法務|プロジェクトマネージャ試験
この分野には 36問あります。くり返し出ているものから並べています。
この分野でくり返し出ている用語は契約(10問)・労働基準法(5問)・グリーン購入(4問)・個人情報(3問)・個人情報保護法(3問)です。問題が多い回は令和5年度 秋期(3問)・平成31年度 春期(3問)・平成29年度 春期(3問)です。
誰の権利を守り、誰に何を義務付ける決まりか
この分野の決まりは、作ったものの権利を守るもの、取引で弱い側を守るもの、働く人を守るもの、社会や組織の倫理に関わるものに分けると見通しがよくなります。
契約で取り決めずにソフトウェアの開発を委託すると、プログラムの著作権は実際に作った受託側に生じ、発注側は成果物を別のソフトウェアに転用しにくくなります。帰属は契約に書いておくのが基本です。法人名義の著作物の保護期間は公表から数え、かつては50年で、現在は70年です。ビジネス方法はアイディアだけでは特許にならず、コンピュータで実現する形で発明として認められます。秘密として管理され、事業に役立ち、公になっていない情報は、不正競争防止法の営業秘密として守られます。
下請代金支払遅延等防止法は、発注する親事業者に義務を課します。発注時には内容や代金、支払期日を書いた書面を直ちに渡し、仕様のように後で決まる事項も確定したら書面で示します。支払期日は給付を受領した日から60日以内で定め、下請事業者側の事情でやり直させたときは、やり直し後に受領した日が起算日です。この法律は現在、2026年1月施行の改正で中小受託取引適正化法に改められています。
法定労働時間を超えて働かせるには、時間外・休日労働の労使協定(36協定)を書面で結び、労働基準監督署に届け出ます。使用者は就業規則を掲示や書面の交付で周知する義務があります。派遣では雇用関係は派遣元にあり、労働時間などの枠組みは派遣元と派遣労働者の間で決め、派遣先はその範囲で指揮命令します。
個人情報保護法の個人情報は生存する個人に関する情報です。特定電子メール法は、広告宣伝メールを事前に同意した相手にだけ送るオプトイン方式をとります。製造物責任法で責任を負うのは、製造・加工・輸入した者や製造業者として表示した者です。EUのRoHS指令は、電気・電子機器に鉛や水銀などの有害物質を使うことを制限します。
技術者倫理では、結束の強い集団が批判的な検討を欠いて不合理な合意に至る集団思考に注意します。法令や社会規範に反する行為を外部に知らせるのがホイッスルブローイングで、組織は公益通報の制度の使い方を教育し、周知しておきます。
この分野で出た問題
- 令和7年度 秋期 問21下請代金支払遅延等防止法の対象となる下請事業者から納品されたプログラムに,下請事業者側の事情を原因とする重大なバグが支払期日よりも前に発見され,プログラムの修正が必要となった。このとき,支払期日を改めて定めようとする場合,下請代金支払遅延等防止法で認められている期間(60日)の起算日はどれか。
- 令和2年度 10月 問21個人情報保護法が保護の対象としている個人情報に関する記述のうち,適切なものはどれか。
- 平成30年度 春期 問22労働基準法及び労働契約法が定める,就業規則に係る使用者の義務の記述のうち,適切なものはどれか。
- 令和4年度 秋期 問21基準値を超える鉛,水銀などの有害物質を電気・電子機器に使用することを制限するために,欧州連合が制定し,施行しているものはどれか。
- 平成21年度 春期 問23A社は,B社と著作物の権利に関する特段の取決めをせず,A社の要求仕様に基づいて,販売管理システムのプログラム作成をB社に依頼した。この場合のプログラム著作権の原始的帰属は,どのようになるか。
- 平成26年度 春期 問21IP(知的財産)ライセンス契約の中で規定されるランニングロイヤリティの説明として,適切なものはどれか。
- 平成22年度 春期 問25OECDの“プライバシー保護ガイドライン”の原則を適切に説明したものはどれか。
- 平成24年度 春期 問23グリーン購入法において,“環境物品等”として規定されているものはどれか。
- 平成26年度 春期 問22ソフトウェア開発を下請事業者に委託する場合,下請代金支払遅延等防止法に照らして,禁止されている行為はどれか。
- 平成21年度 春期 問24ソフトウェア開発を下請業者に委託する場合,下請代金支払遅延等防止法で禁止されている行為はどれか。
