令和8年度 午後の部 問21
不動産登記法
不動産登記法に関する問題
先取特権の登記に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。
ア 不動産売買の先取特権の保存の登記の申請は、売買を原因とする所有権の移転の登記の申請と同時にしなければならない。
イ 敷地権の表示の登記がされた区分建物について、当該区分建物のみを目的とする不動産工事の先取特権の保存の登記を申請することができる。
ウ 所有権の登記がある建物の附属建物を新築する場合において、当該附属建物の工事代金債権を担保するために不動産工事の先取特権の保存の登記を申請するときは、添付情報として新築する附属建物の設計書の内容を証する情報を提供しなければならない。
エ 地上権の売買代金債権を担保するための地上権売買の先取特権の保存の登記を申請することはできない。
オ 建物を新築する場合において、当該建物の工事代金債権を担保するために不動産工事の先取特権の保存の登記を申請するときは、登記義務者の印鑑に関する証明書を提供することを要する。
- 1アイ
- 2アウ
- 3イエ
- 4ウオ
- 5エオ
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✓ これが正解5エオ
解説
エとオが誤り。地上権売買の先取特権も登記でき、新築は印鑑証明不要
不動産の先取特権の保存の登記について、民法の登記の時期の要件と、不動産登記令の添付情報、先例で判断する問題です。誤っているものを選びます。
アは正しい記述です。不動産売買の先取特権は売買契約と同時に登記をしなければ効力を保存できないので、売買を原因とする所有権の移転の登記と同時に申請します。イも正しい記述です。不動産工事の先取特権は建物の工事の費用を担保するもので、敷地権の表示の登記がされた区分建物であっても、その建物のみを目的として保存の登記ができるとされています。ウも正しい記述です。所有権の登記がある建物の附属建物を新築する場合の不動産工事の先取特権の保存の登記では、新築する附属建物の設計書の内容を証する情報を提供します。
エは誤りです。不動産売買の先取特権は不動産の売買代金を担保するものですが、地上権の売買についても、その代金債権を担保する先取特権の保存の登記ができるとされています。オも誤りです。建物を新築する場合の不動産工事の先取特権は、まだ建物について所有権の登記がない段階で申請するので、所有権の登記名義人の印鑑に関する証明書を添付する場面に当たらず、登記義務者の印鑑に関する証明書は要しないとされています。
したがって、誤っているのはエとオです。新築前の建物にはまだ所有権の登記がない、という事実から添付情報を考えると、判断しやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1アイ:この二つはどちらも正しい記述です。売買の先取特権は所有権の移転の登記と同時に申請し、敷地権付きの区分建物でも建物だけを対象に工事の先取特権を登記できます。
- 2アウ:アもウも誤りではないので、この組合せは外れます。たとえばウでは、既に登記のある母屋に離れを建てる工事代金を担保する場合、建てる離れの設計内容を示す資料を付けることが求められます。
- 3イエ:エは確かに誤りですが、イは誤りではありません。マンションの一室のような敷地権付きの区分建物でも、工事代金の担保は建物部分だけを対象に登記でき、敷地まで含める必要はありません。
- 4ウオ:オは確かに誤りですが、ウは正しい記述です。所有権の登記がある建物に附属建物を新しく建てるときは、その設計書の内容を示す情報を出して登記を申請します。
出典:令和8年度 司法書士試験 午後の部(法務省)問21(改変:1問ずつ解ける形に加工(肢の番号をそろえ、冊子の注記を各問に複写し))。解説は当サイト独自のもので、法務省とは関係ありません。
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