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技術戦略|ITパスポート試験

この分野には 25問あります。くり返し出ているものから並べています。

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この分野の出題のようす

この分野の問題が出た回のうち、新しい8回では1回に1〜8問出ています。

回この分野の問数
令和8年度5問
令和7年度8問
令和6年度1問
令和4年度1問
令和3年度2問
平成30年度 秋期 特別措置試験3問
平成29年度 秋期 特別措置試験1問
平成27年度 春期 特別措置試験1問

この分野でくり返し出ている用語はイノベーション(4問)・ロードマップ(4問)・技術開発(4問)・MOT(3問)・アノテーション(2問)です。問題が多い回は令和7年度(8問)・令和8年度(5問)・平成30年度 秋期 特別措置試験(3問)です。

この分野でいちばん新しい出題は令和8年度 問27です。

この分野の25問のうち、1問はほかの回にも同じ内容で出ています。

ITパスポートの「技術戦略」を過去問の数で見る

この分野には、平成21年度春期から令和8年度までの29回の試験のうち11回から、25問を収めています。令和4〜8年度の5回では15問で、1回あたり3.0問でした。それより前の24回は10問で、1回あたり0.4問です。令和7年度は8問、令和8年度は5問で、令和5年度の回にはこの分野の問がありません。

よく出る論点

論点は、各問の解説に付けた用語を束ねて数えています。1問がいくつかの論点にまたがって入ることがあります。

技術経営(MOT)とイノベーション(7問・6回)

MOTは技術経営のことで、技術に立脚する事業を行う企業が、技術開発に投資してイノベーションを促し、事業を持続的に伸ばしていく経営の考え方です。イノベーションは、新しい技術を作ることだけを指すのではなく、すでにあるものを組み合わせて、これまでに無い価値を生む場合も含みます。製品そのものを新しくするのがプロダクトイノベーション、作り方を新しくするのがプロセスイノベーションです。作り方が良くなると、同じ設計の品でも品質が上がり、一つ作る時間は短くなり、歩留り率は上がります。サプライチェーン管理やバリューチェーン管理も、作り方の側に並びます。

問: 平成22年度秋期 問27・平成30年度秋期 問22・平成27年度春期 問23(平成22年度〜令和6年度)

新しい技術の使い道(VR・ブロックチェーン・自動運転)(6問・2回)

仮想現実(VR)は視界を覆い、作られた空間の中だけを見せます。拡張現実(AR)は現実の景色の上に情報や絵を重ねるので、目の前の景色は消えません。ブロックチェーンは取引の記録を鎖のようにつないで多くの参加者で持ち合うので、改ざんを防ぎたい場面に向き、速さを求める場面には向きません。自動運転のレベル3は条件付運転自動化と呼ばれ、運転の主体は機械ですが、続けられなくなったときは人が引き継ぎます。本格的に作る前に、考えが成り立つかを小さく試す段階はPoC(概念実証)です。

問: 令和7年度 問19・令和7年度 問25・令和7年度 問33(令和7年度〜令和8年度)

AIと機械学習(5問・3回)

教師あり学習では、入力とその正解を組にしたデータを与えます。データ一つひとつに正解となる情報を付けていく作業がアノテーションで、欠けた値や重複を直してデータの質を整えるデータクレンジングとは別の作業です。集め方が偏ったデータで学ぶと、その偏りを含んだまま判断が出てきます。これがバイアスです。令和8年度には強いAIと弱いAIが出ました。弱いAIは意味を理解しているわけではなく、決められた範囲の中で、与えられたデータから確からしい答えを計算して示します。

問: 令和8年度 問16・令和7年度 問8・令和8年度 問27(令和3年度〜令和8年度)

技術ロードマップ(4問・4回)

横に時間を取り、縦に市場や商品や技術を並べて、研究の成果をいつ商品にし、いつ事業にするかを描いた図です。見分けの決め手は、時間を取っているかどうかです。技術の競争力と技術のライフサイクルを2つの評価軸に取って自社の技術を置く図は技術ポートフォリオで、今の立ち位置を映します。何年も先を見て描く図なので、技術者を半年や一年で評価する物差しには向きません。

問: 令和6年度 問17・令和3年度 問10・平成30年度秋期 問31(平成29年度〜令和6年度)

生成AI(2問・1回)

生成AIは、事前に大量の文章や画像を学び、普段の言葉で受けた指示から新しい文章や画像を組み立てます。同じ指示を出しても、返ってくるものが毎回そろうとは限りません。もっともらしいが事実とは異なる内容が出てくる現象をハルシネーションといいます。

