令和8年度 午後の部 問26
不動産登記法
仮登記に関する問題
不動産登記における審査請求に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らし誤っているものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。
ア 審査請求は、登記官を経由してしなければならない。
イ 抵当権の移転の登記の申請が却下された場合には、抵当権設定者は、当該申請を却下する処分について審査請求をすることができない。
ウ 登記官は、処分についての審査請求を理由があると認めるときは、相当の処分をしなければならない。
エ 審査請求の取下げは、口頭ですることができる。
オ 登記官を監督する法務局又は地方法務局の長は、処分についての審査請求を理由があると認めるときは、当該登記官に相当の処分を命ずる前に、当該登記官に仮登記を命じなければならない。
- 1アイ
- 2アウ
- 3イオ
- 4ウエ
- 5エオ
答えと解説を見る
✓ これが正解5エオ
解説
エとオが誤り。取下げは書面で、仮登記を命ずるかは裁量
登記官の処分に対する審査請求について、不動産登記法第156条・第157条、行政不服審査法と判例で判断する問題です。誤っているものを選びます。
アは正しい記述です。第156条第2項は、審査請求は登記官を経由してしなければならないと定めています。イも正しい記述です。申請を却下した処分を争う利益があるのは申請人であり、抵当権の移転の登記の申請人ではない抵当権設定者は、その却下の処分について審査請求をすることができないとされています。ウも正しい記述です。第157条第1項は、登記官は処分についての審査請求を理由があると認めるときは、相当の処分をしなければならないと定めています。
エは誤りです。行政不服審査法第27条第2項は、審査請求の取下げは書面でしなければならないと定めています。口頭ではできません。オも誤りです。第157条第4項は、法務局又は地方法務局の長は、相当の処分を命ずる前に登記官に仮登記を命ずることができると定めています。仮登記を命ずるかどうかは裁量であり、命じなければならないわけではありません。
したがって、誤っているのはエとオです。審査請求の取下げは書面、仮登記を命ずるのは任意、と手続の形と義務の有無を区別して覚えておきましょう。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1アイ:アもイも誤りではないので外れます。不服の申立ては処分をした登記官を通して法務局長に届ける仕組みで、自分が申請していない登記の却下を設定者が争う余地はありません。
- 2アウ:この二つはどちらも条文どおりの正しい記述です。審査請求は登記官経由で提出し、登記官は理由があると判断すれば自ら相当の処分をします。
- 3イオ:オは確かに誤りですが、イは正しい記述です。抵当権の移転の登記を申請していない抵当権設定者は、その申請が却下されても審査請求をすることはできません。
- 4ウエ:エは確かに誤りですが、ウは正しい記述です。審査請求に理由があると考えた登記官は、法務局長の判断を待たずに自ら相当の処分をしなければなりません。
出典:令和8年度 司法書士試験 午後の部(法務省)問26(改変:1問ずつ解ける形に加工(肢の番号をそろえ、冊子の注記を各問に複写し))。解説は当サイト独自のもので、法務省とは関係ありません。
この解説に誤りを見つけたら教えてください。直して、直した記録を残します。誤りを報告する(メールが開きます)