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令和8年度 午後の部 問35

商業登記法

株主総会に関する問題

次の対話は、特例有限会社の登記に関する司法書士と補助者との対話である。司法書士の質問に対する次のアからオまでの補助者の解答のうち、誤っているものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。

〔冊子の注記〕第28問から第35問までの試験問題については、問題文に明記されている場合を除き、定款に法令の規定と異なる別段の定めがないものとして、解答してください。

司法書士:今日は特例有限会社の登記について確認します。まず、取締役が株主総会の目的である取締役の選任について提案をした場合において、当該提案につき議決権を行使することができる株主の全員が書面により同意の意思表示をしたときは、当該提案を可決する旨の決議があったものとみなされた事項の内容が記載された株主総会の議事録を添付して、当該取締役の変更の登記を申請することができますか。

補助者:ア はい、できます。

司法書士:次に、取締役がA及びBであり、代表取締役がAである特例有限会社の取締役Bが死亡したことにより登記を申請する場合には、代表取締役に関する登記すべき事項はどのようになりますか。

補助者:イ 取締役が1名となったため抹消及びその年月日となります。

司法書士:取締役全員の解任を内容とする変更の登記の申請があり、申請権限に疑義がなく、当該登記をした場合には、登記官は一般にどのような取扱いをしますか。

補助者:ウ 登記完了後速やかに、当該特例有限会社の本店に宛ててその旨を記載した書面を郵送して連絡します。

司法書士:特例有限会社が商号の変更により通常の株式会社に移行することを停止条件として、当該特例有限会社が吸収分割承継会社となる会社分割の登記を申請することができますか。

補助者:エ いいえ、できません。

司法書士:最後に、商号の変更による通常の株式会社への移行の登記において、同時に資本金以外の登記事項を変更する場合には、当該登記事項の変更に係る登録免許税を加算する必要はありますか。

補助者:オ はい、当該変更に係る登録免許税を加算する必要があります。

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✓ これが正解5エオ

解説

エとオが誤り。移行を停止条件とする吸収分割は可、税の加算は不要

特例有限会社の登記について、会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(整備法)と先例で判断する問題です。定款に別段の定めはない前提です。誤っている補助者の解答を選びます。

アは正しい解答です。特例有限会社でも、取締役が提案した事項について議決権を行使できる株主全員が書面で同意したときは可決の決議があったものとみなす株主総会の決議の省略が使えるので、その事項を記載した議事録を添付して取締役の変更の登記を申請できます。イも正しい解答です。特例有限会社では、取締役が1人になればその者が当然に会社を代表するので、代表取締役の登記は取締役が1名となったため抹消とその年月日を登記すべき事項とするとされています。ウも正しい解答です。取締役全員の解任の登記をしたときは、不正な登記を防ぐため、登記官は登記完了後速やかに会社の本店に宛ててその旨を記載した書面を郵送して連絡する取扱いとされています。

エは誤りです。特例有限会社は吸収分割承継会社となることができませんが、商号の変更による通常の株式会社への移行を停止条件として、吸収分割承継会社となる会社分割の登記を申請することはできるとされています。オも誤りです。通常の株式会社への移行の登記と同時に資本金以外の登記事項を変更しても、その変更分の登録免許税を加算する必要はないとされています。

したがって、誤っているのはエとオです。特例有限会社にできない組織再編も、移行を停止条件にすれば手続を進められる、と押さえておきましょう。

ほかの選択肢はなぜ違うのか

出典:令和8年度 司法書士試験 午後の部(法務省)問35(改変:1問ずつ解ける形に加工(肢の番号をそろえ、冊子の注記を各問に複写し))。解説は当サイト独自のもので、法務省とは関係ありません。

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