令和5年度 午後の部 問14
不動産登記法
配偶者居住権に関する問題
次のアからオまでの記述のうち、第1欄に掲げる登記を申請する場合に、第2欄に掲げる登記原因及びその日付が誤っているものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。
| 第1欄 | 第2欄 | |
|---|---|---|
| ア | Aが死亡して、その相続人がB、C及びDである場合において、Dの相続放棄に係る相続放棄申述受理証明書を提供して相続を原因とするAからB及びCへの所有権の移転の登記がされた後、令和5年4月4日にDの相続放棄の申述受理の審判が取り消されたときにおけるB、C及びDを共有者とする所有権の更正の登記 | 令和5年4月4日相続放棄取消 |
| イ | 農地である甲土地について、買戻権者をAとし、期間を「令和3年4月5日から2年間」とする買戻しの特約の登記がされている場合において、令和5年4月4日にAがBに対してBが支払った売買代金及び契約の費用を返還して買戻しの意思表示をしたが、同年5月10日に当該買戻しに係る農地法所定の許可が到達したときの買戻しによる所有権の移転の登記 | 令和5年4月4日買戻 |
| ウ | 配偶者居住権者をAとし、存続期間を「配偶者居住権者の死亡時まで」とする配偶者居住権の設定の登記がされた場合において、令和5年4月4日にAが死亡したことによる配偶者居住権の抹消の登記 | 令和5年4月4日死亡による消滅 |
| エ | 相続を原因として胎児を登記名義人とする所有権の移転の登記がされた場合において、令和5年4月4日に当該胎児が生きて生まれたことによる当該胎児の登記名義人の氏名の変更の登記 | 令和5年4月4日氏名変更 |
| オ | 利息の定めが登記された抵当権について、令和5年4月4日に当該利息の定めを廃止したことによる抵当権の変更の登記 | 令和5年4月4日変更 |
- 1アウ
- 2アオ
- 3イウ
- 4イエ
- 5エオ
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✓ これが正解4イエ
解説
イとエが誤り。買戻しは許可到達日、胎児の変更は出生
登記原因とその日付は、権利変動がいつ、何によって生じたかを示すもので、不動産登記法・民法と先例で判断します。
アは正しいです。相続放棄の申述受理の審判が取り消されるとDは相続人に戻るので、B・C・Dの共有とする所有権の更正の登記をします。登記原因は、取消しの日を日付とする相続放棄取消とされています。イは誤りです。農地の買戻しでは、買戻しの意思表示だけでは所有権が移転せず、農地法の許可が到達した時に移転します。登記原因の日付は許可が到達した令和5年5月10日です。買戻しの期間内に意思表示がされていれば、許可の到達が期間経過後でも買戻しは有効とされています。ウは正しく、配偶者居住権者の死亡によって配偶者居住権が消滅したときは、死亡の日を日付として死亡による消滅を原因とする抹消の登記をします。エは誤りです。胎児名義の登記がされた後に胎児が生きて生まれた場合は氏名等の変更の登記をしますが、その登記原因は出生であり、出生の日を日付とします。オは正しく、利息の定めを廃止したときの抵当権の変更の登記の登記原因は、廃止の日を日付とする変更です。
よって誤っているのはイとエです。許可が必要な権利変動は許可の到達日、胎児名義の変更は出生、と原因の書き方をセットで覚えておきましょう。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1アウ:アとウはどちらも登記原因と日付が正しい記述です。相続放棄の受理が取り消された日を日付とする相続放棄取消も、配偶者居住権者が亡くなった日を日付とする死亡による消滅も、記述のとおりです。
- 2アオ:アとオはともに正しい記述です。抵当権の利息の定めをやめたことによる変更の登記は、やめた日を日付として変更を原因とするので、第2欄の記載で問題ありません。
- 3イウ:イは誤りですが、ウは正しい記述です。存続期間を死亡時までとする配偶者居住権が死亡によって消えたときは、その日付で死亡による消滅として抹消を申請します。
- 5エオ:エは誤りですが、オは正しい記述です。利息に関する定めをなくしたことで抵当権の内容を改める登記は、なくした日付の変更を登記原因とするので、第2欄のとおりです。
出典:令和5年度 司法書士試験 午後の部(法務省)問14(改変:1問ずつ解ける形に加工(肢の番号をそろえ、冊子の注記を各問に複写し))。解説は当サイト独自のもので、法務省とは関係ありません。
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