令和5年度 午後の部 問22
不動産登記法
地上権に関する問題
地上権の登記に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。
ア A、B及びCが所有権の登記名義人である土地について、A及びBが、Cに対して、A及びBの持分に地上権を設定することを承諾した場合には、Cを地上権者として、A及びBの持分につき地上権を設定する登記を申請することができる。
イ 地上権の設定の保全仮登記に基づく本登記を申請する場合には、当該保全仮登記に係る仮処分の債権者は、当該申請と同時に、単独で当該保全仮登記に係る仮処分の登記に後れる質権の設定の登記の抹消を申請することはできない。
ウ 区分地上権の設定の登記がされている土地の当該区分地上権を、竹木の所有を目的とする地上権に変更する旨の地上権の変更の登記を申請することができる。
エ 乙区1番で登記された地上権の持分を売買により取得したAが、その持分の一部を更にBに売却した場合に申請する登記の目的は、「1番地上権A持分一部移転」である。
オ 強制競売により法定地上権が設定されたものとみなされた場合には、地上権の設定の登記は、裁判所書記官の嘱託によってされる。
- 1アウ
- 2アオ
- 3イウ
- 4イエ
- 5エオ
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✓ これが正解2アオ
解説
アとオが誤り。持分に地上権は不可、法定地上権は共同申請
地上権の登記は、民法の地上権の性質、民事保全法の保全仮登記、不動産登記法と先例で判断します。
アは誤りです。地上権は土地を使用する権利なので、共有持分の上に設定することはできず、A及びBの持分についてだけ地上権を設定する登記は申請できません。イは正しいです。保全仮登記に基づく本登記をする仮処分の債権者が抹消できる後れる登記は、保全すべき権利が使用収益をするものである場合の、使用収益をする権利などの取得に関する登記に限られます。先例・実務では、地上権の保全仮登記の本登記に際して単独で抹消できるのは後れる用益権の登記とされ、担保権である質権の設定の登記は含まれないと扱われています。ウは正しく、区分地上権を竹木の所有を目的とする地上権に変更する地上権の変更の登記は申請できるとされています。エは正しく、地上権の持分を取得したAがその一部をBに売却したときの登記の目的は、1番地上権A持分一部移転です。オは誤りです。強制競売により法定地上権が成立した場合、地上権の設定の登記は裁判所書記官の嘱託の対象ではなく、土地の所有者と地上権者が共同で申請します。
よって誤っているのはアとオです。持分には用益権を設定できない、法定地上権の登記は当事者の申請による、の2点を確実にしておきましょう。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1アウ:アは誤りですが、ウは正しい記述です。地下や空間の一定範囲に限った区分地上権を、竹木の所有を目的とする通常の地上権に改める変更の登記は認められています。
- 3イウ:イとウはどちらも正しい記述です。後れる質権の設定の登記は仮処分債権者が単独で抹消できる登記に当たらず、区分地上権から竹木所有目的の地上権への変更も登記できます。
- 4イエ:イとエはともに正しい記述です。地上権の持分の一部を他人に売ったときは、持分の一部移転として、登記の目的に移転する持分の主体であるAの名前を示して申請します。
- 5エオ:オは誤りですが、エは正しい記述です。地上権の持分を取得した者がその一部を売却したときの登記の目的は、取得者の名を示した持分一部移転の形となります。
出典:令和5年度 司法書士試験 午後の部(法務省)問22(改変:1問ずつ解ける形に加工(肢の番号をそろえ、冊子の注記を各問に複写し))。解説は当サイト独自のもので、法務省とは関係ありません。
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