令和8年度 午後の部 問33
商業登記法
株式会社に関する問題
会社その他の法人の継続に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。
〔冊子の注記〕第28問から第35問までの試験問題については、問題文に明記されている場合を除き、定款に法令の規定と異なる別段の定めがないものとして、解答してください。
ア 定款で定めた存続期間の満了により解散した株式会社が当該存続期間の満了後直ちに当該株式会社を継続する旨の株主総会の決議をしたときは、解散及び清算人の登記をした後でなければ当該株式会社の継続の登記の申請をすることができない。
イ 株主総会の決議により解散した株式会社が継続の登記を申請するときは、清算人及び代表清算人に関する登記の抹消登記をも申請しなければならない。
ウ 休眠一般社団法人が、解散したものとみなされた後3年以内に一般社団法人を継続する場合には、継続の登記の申請書には、総社員の半数以上であって、総社員の議決権の3分の2以上に当たる多数をもって決議した社員総会の議事録を添付しなければならない。
エ 一般財団法人が定款で定めた解散の事由の発生により解散した場合には、清算が結了するまで、継続を決議した評議員会の議事録を添付して継続の登記の申請をすることができる。
オ 定款で定めた存続期間の満了によって解散した合名会社が、社員の一部の同意によって継続する場合には、当該合名会社を継続することにつき同意しなかった社員について、社員の退社による変更の登記を申請しなければならない。
- 1アエ
- 2アオ
- 3イウ
- 4イエ
- 5ウオ
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✓ これが正解4イエ
解説
イとエが誤り。清算人の登記は職権で抹消、財団の継続は限定的
解散した会社や法人の継続とその登記について、会社法、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(一般法人法)と先例で判断する問題です。定款に別段の定めはない前提です。誤っているものを選びます。
アは正しい記述です。存続期間の満了によって解散した場合でも、解散及び清算人の登記をした後でなければ、継続の登記は申請できないとされています。イは誤りです。継続の登記をしたときは、清算人及び代表清算人に関する登記は登記官が職権で抹消する記号を記録するとされており、その抹消の登記を申請する必要はありません。ウは正しい記述です。休眠一般社団法人が解散したものとみなされた後3年以内に継続するには、総社員の半数以上で、総社員の議決権の3分の2以上に当たる多数による社員総会の決議が必要で、その議事録を添付します。
エは誤りです。一般法人法第204条第1項は、一般財団法人が継続できる場合を、純資産額が300万円未満となったことなどによる解散の後に純資産額が300万円以上となった場合と、休眠一般財団法人として解散したものとみなされた場合に限っています。定款で定めた解散の事由の発生による解散では継続できません。オは正しい記述です。会社法第642条第2項は、持分会社を継続することについて同意しなかった社員は、継続することとなった日に退社すると定めているので、その社員の退社による変更の登記を申請します。
したがって、誤っているのはイとエです。一般財団法人が継続できるのは条文に挙げられた限られた場合だけ、と株式会社や持分会社との違いを押さえておきましょう。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1アエ:エは確かに誤りですが、アは正しい記述です。存続期間の満了で解散した会社も、継続の登記の前に解散の登記と清算人の登記を済ませておく必要があります。
- 2アオ:この二つはどちらも正しい記述です。継続の前提として解散と清算人の登記が必要で、継続に同意しなかった合名会社の社員は退社し、その登記を申請します。
- 3イウ:ウは誤りではないので外れます。長く登記をしていなかったため解散扱いになった社団法人が活動を再開するときは、社員の頭数と議決権の両方で重い要件を満たす決議が必要です。
- 5ウオ:この二つはどちらも正しい記述です。休眠一般社団法人の継続は社員総会の特別決議で行い、合名会社の継続に反対した社員は継続の日に退社します。
出典:令和8年度 司法書士試験 午後の部(法務省)問33(改変:1問ずつ解ける形に加工(肢の番号をそろえ、冊子の注記を各問に複写し))。解説は当サイト独自のもので、法務省とは関係ありません。
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