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令和6年度 午後の部 問17

不動産登記法

印鑑に関する証明書に関する問題

書面申請における印鑑に関する証明書の添付に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。

なお、A、B及びCは自然人とし、いずれの申請においても必要な登記識別情報は提供されているものとする。

ア Aが所有権の登記名義人である甲土地について、AからBへの所有権の移転の登記が申請されている場合において、当該登記が完了する前に当事者の登記申請意思の撤回を理由として当該申請を取り下げるときは、当該申請を取り下げる旨の情報を記載した書面にA及びBの印鑑に関する証明書を添付することを要する。

イ Aが所有権の登記名義人である甲土地について、Bを質権者とし、Aを債務者とする質権の設定の登記がされている場合において、CがAの債務を免責的に引き受けたことにより当該質権の債務者の変更の登記を申請するときは、Aの印鑑に関する証明書を添付することを要しない。

ウ Aが所有権の登記名義人である甲土地について、Aが単独で甲土地を自己信託の対象とする方法によってされた信託による権利の変更の登記を申請する場合には、Aの印鑑に関する証明書を添付することを要しない。

エ A及びBが所有権の登記名義人である甲土地について、共有物分割禁止の定めに係る権利の変更の登記を申請する場合には、A及びBの印鑑に関する証明書を添付することを要する。

オ Aが登記名義人である所有権の保存の登記がされているが、所有権の移転の登記がされていない甲建物について、Aが単独で当該所有権の保存の登記の抹消を申請する場合には、Aの印鑑に関する証明書を添付することを要する。

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✓ これが正解1アウ

解説

アとウが誤り。取下書に印鑑証明は要らず、自己信託の変更登記には要る

書面申請で印鑑に関する証明書(印鑑証明書)を添付する場面は、不動産登記規則第47条第3号イに掲げられた、所有権の登記名義人がする一定の登記に限られます。各記述がこれに当たるかで判断します。

アは誤りです。申請の取下げは取り下げる旨を記載した書面を提出してしますが、その書面に申請人の印鑑証明書を添付することは求められていません。登記申請意思の撤回が理由でも同じです。イは正しく、所有権の登記名義人が登記義務者となる登記でも、担保権(根抵当権及び根質権を除く。)の債務者に関する変更の登記は除かれているので、質権の債務者の変更の登記ではAの印鑑証明書を要しません。ウは誤りです。信託法第3条第3号の方法(自己信託)によってされた信託による権利の変更の登記は、一覧に掲げられており、単独で申請するAの印鑑証明書が必要です。エは正しく、共有物分割禁止の定めに係る権利の変更の登記も一覧にあり、共有者A及びBの印鑑証明書を要します。オも正しく、所有権の移転の登記がない場合における所有権の登記の抹消も一覧にあり、Aの印鑑証明書を要します。

したがって誤っているのはアとウで、アとウを選ぶ組合せが正解です。

印鑑証明書は所有権の登記名義人が不利益を受ける登記の本人確認のため、ただし普通の担保権の債務者の変更は除く、と目的と例外を組にして覚えましょう。

ほかの選択肢はなぜ違うのか

出典:令和6年度 司法書士試験 午後の部(法務省)問17(改変:1問ずつ解ける形に加工(肢の番号をそろえ、冊子の注記を各問に複写し))。解説は当サイト独自のもので、法務省とは関係ありません。

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