- 平成22年度 春期 問24プロジェクトマネージャのP氏は,A社から受託予定のソフトウェア開発を行うために,X社から一時的な要員派遣を受けることを検討している。労働者派遣法に照らして適切なものはどれか。
- 令和5年度 秋期 問21プロバイダ責任制限法が定める特定電気通信役務提供者が行う送信防止措置に関する記述として,適切なものはどれか。
- 平成29年度 春期 問21ベンダX社に対して,図に示すように要件定義フェーズから運用テストフェーズまでを委託したい。X社との契約に当たって,“情報システム・モデル取引・契約書”に照らし,各フェーズの契約形態を整理した。a~dの契約形態のうち,準委任型が適切であるとされるものはどれか。
- 平成23年度 特別 問25メーカのA社は,A社が設計しB社がコーディングしたソフトウェアをROMに組み込み,そのROMを部品とした製品Xを製造し,販売会社であるC社に卸している。C社は,この製品Xに“製造元A社”と表示し,一般消費者に販売した。ある消費者が購入した製品Xを使用したところ,ROMに組み込まれたソフトウェアの欠陥によってけがをした。原因はソフトウェアの設計の不具合であった。製造物責任法上,製造物責任を問われる企業はどれか。
- 平成27年度 春期 問22不正競争防止法で保護されるものはどれか。
- 平成31年度 春期 問18企業間で,商用目的で締結されたソフトウェアの開発請負契約書に著作権の帰属に関する内容が記載されていない場合の著作権の帰属先として,適切なものはどれか。ここで,ソフトウェアは請負人が開発するものとする。
- 平成21年度 春期 問25個人情報保護法で保護される個人情報の条件はどれか。
- 平成29年度 春期 問22労働基準法で定める制度のうち,36協定がよりどころとしている制度はどれか。
- 令和5年度 秋期 問22労働基準法で定める制度のうち,いわゆる 36 協定と呼ばれる労使協定に関する制度はどれか。
- 令和2年度 10月 問22労働者派遣事業における派遣労働者の労働時間,休日,休暇などの具体的な就業に関する枠組み設定のうち,労働関連の法に照らして適切なものはどれか。
- 平成30年度 春期 問23基準値を超える鉛,水銀などの有害物質を電気・電子機器に使用することを制限するために,欧州連合が制定し,施行しているものはどれか。
- 令和3年度 秋期 問21常時 10 名以上の従業員を有するソフトウェア開発会社が,社内の情報セキュリティ管理を強化するために,秘密情報を扱う担当従業員の扱いを見直すこととした。労働法に照らし,適切な行為はどれか。
- 平成27年度 春期 問23広告宣伝のメールを送信する場合,特定電子メール法に照らして適切なものはどれか。
- 令和3年度 秋期 問22技術者倫理におけるホイッスルブローイングの説明として,適切なものはどれか。
- 令和6年度 秋期 問22技術者倫理における集団思考の問題点として,アーヴィング・ジャニスが指摘した八つの兆候のうちの“心の警備”の説明として,適切なものはどれか。
- 平成31年度 春期 問23技術者倫理の遵守を妨げる要因の一つとして,集団思考というものがある。集団思考の説明として,適切なものはどれか。
- 平成24年度 春期 問24日本におけるビジネス方法の特許の説明はどれか。
- 平成25年度 春期 問25日本工業標準調査会を説明したものはどれか。
- 平成29年度 春期 問23派遣労働者の受入れに関する記述のうち,適切なものはどれか。
- 令和7年度 秋期 問22組織において,公益通報制度を運用する際に留意すべきこととして,適切なものはどれか。
- 令和5年度 秋期 問17組込み機器用のソフトウェアを開発委託する契約書に開発成果物の著作権の帰属先が記載されていない場合,委託元であるソフトウェア発注者に発生するおそれがある問題はどれか。ここで,当該ソフトウェアの開発は委託先が全て行うものとする。
- 令和6年度 秋期 問21経済産業省が公表した“AI・データの利用に関する契約ガイドライン 1.1 版”における,AI 技術を利用したソフトウェアの開発・利用に関するユーザーとベンダー間の契約についての記述のうち,適切なものはどれか。
正解と解説は、答え合わせのあとに出ます。
年度から解く
この分野の問題は 17年度ぶんの試験から出ています。いちばん新しいのは令和7年度 秋期です。年度別に解くと、回ごとにまとめて解けます。