問: 令和7年度 問10・令和7年度 問28(令和7年度)

ビッグデータ(2問・2回)

量の大きさ、生まれたり更新されたりする速さ、種類の多さの3つが特徴で、英語の頭文字がそろうことから3Vと呼びます。動画や画像、音声、機器が自動で残した記録も分析の対象になり、統計の手法に加えて機械学習も使われます。

問: 令和8年度 問25・令和3年度 問19(令和3年度〜令和8年度)

取り違えやすい組

空白を除いて30字以下の短い誤りの選択肢に、この分野の問の解説で用語として挙げた語が入っていた問を、その問の用語と組にして数えました。この分野では、どの組も1問ずつでした。

組見分け方その組が出た問
ハルシネーションと、ディープフェイク・エコーチェンバーディープフェイクは、実在する人の顔や声を精巧に作り替えた偽の映像や音声で、だますために作られたものです。エコーチェンバーは、同じ考えの人どうしで交わすうちに思い込みが強まる現象です。ハルシネーションは、作る側にその意図がないまま事実と違う内容が混じる現象です。1問(令和7年度 問10)
アノテーションとデータクレンジングデータクレンジングは、もとからある値を整える作業です。アノテーションは、データに新しく正解を与える作業です。1問(令和8年度 問16)
PoCと、CRM・SLACRMは顧客との関係を記録して育てる取り組み、SLAはサービスの水準をあらかじめ取り決めて文書にしたものです。PoCは、作る前に考えが成り立つかを試す活動です。1問(令和7年度 問7)
イノベーションと、マイグレーション・リアルオプションマイグレーションは、いまあるものを別の場所や形へ移し替える作業です。リアルオプションは、投資を段階に分けて、途中でやめたり広げたりできる余地を価値として測る考え方です。どちらも、新しい価値を生むこと自体を指す語ではありません。1問(平成30年度秋期 問29)

最近の出方

令和4〜8年度の5回と、それより前の24回を、1回あたりの問の数で比べました。回の数には、この分野の問が無い回も入れています。最近の5回は回の数が少ないので、1問の違いで1回あたり0.2問動きます。この幅を超えて動いた論点は3つで、どれも増えた側です。新しい技術の使い道(0.00問→1.20問)、AIと機械学習(0.04問→0.80問)、生成AI(0.00問→0.40問)の順です。この分野に入っている、この3つの論点の問は、令和3年度より前の回にはありません。ただし、分野は各問に付けた分野の名で分けています。令和元年度秋期の人工知能やIoTの問はビジネスインダストリの分野に入っているので、この伸びには分け方の違いも混じっています。

進め方

問の多い技術経営(MOT)とイノベーション、新しい技術の使い道、AIと機械学習の3つから解くと、この分野の25問のうち18問に当たります(この3つの論点の間で重なる問はありません)。そのあと上の表の組を見比べると、同じ問の中に並んだ語を、何をするものかで分けて確かめられます。この分野の全問は 技術戦略の過去問 から解けます。

対策問題(オリジナル)

過去問の傾向をもとに作ったオリジナルの問題です。本試験の問題ではありません。

  1. 1/10問・技術経営(MOT)とイノベーション

    ある家電メーカーは、掃除機の設計図には手を加えずに、組立ての順番を入れ替え、部品の位置合わせを専用の器具で機械に任せ、検査を組立ての途中に入れた。この取組みを表す語と、それによって直接得られる成果の組合せとして、最も適切なものはどれか。

    1. ア プロセスイノベーション / 掃除機を1台作るのにかかる時間が短くなる
    2. イ プロダクトイノベーション / 掃除機を1台作るのにかかる時間が短くなる
    3. ウ プロセスイノベーション / 材料のうち良品になる割合が下がる
    4. エ プロダクトイノベーション / これまで無かった市場が開ける
    正解と解説

    正解はアです。

    設計図を変えずに作り方を新しくする取組みは、プロセスイノベーションです。作り方が良くなると、同じ品を作るのにかかる時間は短くなり、品質と歩留り率は上がります。組立ての順番や位置合わせ、検査の置き場所はどれも作り方の側の話なので、1台あたりの時間が短くなるという成果と組み合わせたものが当てはまります。

    • イ成果は合っていますが、製品そのものを新しくするのがプロダクトイノベーションで、設計図を変えていないこの取組みには当たりません。
    • ウ語は合っていますが、作り方を良くすれば良品の割合は上がるので、成果の向きが逆です。
    • エ新しい市場が開けるのは、これまでに無い製品を出したときの成果で、作り方を変えた取組みとは語も成果も合いません。

