令和6年度 午後の部 問24
不動産登記法
仮登記に関する問題
登記記録に次のような記録(抜粋)がある甲土地について、次のアからオまでの記述のうち、第1欄に掲げる事由が生じたときに、B及びCが書面により共同して申請する登記に関する第2欄に掲げる記述が正しいものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。
なお、判決による登記、代位による登記及び仮登記を命ずる処分に基づく仮登記については、考慮しないものとする。また、租税特別措置法等の特例法による税の減免規定の適用はないものとする。
権利部(甲区)(所有権に関する事項)
| 順位番号 | 登記の目的 | 受付年月日・受付番号 | 権利者その他の事項 |
|---|---|---|---|
| 1 | 所有権移転 | 令和6年4月1日 第4000号 | 原因 令和6年4月1日贈与 所有者 A |
| 2 | 所有権移転仮登記 | 令和6年5月1日 第5000号 | 原因 令和6年5月1日売買 権利者 B |
| 余白 | 余白 | 余白 |
| 第1欄 | 第2欄 | |
|---|---|---|
| ア | Bが、Cに対して、順位番号2番で仮登記がされた所有権を売却した。 | 登記は、本登記によってされる。 |
| イ | B及びCが、順位番号2番で仮登記がされた所有権の売買の予約をした。 | 登記は、付記登記によってされる。 |
| ウ | Bが、Cに対して、順位番号2番で仮登記がされた所有権を売却した。 | 添付情報として、Bの登記識別情報の提供を要する。 |
| エ | B及びCが、順位番号2番で仮登記がされた所有権の売買の予約をした。 | 添付情報として、Cの住所を証する情報の提供を要しない。 |
| オ | Bが、Cに対して、順位番号2番で仮登記がされた所有権を売却した。 | 登録免許税の額は、不動産の価額に1000分の10を乗じた額である。 |
- 1アイ
- 2アウ
- 3イエ
- 4ウオ
- 5エオ
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✓ これが正解5エオ
解説
エとオが正しい。仮登記された所有権の移転は主登記の仮登記でする
仮登記された所有権(売買による所有権移転仮登記)をBがCへ売却した場合と、売買の予約をした場合の登記を、不動産登記法・不動産登記規則と登録免許税法で判断します。
アは誤りです。Bが持つのは仮登記の段階の所有権なので、Cへの移転の登記も仮登記によってします(2番仮登記所有権の移転の仮登記)。本登記によってするのではありません。イは誤りです。所有権に関する登記なので、所有権以外の権利の移転のような付記登記にはならず、主登記の仮登記(2番仮登記所有権の移転請求権の仮登記)によってします。ウは誤りです。同法第107条第2項は、仮登記の登記権利者及び登記義務者が共同して仮登記を申請する場合には、登記識別情報の提供を定めた規定を適用しないとしているので、Bの登記識別情報の提供を要しません。エは正しく、仮登記の申請ではCの住所を証する情報の提供を要しません。住所を証する情報は所有権の保存や移転の本登記で登記名義人となる者について求められるものです。オは正しく、売買を原因とする所有権の移転の仮登記の登録免許税は、登録免許税法別表第一により不動産の価額に1000分の10を乗じた額です。
したがって正しいのはエとオで、エとオを選ぶ組合せが正解です。
仮登記された所有権の処分は、所有権だから主登記、権利がまだ仮だから仮登記、と二つの性質を重ねて考えると形が決まります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1アイ:アは仮登記された所有権の移転を本登記でするとする点で、イは所有権に関する登記を付記登記でするとする点で、どちらも誤りです。
- 2アウ:アは移転の登記を本登記とする点で誤り、ウは共同で申請する仮登記に登記義務者Bの登記識別情報を求める点で誤りです。
- 3イエ:エは住所を証する情報を要しないという正しい記述ですが、イは誤りです。所有権に関する仮登記なので主登記によってされます。
- 4ウオ:オは仮登記の税率として正しいものの、ウは誤りです。共同で申請する仮登記には登記識別情報の提供の規定が適用されません。
出典:令和6年度 司法書士試験 午後の部(法務省)問24(改変:1問ずつ解ける形に加工(肢の番号をそろえ、冊子の注記を各問に複写し))。解説は当サイト独自のもので、法務省とは関係ありません。
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