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令和5年度 午後の部 問17

不動産登記法

所有権の保存の登記に関する問題

所有権の保存の登記に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。

ア 権利能力なき社団の旧代表者であるAが表題部所有者として記録されている不動産について、当該権利能力なき社団から当該不動産を買い受けたBは、Aの唯一の相続人であるCを被告として、Bが当該不動産の所有権を有することを確認する旨の確定判決を得て、これに基づき、Bを所有権の登記名義人とする所有権の保存の登記を申請することができる。

イ Aが表題部所有者として記録されている甲建物について、Aが死亡し、Aの相続人がB及びCである場合には、Bは、単独で、自己の相続分についてのみ相続による所有権の保存の登記を申請することができる。

ウ 表題部所有者をA及びBとする甲建物をCが買い受けた場合において、CがAを被告として、Cが甲建物の所有権を有することを確認する旨の確定判決を得たときは、Cは、自己を所有権の登記名義人とする所有権の保存の登記を申請することができる。

エ 敷地権付き区分建物の専有部分の表題部所有者Aが、当該区分建物をBに売却し、その売却代金について抵当権の設定契約を締結した場合において、Bが不動産登記法第74条第2項の規定による所有権の保存の登記をしないときは、Aは抵当権設定登記請求権を代位原因として、Bを所有権の登記名義人とする当該所有権の保存の登記を代位により申請することができる。

オ Aを表題部所有者とする甲建物について、Aが生前に相続人以外のBに対して甲建物を売却していた場合には、Aの相続人Cは、Aを所有権の登記名義人とする所有権の保存の登記を申請することができる。

(参考)

不動産登記法

第74条 所有権の保存の登記は、次に掲げる者以外の者は、申請することができない。

一~三 (略)

2 区分建物にあっては、表題部所有者から所有権を取得した者も、前項の登記を申請することができる。この場合において、当該建物が敷地権付き区分建物であるときは、当該敷地権の登記名義人の承諾を得なければならない。

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✓ これが正解2アオ

解説

アとオが正しく、イ・ウ・エは保存の登記の申請人と違う

所有権の保存の登記は、不動産登記法第74条の申請できる者の範囲と先例で判断します。表題部所有者やその相続人その他の一般承継人、確定判決で所有権が確認された者などに限って申請できます。

アは正しいです。権利能力なき社団の旧代表者Aが表題部所有者である不動産を社団から買い受けたBは、Aの唯一の相続人Cを被告とする所有権確認の確定判決を得て、自己名義の保存の登記を申請できるとされています。イは誤りです。共有者の一人は、共有者全員のために保存の登記を申請することはできますが、自己の持分についてのみの保存の登記は申請できません。ウは誤りです。表題部所有者が複数いるときは、その全員を被告として所有権の確認の判決を得る必要があり、Aだけを被告とした判決では足りません。エは誤りです。区分建物について表題部所有者から所有権を取得した者がする保存の登記は、取得者本人だけが申請できるものとされ、売主Aが代位して申請することは認められていません。オは正しく、表題部所有者Aが生前に甲建物を売却していても、相続人CはA名義の保存の登記を申請でき、その後にBへの移転の登記をします。

よって正しいのはアとオです。保存の登記は持分の一部だけ、一部の者だけを相手にしては申請できない、と覚えておくと判断しやすくなります。

ほかの選択肢はなぜ違うのか

出典:令和5年度 司法書士試験 午後の部(法務省)問17(改変:1問ずつ解ける形に加工(肢の番号をそろえ、冊子の注記を各問に複写し))。解説は当サイト独自のもので、法務省とは関係ありません。

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