令和8年度 午後の部 問13
不動産登記法
登記識別情報に関する問題
書面申請における印鑑に関する証明書等の添付に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。
ア 登記義務者の登記識別情報を提供することができないため、申請代理人である司法書士が作成した本人確認情報を提供するときは、当該本人確認情報に添付する当該司法書士が所属する司法書士会が発行した職印に関する証明書は、発行後3か月以内のものであることを要する。
イ 家庭裁判所によって選任された不在者財産管理人が、あらかじめその職務のために使用する印鑑を家庭裁判所に届け出た場合において、職務上行う所有権の移転の登記の申請に係る申請書に押印した印鑑に関する証明書として裁判所書記官が作成した当該印鑑に関する証明書を添付するときは、当該証明書は、作成後3か月以内のものであることを要する。
ウ 抵当権の設定の登記の抹消を申請する場合において、登記上の利害関係を有する転抵当権者の承諾を証する情報として当該転抵当権者が記名押印した承諾書を提供するときは、当該承諾書に添付する当該転抵当権者の印鑑に関する証明書は、作成後3か月以内のものであることを要する。
エ 地上権の設定の登記の抹消を申請する場合において、登記義務者が登記識別情報を提供することができないときは、申請情報を記載した書面に当該登記義務者の印鑑に関する証明書を添付することを要する。
オ 取締役会設置会社が、取締役との間の利益相反取引に基づく所有権の移転の登記を申請する場合において、添付情報として提供する当該取引の承認に係る取締役会議事録に当該議事録に押印した取締役の印鑑に関する証明書を添付したときは、当該印鑑に関する証明書の原本の還付を請求することができない。
- 1アウ
- 2アオ
- 3イウ
- 4イエ
- 5エオ
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✓ これが正解3イウ
解説
イとウが誤り。3か月の期限は承諾書や書記官作成の証明書にない
書面申請で添付する印鑑に関する証明書について、作成後3か月以内という期限がかかるか、添付が必要か、原本の還付ができるかを、不動産登記令・不動産登記規則と先例で判断する問題です。誤っているものを選びます。
アは正しい記述です。本人確認情報に添付する司法書士の職印に関する証明書は、発行後3か月以内のものでなければならないとされています。イは誤りです。作成後3か月以内という期限は、申請書などに押した印鑑について市町村長や登記官が作成した証明書に定められたものです。家庭裁判所が選任した不在者財産管理人の届出印について裁判所書記官が作成した証明書には、この期限はかからないとされています。ウも誤りです。登記上の利害関係を有する第三者の承諾書に添付する印鑑に関する証明書にも、作成後3か月以内という期限は設けられていません。
エは正しい記述です。所有権以外の権利の登記名義人が登記義務者となる場合、印鑑に関する証明書は原則として要りませんが、登記識別情報を提供できないときは、申請書に記名押印し、その印鑑に関する証明書を添付しなければならないとされています。オも正しい記述です。承諾などを証する書面に添付した印鑑に関する証明書は原本の還付ができないとされており、利益相反取引を承認した取締役会議事録に添付した取締役の印鑑に関する証明書も還付を請求できません。
したがって、誤っているのはイとウです。3か月の期限がかかる証明書と、かからない証明書(承諾書の分や裁判所書記官が作成したもの)を分けて覚えておくと判断しやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1アウ:ウは確かに誤りですが、アは正しい記述です。司法書士が作る本人確認情報に付ける職印の証明書は、発行から3か月以内のものを使うとされています。
- 2アオ:この二つはどちらも正しい記述です。職印の証明書には3か月の期限があり、利益相反取引を承認した議事録に付けた印鑑の証明書は手元に返してもらえません。
- 4イエ:イは確かに誤りですが、エは正しい記述です。地上権のような所有権以外の権利の抹消でも、登記識別情報を出せない登記義務者は印鑑の証明書を付けます。
- 5エオ:この二つはどちらも正しい記述です。登記識別情報がない登記義務者には印鑑の証明書が求められ、承認の議事録に添付した印鑑の証明書は原本還付の対象外です。
出典:令和8年度 司法書士試験 午後の部(法務省)問13(改変:1問ずつ解ける形に加工(肢の番号をそろえ、冊子の注記を各問に複写し))。解説は当サイト独自のもので、法務省とは関係ありません。
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