令和7年度 午後の部 問13
不動産登記法
不動産登記法に関する問題
申請情報の内容に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。
ア 区分地上権の設定の登記を申請する場合において、区分地上権の設定契約においてその区分地上権の行使のためにその土地の使用に制限を加える旨が定められたときは、その定めを申請情報の内容とすることができる。
イ 信託の登記を申請する場合において、受益者代理人の氏名又は名称及び住所を申請情報の内容としたときは、当該受益者代理人が代理する受益者の氏名又は名称及び住所を申請情報の内容としなければならない。
ウ 複数の者を抵当権者とする抵当権の設定の登記を申請する場合において、当該抵当権について5年を超えない期間は分割をしない旨が定められたときであっても、その定めを申請情報の内容とすることができない。
エ 国内に住所を有しない者が所有権の登記名義人となる所有権の移転の登記を申請する場合において、その者の国内連絡先となる自然人があるときは、その自然人の氏名並びに国内の住所又は国内の営業所、事務所その他これらに準ずるものの所在地及び名称を申請情報の内容としなければならない。
オ 永小作権の設定の登記を申請する場合において、永小作権の設定契約においてその権利を他人に譲り渡すことができない旨が定められたときは、その定めを申請情報の内容とすることができる。
- 1アイ
- 2アエ
- 3イウ
- 4ウオ
- 5エオ
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✓ これが正解3イウ
解説
イとウが誤り。受益者代理人を記録すれば受益者は不要、不分割特約は登記可
権利の登記で申請情報の内容とすることができる事項・しなければならない事項について、不動産登記法と不動産登記令で判断する問題です。
アは正しい記述です。区分地上権(地下や空間の上下の範囲を定めた地上権)の設定で、その行使のために土地の使用に制限を加える定めをしたときは、その定めは登記事項とされており、申請情報の内容とすることができます。イは誤りです。不動産登記法第97条は信託の登記の登記事項を定め、第1項第4号で受益者代理人の氏名等を掲げたうえで、第2項で、第2号から第6号までの事項のいずれかを登記したときは、第1号の受益者の氏名又は名称及び住所を登記することを要しないとしています。受益者代理人を記録すれば受益者の記録は必要ありません。
ウは誤りです。同法第59条第6号は、共有物分割禁止の定めを権利に関する登記の登記事項としており、その対象には所有権以外の財産権の準共有も含まれます。複数の抵当権者が抵当権を準共有し、5年を超えない期間は分割しない旨を定めたときは、その定めを申請情報の内容とすることができます。エは正しい記述です。国内に住所を有しない者が所有権の登記名義人となる場合には、国内連絡先となる者があればその氏名と国内の住所などを申請情報の内容とする扱いが、出題当時すでに設けられていました。オは正しい記述です。永小作権の譲渡又は賃貸を禁止する定めは登記事項とされています。
したがって、誤っているのはイとウです。不分割特約は所有権に限らず準共有の権利でも登記できる、と覚えると見落としを防げます。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1アイ:イは誤りですが、アは正しい記述です。区分地上権の行使のため土地の使用を制限する定めは、登記して第三者に示すべき事項とされており、申請情報に含めることができます。
- 2アエ:アとエはどちらも正しい記述です。区分地上権の使用制限の定めは登記事項であり、国内に住所の無い所有権の登記名義人には国内連絡先の情報を申請情報とする扱いがあります。
- 4ウオ:ウは誤りですが、オは正しい記述です。永小作権を他人に譲り渡せない旨の定めは、永小作権の内容として登記できる事項に含まれています。
- 5エオ:エとオはどちらも正しい記述です。海外に住む新しい所有者の連絡先となる国内の者の情報と、永小作権を譲れないとする特約は、どちらも申請時に示せる内容です。
出典:令和7年度 司法書士試験 午後の部(法務省)問13(改変:1問ずつ解ける形に加工(肢の番号をそろえ、冊子の注記を各問に複写し))。解説は当サイト独自のもので、法務省とは関係ありません。
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