令和5年度 午後の部 問25
不動産登記法
所有権の保存の登記に関する問題
不動産登記に関する法令における期間の定めに関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。なお、申請はいずれも登記所に書面を提出する方法により行うものとする。
ア 新築した建物の所有権を取得した者は、その所有権の取得の日から1か月以内に、所有権の保存の登記を申請しなければならない。
イ 法定相続情報一覧図つづり込み帳の保存期間は、法定相続情報一覧図の保管の申出の日から10年である。
ウ 取締役会設置会社であるA株式会社とその代表取締役であるBとの間で締結した売買契約に基づく所有権の移転の登記を申請する場合において、利益相反取引に当たる当該売買契約を承認する旨のA株式会社の取締役会の議事録及び当該議事録に押印された印鑑に関する証明書を添付するときは、当該印鑑に関する証明書は、作成後3か月以内のものでなければならない。
エ 相続を登記原因とする所有権の移転の登記を申請する場合において、登記原因を証する情報として戸籍謄本を添付するときは、当該戸籍謄本は、作成後3か月以内のものであることを要しない。
オ 国外に住所を有する日本人を登記義務者として所有権の移転の登記を申請する場合において、当該申請書に添付すべき登記義務者の印鑑に関する証明書に代えて、在外公館において作成される登記義務者の署名が本人によるものである旨の証明書を添付するときは、当該証明書は、作成後3か月以内のものであることを要しない。
- 1アウ
- 2アオ
- 3イウ
- 4イエ
- 5エオ
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✓ これが正解5エオ
解説
エとオが正しく、ア・イ・ウは期間の定めと違う
期間の定めは、不動産登記法の申請義務、不動産登記規則の帳簿の保存期間、不動産登記令の印鑑証明書の期限と先例で判断します。本問は書面申請が前提です。
アは誤りです。新築建物について1か月以内の申請義務があるのは表題登記で、所有権の保存の登記には申請義務も期間もありません。イは誤りです。法定相続情報一覧図つづり込み帳の保存期間は作成の年の翌年から5年間であり、申出の日から10年ではありません。ウは誤りです。作成後3か月以内という期限が課されるのは、申請書や委任状に押印した申請人などの印鑑証明書です。利益相反取引を承認した取締役会の議事録に押された印鑑の証明書は、その期限の対象ではありません。エは正しく、相続による所有権の移転の登記で登記原因を証する情報として添付する戸籍謄本には、作成後3か月以内という制限はありません。オは正しく、国外に住所を有する日本人が印鑑証明書に代えて在外公館の署名証明書を添付する場合、その証明書は作成後3か月以内のものであることを要しないとされています。
したがって正しいのはエとオです。3か月の期限は申請の意思を確かめるための印鑑証明書に限られ、戸籍や議事録関係の証明書には及ばない、と範囲を押さえましょう。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1アウ:アとウはどちらも誤りです。権利の登記である保存の登記は申請するかどうか自体が任意で、会社と代表者の取引を承認した議事録の印鑑証明は古いものでも差し支えありません。
- 2アオ:オは正しいものの、アが誤りです。建物を新築したときに1か月以内の申請義務があるのは表示に関する登記であり、権利に関する登記である保存の登記には期限がありません。
- 3イウ:イとウはともに誤りです。法定相続情報一覧図の帳簿は作成の翌年から5年間保存され、また議事録の印鑑の証明書は3か月の期限の対象外です。
- 4イエ:エは正しいものの、イが誤りです。一覧図を綴じた帳簿は、保管の申出があった日を起点に10年保存するのではなく、帳簿を作った年の次の年から数えて5年間保存されます。
出典:令和5年度 司法書士試験 午後の部(法務省)問25(改変:1問ずつ解ける形に加工(肢の番号をそろえ、冊子の注記を各問に複写し))。解説は当サイト独自のもので、法務省とは関係ありません。
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