令和8年度 午後の部 問31
商業登記法
取締役に関する問題
株式会社の役員等の変更の登記の申請に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。
〔冊子の注記〕第28問から第35問までの試験問題については、問題文に明記されている場合を除き、定款に法令の規定と異なる別段の定めがないものとして、解答してください。
ア 取締役の婚姻による氏の変更の登記の申請書には、当該取締役の氏の変更を証する書面を添付しなければならない。
イ 監査役の就任の登記において、新任の監査役の本人確認証明書として、就任承諾書に記載した当該監査役の氏名及び住所と同一の氏名及び住所が記載されている住民票の写しを添付することができる。
ウ 株主総会で取締役のうち1名を解任する決議がされた場合には、定款で定めた取締役の員数に満たないこととなるときであっても、当該取締役の解任による変更の登記を申請することができる。
エ 取締役が破産手続開始の決定を受けた場合には、登記原因を「資格喪失」として、当該取締役の退任の登記を申請しなければならない。
オ 唯一の取締役が死亡により退任した場合には、一時取締役の職務を行うべき者を選任した裁判所の選任決定書を添付して、当該一時取締役の職務を行うべき者の就任の登記を申請することができる。
- 1アウ
- 2アエ
- 3イウ
- 4イオ
- 5エオ
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✓ これが正解3イウ
解説
イとウが正しい。解任された取締役は権利義務を負わない
株式会社の役員等の変更の登記の申請について、会社法・商業登記規則と先例で判断する問題です。定款に別段の定めはない前提です。
アは誤りです。取締役の婚姻による氏の変更の登記では、氏の変更を証する書面の添付は求められていません。イは正しい記述です。新任の監査役の本人確認証明書として、就任承諾書に記載した氏名及び住所と同じ氏名及び住所が記載された住民票の写しを添付できます。ウも正しい記述です。退任によって員数を欠くときに新たな取締役が就任するまで権利義務を有するのは、任期の満了又は辞任によって退任した取締役に限られます。解任された取締役はこれに当たらないので、定款で定めた員数を欠いても解任の登記を申請できます。
エは誤りです。取締役と会社の関係は委任に関する規定に従うので、取締役が破産手続開始の決定を受けると委任が終了して退任します。破産手続開始の決定は取締役の欠格事由ではないので、登記原因は資格喪失ではなく退任とされています。オは誤りです。一時取締役の職務を行うべき者を裁判所が選任したときは、裁判所書記官がその登記を嘱託するので、会社が選任決定書を添付して申請するのではありません。
したがって、正しいのはイとウです。裁判所が選んだ者の登記は嘱託でされる、退任の登記原因は理由ごとに決まる、と整理して覚えておきましょう。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1アウ:ウの判断は合っていますが、アが誤りです。婚姻によって取締役の氏が変わったときの変更の登記には、戸籍の証明書などの添付は求められていません。
- 2アエ:この二つはどちらも誤りです。氏の変更の登記に証明書の添付は要らず、取締役の破産による退任は委任の終了なので登記原因は退任になります。
- 4イオ:イの判断は合っていますが、オが誤りです。裁判所が選任した一時取締役の職務を行うべき者の登記は、会社の申請によらず裁判所書記官の嘱託でされます。
- 5エオ:この二つはどちらも誤りです。破産による退任の登記原因は資格喪失ではなく、一時取締役の職務を行うべき者の就任は嘱託によって登記されます。
出典:令和8年度 司法書士試験 午後の部(法務省)問31(改変:1問ずつ解ける形に加工(肢の番号をそろえ、冊子の注記を各問に複写し))。解説は当サイト独自のもので、法務省とは関係ありません。
同じ用語が出る問題
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