第61回 午後 問86
臨床医学
納豆を食べると作用が減弱するのはどれか。
- 1アンジオテンシン変換酵素阻害剤
- 2インスリン
- 3カルシウム拮抗薬
- 4ループ利尿薬
- 5ワルファリン
答えと解説を見る
✓ これが正解5ワルファリン
解説
納豆のビタミンKはワルファリンの作用を弱めます。
ワルファリンは、血液を固まりにくくする抗凝固薬で、心房細動による脳塞栓症の予防や、深部静脈血栓症の治療などに使われます。判断の軸は、ワルファリンがどのような仕組みで働くかです。
ワルファリンは、肝臓でビタミンKを利用して作られる血液凝固因子の働きを妨げることで、血液を固まりにくくします。納豆には、ビタミンKそのものに加えて、腸内でビタミンKを作り出す納豆菌が含まれているため、食べるとビタミンKが多く体内に入り、ワルファリンの作用が弱まってしまいます。そのため、ワルファリンを服用している人は納豆を避けるよう指導されます。よって正解はワルファリンです。
アンジオテンシン変換酵素阻害剤とカルシウム拮抗薬は降圧薬、ループ利尿薬はむくみや心不全に使う利尿薬、インスリンは血糖を下げる薬で、いずれも納豆を食べることで作用が弱まるという関係は知られていません。ワルファリンとビタミンK、と薬と食品の組合せで覚えておきましょう。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1アンジオテンシン変換酵素阻害剤:アンジオテンシン変換酵素阻害剤は血管を収縮させる物質の産生を抑えて血圧を下げる薬です。納豆を食べることで効き目が落ちる関係はありません。
- 2インスリン:インスリンは細胞に糖を取り込ませて血糖値を下げるホルモン製剤です。納豆に含まれる成分によって作用が弱まることはありません。
- 3カルシウム拮抗薬:カルシウム拮抗薬は血管を広げて血圧を下げる薬です。グレープフルーツで作用が強まる種類はありますが、納豆で弱まる関係は知られていません。
- 4ループ利尿薬:ループ利尿薬は腎臓に働いて尿の量を増やし、むくみや心不全の治療に使います。ビタミンKとは関係がなく、納豆で効果は変わりません。
出典:第61回 理学療法士国家試験 午後(厚生労働省)問86(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
この解説に誤りを見つけたら教えてください。直して、直した記録を残します。誤りを報告する(メールが開きます)