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令和8年度 午前の部 問30

会社法・商法

監査役に関する問題

次の対話は、株式会社の役員の任期に関する教授と学生との対話である。教授の質問に対する次のアからオまでの学生の解答のうち、誤っているものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。

〔冊子の注記〕第27問から第34問までの試験問題については、問題文に明記されている場合を除き、定款に法令の規定と異なる別段の定めがないものとして、解答してください。

教授: 今日は、株式会社の役員の任期について聞きます。なお、任期の満了前に退任した役員の補欠として選任された役員の任期については考慮しないものとして答えてください。まず、監査役の任期はいつまでとされていますか。

学生:ア 監査役の任期は、選任後4年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとされています。

教授: それでは、定款によって、監査役の任期を伸長することはできますか。

学生:イ 会社法上の公開会社でない株式会社においては、定款によって、監査役の任期を選任後10年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時まで伸長することができます。

教授: 次に、監査等委員会設置会社の取締役の任期について聞きます。監査等委員会設置会社の監査等委員である取締役の任期は、選任後2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとされていますが、定款によって、この任期を短縮することはできますか。

学生:ウ 定款によって、監査等委員会設置会社の監査等委員である取締役の任期を短縮することができます。

教授: それでは、監査等委員会設置会社の監査等委員でない取締役の任期はいつまでとされていますか。

学生:エ 監査等委員会設置会社の監査等委員でない取締役の任期は、選任後1年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとされています。

教授: それでは、定款によって、監査等委員会設置会社の監査等委員でない取締役の任期を伸長することはできますか。

学生:オ 定款によって、監査等委員会設置会社の監査等委員でない取締役の任期を選任後10年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時まで伸長することができます。

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✓ これが正解5ウオ

解説

ウとオが誤り。監査等委員は短縮不可、委員外取締役は伸長不可

株式会社の役員の任期について、会社法の条文で判断する問題です。監査役、監査等委員である取締役、監査等委員でない取締役で任期の決まりが違う点が要になります。

アについて、会社法第336条第1項は、監査役の任期を選任後4年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までと定めています。アは正しい記述です。イについて、同条第2項は、公開会社でない株式会社では、定款によってこの任期を選任後10年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時まで伸長できると定めています。イは正しい記述です。ウについて、取締役の任期は原則2年で、会社法第332条第1項ただし書は定款または株主総会の決議で短縮することを認めていますが、同条第4項は、監査等委員である取締役の任期についてはこのただし書を適用しないと定めています。監査等委員である取締役の任期は短縮できないので、ウは誤りです。

エについて、会社法第332条第3項は、監査等委員会設置会社の取締役(監査等委員であるものを除く)について、任期の2年を1年と読み替えています。エは正しい記述です。オについて、同条第2項が定款による10年までの伸長を認めているのは、公開会社でない株式会社のうち監査等委員会設置会社と指名委員会等設置会社を除いたものです。監査等委員会設置会社の監査等委員でない取締役の任期は伸長できないので、オは誤りです。したがって、ウとオの組合せが正解です。

監査役と監査等委員である取締役は独立性を守るため短縮できない、監査等委員会設置会社は非公開でも伸長できない、と理由と結びつけて覚えましょう。

ほかの選択肢はなぜ違うのか

出典:令和8年度 司法書士試験 午前の部(法務省)問30(改変:1問ずつ解ける形に加工(肢の番号をそろえ、冊子の注記を各問に複写し))。解説は当サイト独自のもので、法務省とは関係ありません。

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