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令和5年度 午前の部 問26

刑法

刑法に関する問題

刑法における親族間の犯罪に関する特例に関する次の1から5までの記述のうち、判例の趣旨に照らし正しいものは、どれか。

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✓ これが正解4Aは、情を知って、同居の長男Bの依頼を受け、Bの友人であるCが窃取し、BがCから有償で譲り受けた普通乗用自動車を運搬した。この場合、Aには、盗品等運搬罪が成立し、その刑は免除されない。

解説

盗品等の罪の免除は本犯との親族関係が要るので、盗品運搬の記述が正しい

親族間の犯罪に関する特例(親族の間で起きた一定の犯罪について刑を免除するなどの規定)について、刑法の条文と判例で判断します。正しいものを1つ選びます。

証拠隠滅の記述は誤りです。刑法第105条は、犯人の親族がその犯人の利益のために証拠隠滅などを犯したときは、その刑を免除することができると定めています。Aが利益を図ったのは親族でないCだけなので特例の対象外ですし、仮に当たるとしても免除は裁判所の裁量で、当然に免除されるわけではありません。

実母の金庫から現金を盗んだ記述も誤りです。第244条第1項は、配偶者、直系血族又は同居の親族との間で窃盗などを犯した者の刑を免除するとしていますが、同条第3項により、親族でない共犯には適用されません。Cと親族関係にないAは免除されません。内縁の妻の宝石を盗んだ記述も誤りです。判例は、内縁の配偶者には第244条第1項は適用も類推適用もされないとしています。

成年後見人の記述も誤りです。判例は、家庭裁判所から選任された成年後見人が業務上占有する被後見人の財産を横領した場合、後見の事務は公的な性格を持つので、親族関係があっても刑の免除の規定は準用されないとしています。

残る盗品運搬の記述が正しい記述です。第257条第1項は、配偶者や直系血族、同居の親族などとの間で盗品等に関する罪を犯した者の刑を免除すると定めています。判例は、ここでいう親族関係は、盗品等に関する罪の犯人と、もとの財産犯の犯人(本犯者)との間に必要だとしています。本犯者は窃盗をしたCで、Aとは親族関係にないので、同居の長男Bの依頼であっても刑は免除されません。

各特例について、誰と誰の間の親族関係が必要か、免除が必ずか裁量か、の2点を確認する習慣をつけると見分けやすくなります。

ほかの選択肢はなぜ違うのか

出典:令和5年度 司法書士試験 午前の部(法務省)問26(改変:1問ずつ解ける形に加工(肢の番号をそろえ、冊子の注記を各問に複写し))。解説は当サイト独自のもので、法務省とは関係ありません。

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