェクト全体についての見方として、適切なものはどれか。

    1. ア 作業Bはクリティカルパスの上にないので、全体の日数は予定から変わらない。
    2. イ 作業Bを通る経路には1日の余裕しかないので、全体は1日延びて11日になる。
    3. ウ 作業Bの2日の遅れがそのまま全体に加わり、全体は12日になる。
    4. エ 作業Bの後に続く作業が2つあるので遅れが2倍になり、全体は14日になる。
    正解と解説

    正解はイです。

    予定では、AからCの経路が10日、BからDとCを通る経路が9日、BからEの経路が9日なので、最も長いAとCの10日が全体の日数を決めます。Bを通る経路は9日で、全体を遅らせずに済む余裕は1日です。Bが2日遅れると、Bを通る二つの経路はどちらも11日になってAとCの10日を上回り、全体は1日延びて11日になります。

    • ア余裕のある経路の作業でも、遅れが余裕の1日を超えればクリティカルパスが入れ替わり、全体は延びます。
    • ウ2日の遅れのうち1日は余裕で吸収されるので、全体に加わるのは1日だけです。
    • エ後に続く作業が二つあっても、遅れは経路ごとに同じ2日が加わるだけで、二つ分が足し合わされることはありません。

    この論点の過去問:令和5年度 ITパスポート試験 問41・令和元年度 秋期 ITパスポート試験(特別措置試験) 問42

  4. 4/10問・アローダイアグラムとクリティカルパス

    プロジェクトの全体の期間を短くしたいと考え、アローダイアグラムを見ながらクリティカルパスについて話し合った。次の発言のうち、適切なものはどれか。

    1. ア クリティカルパスは、つながっている作業の数が最も多い経路のことだ。
    2. イ クリティカルパスの上の作業なら、1日くらい遅れても全体の期間には影響しない。
    3. ウ 一度決まったクリティカルパスは、途中で作業が遅れても早まっても入れ替わらない。
    4. エ クリティカルパスの上にない作業をいくら短くしても、それだけでは全体の期間は短くならない。
    正解と解説

    正解はエです。

    クリティカルパスは、開始から終了までの経路のうち、所要日数の合計が最も長い経路です。全体の期間はこの経路の長さで決まるので、この経路の作業に手を入れない限り全体は短くなりません。ほかの経路の作業を短くしても、最も長い経路の日数は変わらないままです。

    • ア決め手は作業の数ではなく所要日数の合計で、合計が最も長い経路がクリティカルパスです。
    • イクリティカルパスの上の作業には余裕が無いので、1日遅れると全体もそのまま1日遅れます。
    • ウ遅れや前倒しで経路ごとの合計が変われば、最も長い経路が別の経路に入れ替わることがあります。

    この論点の過去問:令和6年度 ITパスポート試験 問41・令和元年度 秋期 ITパスポート試験(特別措置試験) 問42・令和5年度 ITパスポート試験 問41

  5. 5/10問・スケジュールと進捗

    予算1,200万円で、60日間に300件のデータを新しいシステムへ移すプロジェクトがある。毎日同じ件数ずつ進め、1件あたりの費用も全て同じとして計画した。30日が過ぎた時点で120件が終わり、540万円がかかっていた。進みは「その時点で終わっているはずの件数」と終わった件数を比べ、費用は「終わった件数の分として計画した額」と実際にかかった額を比べて評価する。この時点の評価として、適切なものはどれか。

    1. ア 進みは予定より遅れているが、費用は計画の範囲に収まっている。
    2. イ 進みは予定どおりで、費用は計画より多くかかっている。
    3. ウ 進みは予定より遅れており、費用も終わった分の計画より多くかかっている。
    4. エ 進みは予定より進んでおり、費用は計画の範囲に収まっている。
    正解と解説

    正解はウです。

    60日で300件なので、30日の時点では150件が終わっているはずです。実際は120件なので、進みは80%で予定より遅れています。費用は1件あたり4万円の計画なので、終わった120件の分は480万円のはずですが、実際は540万円で、計画より多くかかっています。

