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令和8年度 午後の部 問32

商業登記法

株式に関する問題

会社法上の公開会社でない取締役会設置会社が、株主に株式の割当てを受ける権利を与えないでする募集株式の発行による変更の登記に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。

〔冊子の注記〕第28問から第35問までの試験問題については、問題文に明記されている場合を除き、定款に法令の規定と異なる別段の定めがないものとして、解答してください。

ア 募集株式の発行による変更の登記の申請書には、株式の割当てを決定し、又は総数引受契約を承認した株主総会議事録を添付しなければならない。

イ 発行済株式の総数が1000株であり、募集株式の引受人に割り当てる株式の総数が100株である場合において、当該募集株式の引受人が会社に対する600万円の金銭債権を出資したときは、募集株式の発行による変更の登記の申請書には、当該金銭債権について記載された会計帳簿を添付しなければならない。

ウ 出資の目的が金銭のみである場合において、その全額を資本金の額に計上するときは、募集株式の発行による変更の登記の申請書には、資本金の額が会社法及び会社計算規則の規定に従って計上されたことを証する書面を添付しなければならない。

エ 現に種類株式を発行している種類株式発行会社において、募集株式の発行による変更の登記の申請書には、当該募集株式の種類の種類株主総会において議決権を行使することができる種類株主が存しない場合を除き、募集事項の決定に係る当該種類の種類株主総会議事録を添付しなければならない。

オ 出資の目的である金銭の払込みがあったことを証する書面として、内閣総理大臣の認可を受けて設置された邦銀の海外支店を払込取扱機関として、代表取締役の作成に係る当該海外支店に払い込まれた金額を証する書面に当該海外支店における口座の預金通帳の写しを合てつしたものを添付することができる。

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✓ これが正解1アイ

解説

アとイが誤り。割当ては取締役会、10分の1以下なら会計帳簿不要

公開会社でない取締役会設置会社が第三者割当てで募集株式を発行したときの変更の登記について、会社法と商業登記法第56条で判断する問題です。定款に別段の定めはない前提です。誤っているものを選びます。

アは誤りです。会社法第204条第2項は、募集株式が譲渡制限株式である場合の割当ての決定は、取締役会設置会社では取締役会の決議によると定めています。総数引受契約の承認も同じく取締役会の決議によるので、添付するのは取締役会議事録です。イも誤りです。割り当てる株式の総数100株は発行済株式の総数1000株の10分の1を超えないので、会社法第207条第9項第1号により検査役の調査は要しません。商業登記法第56条第3号ニの会計帳簿は、同項第5号(弁済期が到来した金銭債権の出資)の場合の添付書面であり、第1号に当たるこの事例では会計帳簿の添付は求められません。ウは正しい記述です。募集株式の発行では、出資が金銭のみで全額を資本金に計上する場合でも、資本金の額が適法に計上されたことを証する書面の添付が必要とされています。

エは正しい記述です。種類株式発行会社で募集株式の種類が譲渡制限株式であるときは、議決権を行使できる種類株主がいない場合を除き、その種類の種類株主総会の決議が必要なので、その議事録を添付します。オも正しい記述です。内閣総理大臣の認可を受けて設置された邦銀の海外支店も払込取扱機関とすることができ、その支店に払い込まれた金額を証する書面に預金通帳の写しを合てつしたものを添付できるとされています。

したがって、誤っているのはアとイです。検査役の調査が不要になる理由ごとに添付書面が決まっており、10分の1以下や500万円以下を理由とする場合は特別な書面が要らない、と押さえておきましょう。

ほかの選択肢はなぜ違うのか

出典:令和8年度 司法書士試験 午後の部(法務省)問32(改変:1問ずつ解ける形に加工(肢の番号をそろえ、冊子の注記を各問に複写し))。解説は当サイト独自のもので、法務省とは関係ありません。

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