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令和7年度 午前の部 問14

民法

抵当権に関する問題

法定地上権に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らし正しいものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。

〔冊子の注記〕以下の試験問題については、国際物品売買契約に関する国際連合条約(ウィーン売買条約)の適用は考慮しないものとして、解答してください。また、第4問から第23問までの試験問題については、商法の適用は考慮しないものとして、解答してください。

ア 甲土地を所有するAが、甲土地上にあるB所有の乙建物をBから買い受けた後、その旨の登記がされないまま、Aが甲土地に抵当権を設定した場合において、抵当権の実行によりCが甲土地の所有権を取得したときは、法定地上権は成立しない。

イ A所有の甲土地にBのために第1順位の抵当権が設定された後、甲土地上にA所有の乙建物が建築され、次いで、甲土地にCのために第2順位の抵当権が設定された場合において、第2順位の抵当権の実行によりDが甲土地の所有権を取得したときは、Bが乙建物の建築を承認していたときであっても、法定地上権は成立しない。

ウ A所有の甲土地上にあるB所有の乙建物にCのために第1順位の抵当権が設定された後、BがAから甲土地を買い受け、次いで、乙建物にDのために第2順位の抵当権が設定された場合において、第1順位の抵当権の実行によりEが乙建物の所有権を取得したときは、法定地上権は成立しない。

エ A所有の甲土地上にA及びB共有の乙建物がある場合において、Aが甲土地に抵当権を設定し、抵当権の実行によりCが甲土地の所有権を取得したときは、法定地上権は成立しない。

オ A所有の甲土地上にA所有の乙建物がある場合において、Aが甲土地及び乙建物に共同抵当権を設定した後、乙建物が取り壊され、次いで、Aから甲土地を賃借したBが甲土地上にB所有の丙建物を建築した後、抵当権の実行によりCが甲土地の所有権を取得したときは、法定地上権は成立しない。

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✓ これが正解4イオ

解説

イとオが正しい。抵当権設定時の状態と担保価値の予測で決まる

法定地上権について、民法第388条の要件(抵当権設定当時に土地上に建物があり、土地と建物が同一の所有者に属すること)を判例がどう当てはめているかで判断する問題です。

アについて、判例は、抵当権設定当時に土地と建物が同一人の所有であれば、建物について前の所有者からの所有権移転登記がされていなくても法定地上権は成立するとしています。成立しないとするアは誤りです。イについて、判例は、更地に1番抵当権が設定された後に建物が建てられた場合、2番抵当権の設定当時には建物があっても、また1番抵当権者が建物の建築を承認していても、法定地上権は成立しないとしています。更地として評価した1番抵当権者を害するからです。イは正しい記述です。

ウについて、建物に抵当権を設定する場合は、法定地上権の成立を認めても建物の抵当権者に不利益はありません。判例は、建物の1番抵当権の設定当時は土地と建物の所有者が違っていても、2番抵当権の設定当時に同一の所有者に属していれば、1番抵当権の実行の際にも法定地上権が成立するとしています。ウは誤りです。エについて、判例は、土地を単独で所有する者が建物を他の者と共有している場合にその土地に抵当権を設定したときは、法定地上権が成立するとしています。エは誤りです。オについて、判例は、土地と建物に共同抵当権が設定された後に建物が取り壊されて新しい建物が建てられた場合、新建物の所有者が土地の所有者と同一で、かつ新建物に土地の抵当権と同順位の共同抵当権が設定されたなどの特段の事情がない限り、法定地上権は成立しないとしています。他人Bの建物なので成立せず、オは正しい記述です。したがって、イとオの組合せが正解です。

抵当権者が設定時に予測した担保価値を害するかどうか、という視点で各事例を見ると結論をそろえられます。

ほかの選択肢はなぜ違うのか

出典:令和7年度 司法書士試験 午前の部(法務省)問14(改変:1問ずつ解ける形に加工(肢の番号をそろえ、冊子の注記を各問に複写し))。解説は当サイト独自のもので、法務省とは関係ありません。

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