平成22年度 春期 午前Ⅱ 問24
法務
労働者派遣法に関する問題
プロジェクトマネージャのP氏は,A社から受託予定のソフトウェア開発を行うために,X社から一時的な要員派遣を受けることを検討している。労働者派遣法に照らして適切なものはどれか。
- ア厳しいスケジュールが見込まれることから,X社へ瑕疵担保責任を負わせる契約案を提示した。
- イ前回委託した際にプロジェクトの成功に大きく貢献したX社のY氏の参加を契約の条件とした。
- ウ派遣される要員のスキルを適切に判断しようと考え,事前にX社の派遣候補者を面接した。
- エ派遣者への業務指示など,派遣に伴う各種業務をP氏が直接行うことをX社に伝えた。
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✓ これが正解エ派遣者への業務指示など,派遣に伴う各種業務をP氏が直接行うことをX社に伝えた。
解説
派遣先は派遣労働者に直接業務を指示できるので、適切です。
労働者派遣では、派遣元のX社が労働者を雇用し、派遣先であるP氏の側が、その労働者に対して業務上の指揮命令を行います。派遣された要員に直接業務を指示できるのは派遣という契約形態の特徴なので、派遣に伴う業務をP氏が直接行うとX社に伝えることは、労働者派遣法の考え方に沿っています。一方、派遣先は、派遣される労働者を事前に選んだり特定したりする行為をしないよう求められています。派遣先は指揮命令はできるが人選はできない、と押さえると判断できます。選択肢にある瑕疵担保責任は出題当時の民法の用語で、その後2020年4月施行の民法改正で契約不適合責任に改められています。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- ア厳しいスケジュールが見込まれることから,…:瑕疵担保責任は、仕事の完成を約束する請負契約などで問題になる責任です。派遣は労働力の提供を受ける契約で、派遣元が成果物の完成を約束するものではないので、X社に負わせる性質のものではありません。
- イ前回委託した際にプロジェクトの成功に大き…:特定の人物の参加を契約の条件にするのは、派遣される労働者を派遣先が特定する行為に当たります。派遣先は派遣労働者を指名して選ぶことはできず、だれを派遣するかは派遣元が決めます。
- ウ派遣される要員のスキルを適切に判断しよう…:派遣候補者を事前に面接するのは、派遣先が労働者を選別する行為に当たります。要員のスキルを確かめたい場合でも、派遣先は事前の面接をしないよう求められており、必要なスキルの条件を派遣元に示して人選を任せます。
この問題の用語
- 労働者派遣法派遣で働く人を守るための法律で、雇うのは派遣元、仕事の指示は派遣先と定めています。同じ職場での受入れには3年という期間の制限があります。
- 指揮命令働く人に仕事の内容や進め方を直接指示する関係のことです。派遣では派遣先が行いますが、請負では発注者ではなく受注した側が行います。
- プロジェクトマネージャプロジェクトの計画と実行に責任をもつ立場の人のことです。目標の達成に向けて、範囲や日程、費用、品質、人などをまとめて管理します。
- スケジュール作業の順序と日程を決めた計画のことをいいます。作業の前後関係から日程を組み立てるには、PERTが向いています。
- 契約当事者の合意で成立する法的な約束のこと。原則として口頭でも成立し、契約書は内容を確かめる証拠になります。
出典:平成22年度 春期 プロジェクトマネージャ試験 午前Ⅱ 問24
同じ用語が出る問題
- 令和7年度 秋期 午前Ⅱ 問1:JIS Q 21500の問題(プロジェクトマネージャ)
- 令和6年度 秋期 午前Ⅱ 問21:ベンダー間の契約についての記述(契約)
- 令和2年度 10月 午前Ⅱ 問22:労働者派遣に関する問題(指揮命令)
- 平成30年度 春期 午前Ⅱ 問21:請負契約に関する問題(指揮命令)
- 平成29年度 春期 午前Ⅱ 問23(労働者派遣法)
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