    • ア540万円を経過した30日分の予算600万円と比べると収まって見えますが、比べる相手は終わった120件分の480万円です。
    • イ30日の時点で終わっているはずの150件に対して120件しか終わっていないので、予定どおりではありません。
    • エ120件は終わっているはずの150件より少ないので進んではおらず、費用も480万円を超えています。

    この論点の過去問:令和7年度 ITパスポート試験 問45

  6. 6/10問・工数とコストの見積り

    ソフトウェア開発の費用を見積もる手法についての説明のうち、適切でないものはどれか。

    1. ア 企画したばかりの段階で、去年の似た案件でかかった実績を手がかりにおおよその費用を出すのは、類推見積法である。
    2. イ 画面や帳票、データの入出力の数と複雑さから規模を求め、係数を掛けて費用に換えるのは、ファンクションポイント法である。
    3. ウ 洗い出した作業の一つ一つについて手間を見積もり、それを足し合わせて全体を出すのは、積み上げ法である。
    4. エ 積み上げ法は、作るものの中身がまだ決まっていない計画のはじめに、短い時間で概算を出すときに最も向いている。
    正解と解説

    正解はエです。

    積み上げ法は作業を一つずつ洗い出して手間を足し合わせるので、作業を洗い出せるところまで中身が固まっていないと使えず、時間もかかります。細かく積むほど正確になりますが、その細かさを出せる時期は後になります。計画のはじめに短い時間で概算を出すなら、過去の似た案件を手がかりにする類推見積法が向いています。

    • ア似た過去の事例の実績を手がかりに、詳しいことが分からない初期の段階で使えるのが類推見積法なので、正しい説明です。
    • イ入出力や機能の数からソフトウェアの大きさを測り、係数を掛けて費用に換えるのがファンクションポイント法なので、正しい説明です。
    • ウ必要な作業を洗い出し、それぞれの手間を見積もって足し合わせるのが積み上げ法なので、正しい説明です。

    この論点の過去問:令和6年度 ITパスポート試験 問49・令和8年度 ITパスポート試験 問37

  7. 7/10問・工数とコストの見積り

    120kステップのソフトウェアを、設計・製造・試験の3つの工程で開発する。どの工程も120kステップの全てを受け持ち、1人月あたりにこなせる量(生産性)は、設計が8.0kステップ、製造が4.0kステップ、試験が6.0kステップである。最も多くの工数がかかる工程と、開発全体の工数の組合せとして、適切なものはどれか。

    1. ア 設計 / 65人月
    2. イ 製造 / 65人月
    3. ウ 製造 / 20人月
    4. エ 設計 / 約6.7人月
    正解と解説

    正解はイです。

    工数は、作る量をその工程の生産性で割って工程ごとに出し、最後に足し合わせます。設計は120÷8.0で15人月、製造は120÷4.0で30人月、試験は120÷6.0で20人月で、合計は65人月です。生産性の数が小さい工程ほど1人月でこなせる量が少ないので、最も工数が多いのは製造です。

    • ア全体の65人月は合っていますが、生産性の数が大きい設計は1人月で多くこなせるので、工数は15人月で3つの中で最も少なくなります。
    • ウ20人月は120を生産性の平均の6.0で割った値で、工程ごとに割ってから足していないので全体の工数になりません。
    • エ約6.7人月は120を生産性の合計の18.0で割った値で、生産性どうしを先に足すと工数は合いません。

    この論点の過去問:令和4年度 ITパスポート試験 問50

  8. 8/10問・リスクへの対応

    会員サイトの開発で、外部の認証サービスの接続仕様が開発の途中で変わり、作り直しが出るかもしれないというリスクが見つかった。リスク対応を回避、軽減、受容、転嫁の四つに分けるとき、軽減にあたる対応はどれか。

    1. ア その認証サービスを使わず、自社で作る認証の仕組みに計画を切り替える。
    2. イ 仕様が変わったときに備えて、日程に予備の期間を取っておくだけにする。
    3. ウ 提供元と毎週打合せをして仕様の変更を早く知り、作り直す量を小さくする。
    4. エ 仕様の変更で増えた費用を提供元が負担する、という契約を結んでおく。
    正解と解説