    この論点の過去問:平成30年度 秋期 ITパスポート試験(特別措置試験) 問22・令和5年度 ITパスポート試験 問31

  2. 2/10問・技術経営(MOT)とイノベーション

    次の4つの会社の取組みのうち、MOT(技術経営)の考え方に沿ったものはどれか。

    1. ア 売上を早く伸ばすために、同じ業界の他社の株式を買い集めて、その会社の支配権を手に入れる。
    2. イ 経営陣が銀行からお金を借りて自社の株式を買い取り、経営権を自分たちの手に移す。
    3. ウ 製品の生産計画をもとに、部品ごとに必要な量と手配の時期を計算して、発注に反映させる。
    4. エ 自社が持つ技術を経営の資源と捉えて研究開発に投資を続け、その技術から新しい事業を育てて長く伸ばしていく。
    正解と解説

    正解はエです。

    MOTは技術経営と訳され、技術に立脚する事業を行う企業が、技術開発に投資してイノベーションを促し、事業を持続的に伸ばしていく経営の考え方です。技術を経営の資源として育て、事業に結び付けていく取組みが当てはまります。ほかの3つは、M で始まる別の略語(M&A・MBO・MRP)の中身を場面で書いたものです。

    • ア他社の支配権を得て事業を外から広げるのは M&A で、技術開発に投資する考え方ではありません。
    • イ経営陣が資金を借りて自社の株式を買い取るのは MBO で、経営権の取得の話です。
    • ウ部品や資材の必要な量と時期を計算して生産計画に反映させるのは MRP で、生産の現場の手法です。

    この論点の過去問:平成22年度 秋期 ITパスポート試験 問27・令和5年度 ITパスポート試験 問19

  3. 3/10問・技術ロードマップ

    技術開発戦略で使う技術ロードマップについての記述のうち、誤っているものはどれか。

    1. ア 横に時間を取り、縦に市場や商品や技術を並べて、研究の成果をいつ商品にし、いつ事業にするかを描く。
    2. イ 技術の競争力と技術が一生のどの段階にあるかを二つの評価軸に取り、自社の技術を置いて今の位置を見る。
    3. ウ 作るときは、実現したい製品の姿を先に決め、そこから逆にたどって必要な技術と時期を並べる。
    4. エ 何年か先までを見通して描くので、設備や人をいつ用意すればよいかを読み取れる。
    正解と解説

    正解はイです。

    技術ロードマップは、時間の軸に沿って、どの技術をいつまでにどこまで育てるかを描く図です。技術の競争力とライフサイクルの二つを軸に取って今の立ち位置を映す図は技術ポートフォリオで、時間の軸がありません。見分けるときは、図に時間の軸があるかどうかを見ます。

    • ア横に時間、縦に市場や商品や技術を置き、商品化と事業化の時期を描くのは、ロードマップの説明そのものです。
    • ウ実現したい製品の姿を先に置いて、逆算して技術と時期を並べるのが、この図の作り方です。
    • エ先の見通しを時間の上に並べるので、人や設備を用意する時期を逆算できます。

    この論点の過去問:令和6年度 ITパスポート試験 問17・令和3年度 ITパスポート試験 問10・平成30年度 秋期 ITパスポート試験(特別措置試験) 問31

  4. 4/10問・技術ロードマップ

    ある会社の開発部門は、次のa〜cに使う図を探している。技術ロードマップが役に立つ場面の組合せとして、適切なものはどれか。

    a 5年後に出したい製品から逆にたどって、研究に手を付ける時期と、人と予算を回す先を決める。

    b 技術者一人ひとりについて、この半年の成績を比べて評価する。

    c 開発と営業と経営が、これから何年かの技術の見通しを同じ図で確かめ合う。

    1. ア a
    2. イ a、b
    3. ウ a、c
    4. エ b、c
    正解と解説

    正解はウです。

    技術ロードマップは、何年も先までの技術の見通しを時間の軸に沿って並べた図です。研究にいつ手を付け、どこへ資源を回すかを決めるのに使え(a)、開発と営業と経営が同じ図を見て見通しを合わせる道具にもなります(c)。半年や一年の成績を測る物差しには向かないので、bは外れます。

    • アaは合っていますが、部門をまたいで同じ見通しを共有するcも、この図の使い道に入ります。
    • イbの短い期間の個人の評価は、何年も先を見て描く図の使う長さと合いません。
    • エbが入っているうえ、時期を決めて資源を回すという、この図のいちばんの使い道であるaが抜けています。

