令和6年度 午前の部 問31
会社法・商法
監査役に関する問題
監査役に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。
〔冊子の注記〕第27問から第34問までの試験問題については、問題文に明記されている場合を除き、定款に法令の規定と異なる別段の定めがないものとして、解答してください。
ア 成年被後見人は、監査役となることができない。
イ 指名委員会等設置会社は、監査役を置いてはならない。
ウ 監査役会設置会社においては、監査役は、3人以上で、そのうち3分の2以上は、社外監査役でなければならない。
エ 監査役設置会社の監査役は、当該会社の子会社の会計参与を兼ねることができない。
オ 監査役設置会社の監査役は、正当な理由がなければ、株主総会の決議によって解任することができない。
- 1アウ
- 2アオ
- 3イウ
- 4イエ
- 5エオ
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✓ これが正解4イエ
解説
イとエが正しい。社外監査役は半数以上、監査役もいつでも解任できる
監査役について、欠格事由、機関設計、監査役会の構成、兼任の禁止、解任を会社法の条文で確かめる問題です。定款に別段の定めはないものとして考えます。正しいものを選びます。
イは正しい記述です。会社法は、監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社は監査役を置いてはならないと定めています。監査等委員会や監査委員会が監査を担うので、監査役と重ならないようにする趣旨です。エも正しい記述です。会社法第335条第2項は、監査役は株式会社若しくはその子会社の取締役若しくは支配人その他の使用人又は当該子会社の会計参与若しくは執行役を兼ねることができないと定めています。
アは誤りです。会社法第335条第1項は取締役の欠格事由を定める第331条第1項を監査役に準用していますが、第331条第1項には成年被後見人は挙げられていません。令和元年の会社法改正で成年被後見人を一律に欠格とする規定は削除され、所定の手続を踏めば成年被後見人も監査役に就任できるようになっています。ウも誤りです。会社法第335条第3項は、監査役会設置会社においては、監査役は三人以上で、そのうち半数以上は社外監査役でなければならないと定めています。3分の2以上ではありません。オも誤りです。監査役も、取締役などと同じく、いつでも株主総会の決議によって解任することができます(監査役の解任は特別決議です)。正当な理由がない解任は損害賠償の問題になるだけで、解任そのものはできます。
したがって正しいのはイとエです。監査役会の社外監査役は半数以上、監査役の解任は特別決議だがいつでもできる、と数字と決議要件を対にして覚えましょう。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1アウ:アとウはどちらも誤りです。成年被後見人を一律に監査役から外す規定は既に削除されており、監査役会の社外監査役は3分の2以上ではなく半数以上で足ります。
- 2アオ:アもオも会社法と合いません。後見を受けている人でも就任の道は開かれていますし、総会が監査役を辞めさせるのに理由の正当性は条件ではなく、理由を欠く場合は会社がその人の損害を賠償することになります。
- 3イウ:イの指名委員会等設置会社に監査役を置けない点は正しいのですが、ウは監査役会の社外監査役の割合を3分の2以上としており、半数以上と定める条文と食い違います。
- 5エオ:エの子会社の会計参与との兼任禁止は正しいのですが、オは正当な理由がなければ監査役を解任できないとしており、いつでも解任でき不当な解任は損害賠償の問題になるという仕組みと合いません。
出典:令和6年度 司法書士試験 午前の部(法務省)問31(改変:1問ずつ解ける形に加工(肢の番号をそろえ、冊子の注記を各問に複写し))。解説は当サイト独自のもので、法務省とは関係ありません。
同じ用語が出る問題
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