    正解はウです。

    軽減は、リスクの起こりやすさや、起きたときの影響を小さくする対応です。提供元と毎週打合せをして変更を早く知れば、作り直す量が減り、起きたときの影響が小さくなります。危険の元を断つ回避、負担を他へ移す転嫁、受け入れて備える受容とは、この点で分かれます。

    • アそのサービスを使わない計画に変えるのは、危険の元そのものを断つ対応なので回避にあたります。
    • イ変更は防がずに、起きても困らないよう予備の期間を取るだけなので、受容にあたります。
    • エ増えた費用を提供元に負担させるのは、損失の負担を他へ移す対応なので転嫁にあたります。

    この論点の過去問:令和2年度 10月 ITパスポート試験(特別措置試験) 問54

  9. 9/10問・統合マネジメントと変更管理

    開発の途中で、顧客から帳票を1つ増やしてほしいという依頼が届いた。プロジェクトチームが行った活動と、その活動を受け持つマネジメントの組合せとして、誤っているものはどれか。

    1. ア 帳票を作るために増える作業と成果物を洗い出し、WBSに書き足す ─ スコープマネジメント
    2. イ 帳票の追加でかかる費用を見積もり、必要な予算を確保する ─ コストマネジメント
    3. ウ 納期を延ばすか人を足すかを比べて変更の可否を決め、計画に入れて関係者へ知らせる ─ 統合マネジメント
    4. エ 帳票の作業にかかる期間を見積もり、日程表を書き直す ─ 統合マネジメント
    正解と解説

    正解はエです。

    期間を見積もって日程を直すのは、時間という一つの面を扱うスケジュールマネジメントの活動です。統合マネジメントは、範囲・日程・費用の各領域の上に立ち、ぶつかり合う目標の釣り合いを取り、変更要求の可否を決めて計画に入れ、関係者へ知らせる流れを受け持ちます。日程表を書き直す作業だけを取り出して統合マネジメントとするのは誤りです。

    • ア作業や成果物を洗い出してWBSを直すのは、どこまで作るかという範囲を扱うスコープマネジメントの活動なので、正しい組合せです。
    • イ費用を見積もって予算を確保するのは、お金の面を扱うコストマネジメントの活動なので、正しい組合せです。
    • ウ納期と要員の釣り合いを取り、変更の可否を決めて計画に入れ、関係者へ知らせるのは統合マネジメントの活動なので、正しい組合せです。

    この論点の過去問:令和2年度 10月 ITパスポート試験(特別措置試験) 問40・令和3年度 ITパスポート試験 問42

  10. 10/10問・ステークホルダとコミュニケーション

    X社がY社に在庫管理システムの開発を頼み、Y社はZ社に一部の技術支援を頼んでいる。このプロジェクトのステークホルダについての説明として、適切なものはどれか。

    1. ア Z社の技術者はX社と直接の契約がないが、作業に加わるのでステークホルダに含まれる。
    2. イ 完成したシステムを使うだけのX社の倉庫部門は、作る作業に加わらないのでステークホルダに含めない。
    3. ウ ステークホルダはプロジェクトに影響を与える側だけを指し、結果から影響を受ける側は含まない。
    4. エ ステークホルダに入るのは発注したX社の社員だけで、Y社とZ社の人は含まれない。
    正解と解説

    正解はアです。

    ステークホルダは、プロジェクトに影響を与える人や組織と、プロジェクトの結果から影響を受ける人や組織をまとめて指します。お金を出す側、作る側、出来上がったものを使う側がどれも入り、自社か他社か、直接の契約があるかどうかでは分けません。Z社の技術者も実際に作業する立場なので、ステークホルダに含まれます。

    • イ完成したシステムを日々使う部門は結果から影響を受ける側なので、ステークホルダに含まれます。
    • ウステークホルダには、影響を与える側に加えて、結果から影響を受ける側も含まれます。
    • エ作る側のY社やZ社の人も含まれ、自社か他社かでは範囲を分けません。

    この論点の過去問:令和4年度 ITパスポート試験 問52

問題一覧

正解と解説は、答え合わせのあとに出ます。

年度別

この分野の問題は 29年度ぶんの試験から出ています。いちばん新しいのは令和8年度です。年度別に解くと、回ごとにまとめて解けます。