    この論点の過去問:令和3年度 ITパスポート試験 問10・平成30年度 秋期 ITパスポート試験(特別措置試験) 問31

  5. 5/10問・AIと機械学習

    写真に写っている動物を見分けるAIを、教師あり学習で作ろうとしている。学習に使う写真を準備する次の作業のうち、アノテーションに当たるものはどれか。

    1. ア 同じ写真が二重に入っているものや、ファイルが壊れて開けないものを見つけて直す。
    2. イ いろいろな形式で集まった写真を、決まった一つの画像形式に変換する。
    3. ウ 決めた大きさに満たない写真を、条件で選び出して学習の対象から外す。
    4. エ 写真を1枚ずつ人が見て、写っている動物の名前を正解の印として付けていく。
    正解と解説

    正解はエです。

    教師あり学習では、入力とその正解を組にしたデータを与えます。データ一つひとつに正解となる情報を付けていく作業がアノテーションで、写真なら何が写っているかを人が判断して印を付けます。重複や誤りを直す作業、形式の変換、条件での取捨選択は、どれも正解を書き添える作業ではありません。

    • ア重複や明らかな誤りを直してデータの質を整えるのはデータクレンジングで、新しく正解を与える作業ではありません。
    • イ決まりに従って別の形式へ置き換えるのはエンコードで、写真が何を表すかは書き添えていません。
    • ウ条件に合わないものを外すのはフィルタリングで、残った写真に正解を付けてはいません。

    この論点の過去問:令和8年度 ITパスポート試験 問16

  6. 6/10問・AIと機械学習

    ある会社が、過去10年の自社の採用記録だけを学習させたAIで応募書類を選んだところ、これまで採用の少なかった属性の応募者ほど低く評価される傾向が出た。この結果の説明として、最も適切なものはどれか。

    1. ア AIが応募書類の意味を人と同じように理解し、自らの考えで特定の属性を退けたものである。
    2. イ 学習に使ったデータの偏りをAIがそのまま学んだもので、バイアスと呼ばれる。データが学習の目的に合っているか、どこから来たデータかを確かめることが対策になる。
    3. ウ 生成AIがもっともらしいが事実と違う内容を出すハルシネーションに当たり、出力を原典で確かめれば防げる。
    4. エ 学習データに正解の印を付けたことが原因なので、アノテーションをやめれば偏りはなくなる。
    正解と解説

    正解はイです。

    機械学習では、与えたデータの性質がそのまま結果に写ります。集め方が偏ったデータで学ぶと、その偏りを含んだまま判断が出て、特定の人を不利に扱う結果になります。これがバイアスで、データが目的に合っているか、入手元や作られた来歴を確かめることが対策に挙げられます。

    • ア意味を理解して自ら考える前提は強いAIの側の説明で、偏りは過去の採用記録というデータから来ています。
    • ウハルシネーションは事実と違う内容が出てくる現象で、データの偏りがそのまま判断に出ることとは別の話です。
    • エ正解の印を付ける作業は教師あり学習に要る作業で、偏りを減らすには、やめるのではなく目的に沿った基準で付けることが求められます。

    この論点の過去問:令和7年度 ITパスポート試験 問8・令和8年度 ITパスポート試験 問17

  7. 7/10問・新しい技術の使い道(VR・ブロックチェーン・自動運転)

    次のa、bの事例は、それぞれAR(拡張現実)とVR(仮想現実)のどちらに当たるか。

    a 博物館で恐竜の骨の標本にタブレットを向けると、画面に映った標本の上に、肉や皮膚の付いた姿が重なって動く。

    b 頭をすっぽり覆うゴーグルを着けると、作られた宇宙ステーションの中にいるように見え、向きを変えると船内の別の場所が見える。

    1. ア a:VR b:AR
    2. イ a:VR b:VR
    3. ウ a:AR b:VR
    4. エ a:AR b:AR
    正解と解説

    正解はウです。

    見分ける手がかりは、目の前の現実が見えたままかどうかです。ARは現実の景色を映したうえに情報や絵を重ねるので、目の前の景色は消えません。VRは視界を覆い、作られた空間の中だけを見せます。aは画面の標本という現実に姿を重ねているのでAR、bは視界を覆って作られた空間を見せているのでVRです。

    • ア二つが入れ替わっています。現実の標本が見えたまま重ねるaがAR、視界を覆うbがVRです。
    • イaは現実の標本が画面に映ったままなので、視界を覆うVRには当たりません。
    • エbはゴーグルで視界が覆われ、現実の部屋が見えなくなっているので、重ねて見せるARには当たりません。

    この論点の過去問:令和7年度 ITパスポート試験 問19

  8. 8/10問・新しい技術の使い道(VR・ブロックチェーン・自動運転)

