令和8年度 午後の部 問28
商業登記法
合同会社に関する問題
商業登記における書面に押印した印鑑についての証明書に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。
〔冊子の注記〕第28問から第35問までの試験問題については、問題文に明記されている場合を除き、定款に法令の規定と異なる別段の定めがないものとして、解答してください。
ア 合同会社の代表社員が法人である場合の職務執行者であって当該法人の代表者でない者が、印鑑を明らかにした書面により印鑑の提出をする場合において、当該法人の代表者が登記所に印鑑を提出していないときは、当該代表者が当該職務執行者の印鑑に相違ないことを保証した書面に押印した印鑑につき市町村長の作成した証明書を添付しなければならない。
イ 合同会社の代表社員が法人である場合の職務執行者の就任による変更の登記の申請書には、当該職務執行者が就任を承諾したことを証する書面に押印した印鑑につき市町村長の作成した証明書を添付しなければならない。
ウ 登記所に印鑑を提出した者がない取締役会設置会社の代表取締役の辞任による変更の登記の申請書には、当該代表取締役が辞任を証する書面に押印した印鑑につき市町村長の作成した証明書を添付しなければならない。
エ 合同会社が取締役会設置会社でない株式会社に組織変更をした場合の組織変更による株式会社の設立の登記の申請書には、取締役が就任を承諾したことを証する書面に押印した印鑑につき市町村長の作成した証明書を添付しなければならない。
オ 商業登記法に基づく電子証明書の発行を書面により請求する場合には、請求者が当該書面に押印した印鑑につき市町村長の作成した証明書を添付しなければならない。
- 1アウ
- 2アエ
- 3イエ
- 4イオ
- 5ウオ
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✓ これが正解1アウ
解説
アとウが正しい。届出印で確認できないとき市町村長の証明で補う
商業登記で、書面に押した印鑑について市町村長の作成した証明書の添付が必要かどうかを、商業登記規則の規定と先例で判断する問題です。定款に別段の定めはない前提です。
アは正しい記述です。代表社員である法人の職務執行者が印鑑を提出する場合、その法人の代表者が職務執行者の印鑑に相違ないことを保証した書面を付けます。法人の代表者が登記所に印鑑を提出していないときは、その保証書面に押した印鑑について市町村長の作成した証明書を添付するとされています。イは誤りです。就任承諾書に押した印鑑の証明書の添付が求められるのは株式会社の取締役などの就任の場面で、合同会社の代表社員である法人の職務執行者の就任の登記には求められていません。ウは正しい記述です。登記所に印鑑を提出した者がない場合、代表取締役の辞任届に押した印鑑を届出印と照合できないので、市町村長の作成した証明書の添付が必要とされています。
エは誤りです。就任承諾書の印鑑の証明書は設立の登記で求められますが、組織変更による設立の登記はその対象から除かれているとされています。オも誤りです。電子証明書の発行の請求書には登記所に提出した印鑑を押すので、市町村長の作成した証明書は求められていません。
したがって、正しいのはアとウです。印鑑の証明書は、登記所の届出印では本人確認ができない場面を市町村長の証明で補う仕組み、と理解しておくと判断しやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 2アエ:アの判断は合っていますが、エが誤りです。合同会社から株式会社への組織変更による設立の登記では、取締役の就任承諾書の印鑑の証明書を付ける必要はありません。
- 3イエ:イもエも誤りなので外れます。持分会社の代表社員が法人の場合に選ばれる職務執行者も、合同会社から形を変えて生まれる株式会社の取締役も、承諾書の実印の証明までは要求されません。
- 4イオ:この二つはどちらも誤りです。職務執行者の就任の登記で就任承諾書の印鑑の証明書は要らず、電子証明書の発行の請求は届出印を押して行うので市町村長の証明書は求められません。
- 5ウオ:ウの判断は合っていますが、オが誤りです。電子証明書の発行請求書には登記所に届け出た印鑑を押すため、別に市町村長の作成した証明書を付ける必要はありません。
出典:令和8年度 司法書士試験 午後の部(法務省)問28(改変:1問ずつ解ける形に加工(肢の番号をそろえ、冊子の注記を各問に複写し))。解説は当サイト独自のもので、法務省とは関係ありません。
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