令和7年度 午後の部 問19
不動産登記法
不動産登記法に関する問題
登記名義人の氏名及び住所についての変更の登記に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。
なお、複数の不動産について申請がされる場合には、当該不動産は、同一登記所の管轄区域内にあるものとする。
ア A及びBが所有権の登記名義人である甲土地の登記記録にA及びBの住所がいずれも「X地」と記録されている場合において、A及びBがいずれも同一の日に「X地」から「Y地」に住所を移転したときは、A及びBは、甲土地に係る所有権の登記名義人の住所の変更の登記を、一の申請情報によって申請することができる。
イ A及びBが所有権の登記名義人である甲土地とAのみが所有権の登記名義人である乙土地の登記記録のいずれにもAの住所が「X地」と記録されている場合において、Aが「X地」から「Y地」に住所を移転したときは、Aは、甲土地及び乙土地に係る所有権の登記名義人の住所の変更の登記を、一の申請情報によって申請することができる。
ウ Aが所有権の登記名義人である甲土地及び乙土地について、甲土地の登記記録にAの住所が「X地」と記録され、乙土地の登記記録にAの住所が「Y地」と記録されている場合において、Aが「X地」から「Y地」に、「Y地」から「Z地」に住所を移転していたときは、Aは、甲土地及び乙土地に係る所有権の登記名義人の住所の変更の登記を、一の申請情報によって申請することができる。
エ 調停調書の正本に基づきAからBへの所有権の移転の登記を申請する場合において、Aの氏が変更されたことにより当該調停調書の正本に記載されたAの氏名と登記記録上のAの氏名とが異なるときは、氏の変更を証する情報を提供すれば、当該申請をする前提として、Aの氏名の変更の登記を申請する必要はない。
オ 縁組により氏が変更した場合に申請する登記名義人の氏名の変更の登記の登記原因は、「縁組」である。
- 1アウ
- 2アオ
- 3イウ
- 4イエ
- 5エオ
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✓ これが正解5エオ
解説
エとオが誤り。前提の氏名変更登記は省けず、原因は縁組ではなく氏名変更
登記名義人の氏名・住所の変更の登記(いわゆる名変登記)について、一の申請情報でまとめて申請できる場合と、前提として必要になる場合を、不動産登記規則と先例で判断する問題です。
アは正しい記述です。共有者A及びBが同じ日に同じ住所へ移転した場合は、登記原因とその日付、変更後の住所が共通なので、一の申請情報でまとめて申請することができると扱われています。イも正しい記述です。不動産登記規則第35条第8号は、同一の登記所の管轄区域内にある二以上の不動産について申請する登記が、いずれも同一の登記名義人の住所等についての変更の登記であるときを、一の申請情報で申請できる場合に挙げています。ウも正しい記述です。甲土地は二度の移転を経て、乙土地は一度の移転で、いずれも最終的にZ地へ変わるので、同じ号によって一の申請情報で申請できます。
エは誤りです。調停調書に基づく移転の登記でも、登記義務者Aの登記記録上の氏名と申請情報の氏名が一致していなければ、前提としてAの氏名の変更の登記を申請する必要があります。変更を証する情報を付けるだけで足りる扱いは、この場面には認められていません。オも誤りです。縁組によって氏が変わった場合の登記原因は、縁組ではなく氏名変更とされています。登記原因として示すのは氏名が変わったという事実だからです。
したがって、誤っているのはエとオです。前提の名変登記は判決や調停によっても省けない、と覚えておくと見分けられます。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1アウ:アとウはどちらも正しい記述です。共有者二人が同じ日に同じ所へ移ったなら一件で申請でき、移転の経過が土地ごとに違っても、同じ名義人の住所の変更なら一件にまとめられます。
- 2アオ:オは誤りですが、アは正しい記述です。共有者が同じ日に同じ場所へ住所を移した場合は、原因・日付・変更後の住所が共通なので、一件の申請情報で足ります。
- 3イウ:イとウはどちらも正しい記述です。同じ登記名義人の住所の変更の登記であれば、不動産が複数あっても、また変更の経過が違っても、一件でまとめて申請できます。
- 4イエ:エは誤りですが、イは正しい記述です。Aが共有者である土地と単独所有の土地でも、同じ人の住所の変更の登記であれば規則により一件で申請できます。
出典:令和7年度 司法書士試験 午後の部(法務省)問19(改変:1問ずつ解ける形に加工(肢の番号をそろえ、冊子の注記を各問に複写し))。解説は当サイト独自のもので、法務省とは関係ありません。
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