令和6年度 午後の部 問12
不動産登記法
根抵当権に関する問題
次のアからオまでの登記のうち、主登記によってするものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。
ア 根抵当権の共有者間における根抵当権の優先の定めの登記
イ 賃借権が敷地利用権である場合にする敷地権である旨の登記
ウ 民法第398条の8第1項の合意の登記
エ 仮登記がされた所有権移転請求権の移転の登記
オ 抵当権の順位の変更の登記
(参考)
民法
第398条の8 元本の確定前に根抵当権者について相続が開始したときは、根抵当権は、相続開始の時に存する債権のほか、相続人と根抵当権設定者との合意により定めた相続人が相続の開始後に取得する債権を担保する。
2~4 (略)
- 1アイ
- 2アウ
- 3イオ
- 4ウエ
- 5エオ
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✓ これが正解3イオ
解説
イとオが主登記。優先の定め・合意の登記・請求権の移転は付記登記
ある登記が主登記(独立の順位番号で記録する登記)か付記登記(既存の登記に枝番で付け加える登記)かを、不動産登記規則第3条の付記登記の一覧で判断します。一覧に載っていなければ主登記です。
アは付記登記です。根抵当権の共有者の間で一人が他に先立って弁済を受ける旨の定め(民法第398条の14第1項ただし書の定め)の登記は、権利の変更の登記として付記登記によってすると規則に明記されています。イは主登記です。賃借権が敷地権である場合の敷地権である旨の登記は、土地の登記記録の権利部の相当区に独立して記録されるもので、付記登記の一覧にありません。ウは付記登記です。参考に掲げられた民法第398条の8第1項の合意(相続人と設定者が定める相続人の合意)の登記も、権利の変更の登記として付記登記によると明記されています。エは付記登記です。所有権移転請求権は所有権そのものではないので、その移転は所有権以外の権利の移転の登記として付記登記によります。オは主登記です。抵当権の順位の変更の登記は、複数の抵当権にまたがる登記で、付記登記の一覧にありません。
したがって主登記によってするのはイとオで、イとオを選ぶ組合せが正解です。
所有権以外の権利の変更・移転は付記、所有権そのものの移転や複数の権利にまたがる順位の変更は主登記、と覚えておくと多くの場面に当てはまります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1アイ:アは根抵当権の共有者間の優先の定めで、権利の変更の登記として付記登記によります。イは主登記ですが、もう一方が付記登記なので当たりません。
- 2アウ:アの優先の定めも、ウの相続人との合意の登記も、規則が名指しで付記登記とする根抵当権の変更です。主登記の組合せではありません。
- 4ウエ:ウの合意の登記は根抵当権の変更として、エの請求権の移転は所有権以外の権利の移転として、どちらも付記登記でされます。
- 5エオ:オを主登記と見るのはよいものの、エが外れます。仮登記された請求権を他人へ譲るのは、所有権そのものを動かすわけではないため、元の登記に枝番で付け加える形になります。
出典:令和6年度 司法書士試験 午後の部(法務省)問12(改変:1問ずつ解ける形に加工(肢の番号をそろえ、冊子の注記を各問に複写し))。解説は当サイト独自のもので、法務省とは関係ありません。
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