令和5年度 午前の部 問31
会社法・商法
監査役会設置会社に関する問題
監査役会設置会社において株主総会、取締役会及び監査役会の議事録が書面で作成されている場合に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。
〔冊子の注記〕第27問から第34問までの試験問題については、問題文に明記されている場合を除き、定款に法令の規定と異なる別段の定めがないものとして、解答してください。
ア 監査役会設置会社の債権者が当該監査役会設置会社の株主総会の議事録の閲覧又は謄写の請求をするには、裁判所の許可を得ることを要しない。
イ 監査役会設置会社の親会社社員が当該監査役会設置会社の株主総会の議事録の閲覧又は謄写の請求をするには、裁判所の許可を得ることを要する。
ウ 監査役会設置会社の債権者が当該監査役会設置会社の取締役会の議事録の閲覧又は謄写の請求をするには、裁判所の許可を得ることを要しない。
エ 監査役会設置会社の親会社社員が当該監査役会設置会社の取締役会の議事録の閲覧又は謄写の請求をするには、裁判所の許可を得ることを要する。
オ 監査役会設置会社の株主が当該監査役会設置会社の監査役会の議事録の閲覧又は謄写の請求をするには、裁判所の許可を得ることを要しない。
- 1アウ
- 2アエ
- 3イエ
- 4イオ
- 5ウオ
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✓ これが正解5ウオ
解説
取締役会議事録の債権者と監査役会議事録の株主は許可が要り、ウ・オが誤り
株主総会・取締役会・監査役会の議事録を閲覧・謄写するのに裁判所の許可が要るかを、請求する者ごとに会社法の条文で判断します。誤っているものを2つ選びます。
アは正しい記述です。会社法第318条第4項は、株主及び債権者は、株式会社の営業時間内はいつでも株主総会の議事録の閲覧又は謄写の請求ができると定めており、裁判所の許可は要りません。イも正しく、同条第5項は、親会社社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て請求できると定めています。
ウは誤りです。第371条第4項は、取締役会設置会社の債権者は、役員又は執行役の責任を追及するため必要があるときは、裁判所の許可を得て取締役会の議事録等の閲覧・謄写を請求できると定めています。取締役会の議事録には経営上の秘密が多く含まれるため、債権者には許可が求められます。エは正しく、同条第5項は第4項を親会社社員にも準用しているので、親会社社員も裁判所の許可が必要です。なお監査役会設置会社では、株主が取締役会の議事録を見るときも、同条第3項により裁判所の許可が必要になります。
オは誤りです。第394条第2項は、監査役会設置会社の株主は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て監査役会の議事録の閲覧・謄写を請求できると定めています。株主であっても許可が必要です。
したがって、ウとオを選ぶ組合せが正解です。株主総会の議事録だけは株主と債権者が自由に見られ、それ以外は原則として裁判所の許可が要る、と覚えると見分けやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1アウ:アとウを選ぶ組合せです。ウは取締役会議事録の閲覧を債権者が許可なくできるとしていて誤りですが、アは株主総会議事録なら債権者も営業時間内にいつでも閲覧できるとする第318条第4項どおりで正しい記述です。
- 2アエ:アとエを選ぶ組合せですが、債権者が株主総会議事録を許可なく見られるとするアも、親会社社員が取締役会議事録を見るには許可が要るとするエも条文どおりで、誤りを含みません。
- 3イエ:イとエを選ぶ組合せです。親会社社員は株主総会議事録でも取締役会議事録でも裁判所の許可を得て請求するので、イとエはどちらも正しく、この組合せは成り立ちません。
- 4イオ:イとオを選ぶ組合せです。オは監査役会議事録を株主が許可なく見られるとしていて第394条第2項と合いませんが、イは親会社社員に許可を求める第318条第5項どおりで正しい記述です。
出典:令和5年度 司法書士試験 午前の部(法務省)問31(改変:1問ずつ解ける形に加工(肢の番号をそろえ、冊子の注記を各問に複写し))。解説は当サイト独自のもので、法務省とは関係ありません。
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