    ブロックチェーンの仕組みから見て、向いていない使い方はどれか。

    1. ア 1秒に何万件も届く注文を、少しも待たせずに次々と受け付ける。
    2. イ 産地から店頭までの食品の移動の記録を、あとから書き換えられない形で残す。
    3. ウ 複数の会社の間で取引の記録を同じように持ち合い、会社ごとの記録が食い違わないようにする。
    4. エ 発行した証書の持ち主の移り変わりを、こっそり書き換えられないように記録する。
    正解と解説

    正解はアです。

    ブロックチェーンは、取引の記録をひとかたまりずつ鎖のようにつなぎ、多くの参加者が同じ記録を持ち合う仕組みです。途中を書き換えるとその先が合わなくなり、一か所だけを直すこともできないので、改ざんや食い違いが困る場面に向いています。記録を大勢で確かめ合う手間がかかるぶん、速さを求める場面には向きません。

    • イあとから書き換えられないことを求める記録なので、改ざんを防ぐこの仕組みの狙いに合います。
    • ウ同じ記録を多くの参加者で持ち合い、食い違いを防ぐのは、この仕組みが向いている場面です。
    • エ持ち主の記録をこっそり直せないようにすることは、一か所だけを書き換えられないこの仕組みに合います。

    この論点の過去問:令和7年度 ITパスポート試験 問25

  9. 9/10問・生成AI

    社員が生成AIに社内向け資料の下書きを頼んだところ、整った文章の中に、存在しない法令の条番号が書かれていた。この現象を表す語と、使う側の対応の組合せとして、最も適切なものはどれか。

    1. ア ディープフェイク / 条番号を法令の原文で確かめてから使う
    2. イ ハルシネーション / 同じ指示をもう一度出し、2回の答えがそろえば正しいとみなす
    3. ウ ハルシネーション / 条番号を法令の原文で確かめてから使う
    4. エ エコーチェンバー / 条番号を法令の原文で確かめてから使う
    正解と解説

    正解はウです。

    生成AIは、事実を確かめているのではなく、もっともらしい言葉のつながりを選んで文を組み立てます。もっともらしいが事実とは異なる内容が出てくる現象をハルシネーションといいます。条文の番号のように一つ違えば意味が変わるものは、原典に当てて確かめる必要があります。

    • アディープフェイクは、だますために人の顔や声を作り替えた偽の映像や音声で、作る側に意図のない誤りとは別のものです。
    • イ語は合っていますが、生成AIは同じ指示でも答えが毎回そろうとは限らず、答えがそろっても事実を確かめたことにはなりません。
    • エエコーチェンバーは、同じ考えの人どうしで交わすうちに思い込みが強まる現象で、出力が事実と食い違うことを指す語ではありません。

    この論点の過去問:令和7年度 ITパスポート試験 問10・令和7年度 ITパスポート試験 問28

  10. 10/10問・ビッグデータ

    あるスーパーが、レジの購買記録に、その日の天気の記録、各店の位置の記録、売場のカメラの映像を合わせて、売れ方の理由を探ろうとしている。この分析についての考え方として、最も適切なものはどれか。

    1. ア 統計の手法に加えて機械学習も使えば、人が気づきにくい規則を見つけ、これから先の売れ方の予測にも使える。
    2. イ 売場のカメラの映像は文字の記録ではないので、分析の材料にはできない。
    3. ウ 天気の記録は人が発信した情報ではないので、客の動きを知る材料には使えない。
    4. エ 売場のカメラの映像は分析のために残したものではないので、目的を問わず対象から外す。
    正解と解説

    正解はアです。

    ビッグデータの分析では、統計の手法に加えて機械学習を使い、大量の記録から人が気づきにくい規則を見つけるやり方が広く使われ、まだ起きていないことの予測にも使えます。対象は文字に限らず、動画や画像、機器が自動で残した記録にも広がっています。購買の記録に天気や位置の記録を重ねると、売れ方の理由が見えてくることがあります。

    • イ動画や画像も分析の対象として扱われていて、文字の記録に限られません。
    • ウ機器が自動で残した気温などの記録も、人の動きを知る材料として使われます。
    • エ別の目的で残された記録から新しい発見が得られることは多く、目的を問わず外す扱いは誤りです。

    この論点の過去問:令和3年度 ITパスポート試験 問19

問題一覧

正解と解説は、答え合わせのあとに出ます。

年度別

この分野の問題は 11年度ぶんの試験から出ています。いちばん新しいのは令和8年度です。年度別に解くと、回ごとにまとめて解けます。