プロジェクトマネジメント|平成26年度 春期 ITパスポート試験(特別措置試験) 問97
〔中問D・システム統合時のデータ移行作業〕〔マネジメント〕
図1の移行作業のアローダイアグラムに基づいて作業を実施すると,移行作業は最短では何時間で終了するか。
〔中問Dの記述〕
```
小売業のP社では,MとSの二つのブランド商品を販売しており,ブランドごとに販売管理シ
ステムが別々に稼働している。P社では,販売業務の効率を向上するために,ブランドSの販
売管理システムの顧客データをブランドMの販売管理システムに移行して,統合した上で稼働
させる方針を立てた。このために移行プロジェクトが発足した。Aさんはこのメンバに選ばれ,
他のメンバと協力して二つの販売管理システムを調査して,統合に必要な作業としてM1〜M4,
S1〜S4を洗い出した。その後,作業ごとの依存関係を検討し,図1に示す移行作業のアローダ
イアグラムを作成した。
```
〔図1 移行作業のアローダイアグラム〕
```
(凡例) ○ ──作業(所要時間)──▶ ○ / ┈┈▶ :ダミー作業(0時間)
結節点を ①〜⑦ と呼ぶと,矢印は次の9本:
① ─S1(2.0)─▶ ② ② ─S2(3.0)─▶ ③
③ ─S3(2.0)─▶ ④ ③ ─S4(2.0)─▶ ⑥
① ─M2(2.5)─▶ ④ ① ─M1(4.0)─▶ ⑤
⑤ ┈┈ダミー┈▶ ④ ④ ─M3(2.0)─▶ ⑥
⑥ ─M4(5.0)─▶ ⑦(終了)
② ──S2(3.0)──▶ ③
▲ │ \
S1(2.0) S3(2.0) \S4(2.0)
│ ▼ \
① ──M2(2.5)───────────▶ ④ ─M3(2.0)─▶ ⑥ ──M4(5.0)──▶ ⑦
\ ▲
\─M1(4.0)──▶ ⑤ ┈┈┈┈┈┘
注記 M1〜M4の矢印はブランドMの販売管理システムで実施する作業を,
S1〜S4の矢印はブランドSの販売管理システムで実施する作業を表す。
点線の矢印はダミー作業を表す。
( )内の数値は各作業に要する時間を表す。
```
- 9.5
- 11.0
- 12.0
- ✓ これが正解14.0
解説
結節点から矢印が二本出ていたら、両方の先を数えます。
最短で終わる時間とは、いちばん長い道のりのことです。どれだけ急いでも要る時間、という意味です。最後の作業は一本なので、その手前までの道を全部数えます。片方の系統を三つ続けてたどる道は、合わせて七時間です。同じ系統から途中で分かれ、もう一方へ合流する道は九時間です。もう一方だけをたどる短い道は、四時間半です。最も長い作業から所要ゼロの作業を経て進む道は、六時間です。手前の結節点に着くのは九時間目で、それより早くは着けません。最後の五時間を足して、十四時間が答えです。アローダイアグラムのこの型では、途中の分かれ目が急所です。分かれ目から二本出ているので、片方だけ数えると十二時間に見えます。しかしもう一方が終わらないと、その先へは進めません。所要ゼロの作業も、順序の縛りとしては効いています。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 片方の系統の短い道だけを足した値です。二時間半と二時間と五時間を続けた形になります。もう一方の系統の道を、まったく数えていません。最も短い道を問われたなら、これが答えです。最長の道を探す問なので、向きが逆です。
- 最も長い作業から、所要ゼロを経て進む道の値です。四時間と二時間と五時間を足した形になります。こちらも片方の系統だけを見ています。所要ゼロの縛りを問われたなら、この道に効いています。九時間の道を見落としています。
- 途中の分かれ目から、直行する側だけを数えた値です。二時間と三時間と二時間に、最後の五時間を足した形です。分かれ目からもう一方へ回る道を見落としています。その道だけを問われたなら、七時間で着きます。いちばん惜しい肢です。
この問題に関係する言葉
- アローダイアグラム作業の順序と所要日数を矢印でつなぎ、全体の日数を求める図です。順序関係や余裕日数が分かり、縮めるべき作業を見つけられます。
- クリティカルパス全体の日数を決めている、余裕のない作業のつながりのことです。ここが遅れると全体が遅れるので、重点的に管理します。
出典:平成26年度 春期 ITパスポート試験(特別措置試験) 問97
同じ単元をまとめて解くならプロジェクトマネジメントへ。
この解説に誤りを見つけたら教えてください。直して、直した記録を残します。誤りを報告する(メールが開きます)