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令和5年度 午前の部 問33

会社法・商法

社債に関する問題

社債に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。なお、担保付社債信託法及び社債、株式等の振替に関する法律の適用はないものとする。

〔冊子の注記〕第27問から第34問までの試験問題については、問題文に明記されている場合を除き、定款に法令の規定と異なる別段の定めがないものとして、解答してください。

ア 募集社債の総額の引受けを行う契約により募集社債の総額を引き受けた者は、その契約が成立した時に、引き受けた募集社債の社債権者となる。

イ 社債券を発行する旨の定めがある社債に質権を設定した者は、社債発行会社に対し、質権に関する所定の事項を社債原簿に記載し、又は記録することを請求することができない。

ウ 社債の償還請求権は、これを行使することができる時から10年間行使しないときは、時効によって消滅する。

エ 会社は、社債を発行する場合において、各社債の金額が1億円以上であるときは、社債管理者を定めなければならない。

オ 議決権者の議決権の総額の5分の1で、かつ、出席した議決権者の議決権の総額の3分の2の議決権を有する者の同意により、社債管理者が当該社債の全部について支払の猶予をすることを可決する旨の社債権者集会の決議は、裁判所の認可を受けなくても、その効力を生ずる。

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✓ これが正解5エオ

解説

エは1億円以上なら社債管理者は不要、オは裁判所の認可が要るので誤り

社債について、会社法第676条以下の規定で判断します。担保付社債信託法と振替法の適用はない前提です。誤っているものを2つ選びます。

アは正しい記述です。会社法第680条第2号は、総額引受けの契約により募集社債の総額を引き受けた者は、その者が引き受けた募集社債の社債権者となると定めています。申込みと割当ての手続を経ずに、契約の成立によって社債権者となると理解されています。

イも正しい記述です。第694条第1項は、社債に質権を設定した者は社債原簿への記載・記録を請求できるとしつつ、同条第2項で、社債券を発行する旨の定めがある場合には適用しないとしています。社債券がある社債の質権は、社債券の占有によって第三者に対抗するためです。ウも正しく、第701条第1項は、社債の償還請求権は、行使することができる時から10年間行使しないときは時効によって消滅すると定めています。

エは誤りです。第702条は、会社は社債を発行する場合には社債管理者を定めなければならないとしつつ、ただし書で、各社債の金額が1億円以上である場合などはこの限りでないとしています。1億円以上なら、社債管理者を定める義務はありません。

オも誤りです。社債の全部についての支払の猶予は、社債権者集会の決議で決める事項です。第734条第1項は、社債権者集会の決議は、裁判所の認可を受けなければ、その効力を生じないと定めています。決議に必要な多数を満たしていても、認可がなければ効力は生じません。

したがって、エとオを選ぶ組合せが正解です。社債管理者の設置は大口なら免除、社債権者集会の決議は裁判所の認可で効力発生、と2つの例外と要件を対で覚えると便利です。

ほかの選択肢はなぜ違うのか

出典:令和5年度 司法書士試験 午前の部(法務省)問33(改変:1問ずつ解ける形に加工(肢の番号をそろえ、冊子の注記を各問に複写し))。解説は当サイト独自のもので、法務省とは関係ありません。

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