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令和4年度 午前の部 問29

会社法・商法

株式に関する問題

株式の担保化に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。

〔冊子の注記〕第27問から第34問までの試験問題については、問題文に明記されている場合を除き、定款に法令の規定と異なる別段の定めがないものとして、解答してください。

ア 株券発行会社の株式の質入れは、当該株式に係る株券を交付しなくても、当事者間の合意によりその効力を生ずる。

イ 株式の質権者であって、株主名簿に質権に関する所定の事項が記載又は記録されていないものは、剰余金の配当によって当該株式の株主が受けることのできる金銭等に物上代位することができない。

ウ 株式の質権者は、株式会社に対し、質権に関する所定の事項を株主名簿に記載又は記録することを請求することができる。

エ 株券発行会社の株式の質権者は、継続して当該株式に係る株券を占有しなければ、その質権をもって第三者に対抗することができない。

オ 商行為によって生じた債権を担保するために行われた株式の質入れについては、その質権の設定行為において、質権者に弁済としてその株式を取得させることを約することができる。

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✓ これが正解5エオ

解説

エとオが正しく、ア・イ・ウは株式の質入れの規定と違います。

株式を担保に入れる方法である株式の質入れについて、効力要件・対抗要件・物上代位・株主名簿への記載の請求、そして商行為による債権の場合の流質契約を、会社法と商法で判断する問題です。

エは正しい記述です。会社法第147条第2項は、株券発行会社の株式の質権者は、継続して当該株式に係る株券を占有しなければ、その質権をもって株券発行会社その他の第三者に対抗することができないとしています。オも正しく、民法第349条は、質権設定行為や弁済期前の契約で、質権者に弁済として質物の所有権を取得させることなどを約すること(流質契約)を禁じていますが、商法第515条は、商行為によって生じた債権を担保するために設定した質権には民法第349条を適用しないとしています。

アは誤りです。会社法は、株券発行会社の株式の質入れは、当該株式に係る株券を交付しなければ効力を生じないと定めています。当事者間の合意だけでは足りません。イも誤りで、株主名簿に質権者の記載がない質権(略式質)であっても、質権の効力として剰余金の配当などで株主が受ける金銭等に物上代位することはできます。株主名簿への記載(登録質)は、会社から直接配当を受け取れるなどの効果をもたらすものにとどまります。ウも誤りです。質権に関する事項を株主名簿に記載又は記録することを会社に請求できるのは、質権を設定した株主です。質権者が単独で請求できるわけではありません。

したがって、正しいものはエとオです。株券発行会社の株式の質入れは、効力は株券の交付、対抗は株券の継続占有、と株券を軸に覚えると整理できます。

ほかの選択肢はなぜ違うのか

出典:令和4年度 司法書士試験 午前の部(法務省)問29(改変:1問ずつ解ける形に加工(肢の番号をそろえ、冊子の注記を各問に複写し))。解説は当サイト独自のもので、法務省とは関係ありません。

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