第61回 午後 問45
臨床医学
薬物の作用で適切なのはどれか。
- 1抗コリン薬は気管支収縮を促進する。
- 2利尿薬は腎臓の水分再吸収を促進する。
- 3β遮断薬は骨格筋の収縮力を増強する。
- 4カルシウム拮抗薬は心拍出量を増加させる。
- 5コリンエステラーゼ阻害薬は神経筋接合部のアセチルコリン濃度を高める。
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✓ これが正解5コリンエステラーゼ阻害薬は神経筋接合部のアセチルコリン濃度を高める。
解説
コリンエステラーゼ阻害薬は接合部のアセチルコリン濃度を高めます。
薬の作用は、どの受容体や酵素に働いて、体のどの反応を強めたり弱めたりするかで考えます。
コリンエステラーゼは、神経筋接合部などでアセチルコリンを分解する酵素です。この酵素の働きを妨げるコリンエステラーゼ阻害薬を使うと、アセチルコリンが分解されにくくなり、神経筋接合部での濃度が高まります。重症筋無力症の治療や、アルツハイマー型認知症の治療(脳内のアセチルコリンを増やす目的)に使われます。よってこの記述が適切です。
抗コリン薬は、気管支を収縮させる副交感神経の働きを抑えるため、気管支を広げる作用をもち、COPDの治療に使われます。利尿薬は腎臓の尿細管での塩分や水分の再吸収を妨げて尿量を増やす薬です。β遮断薬は心臓のβ受容体を遮断して心拍数や心筋の収縮力を抑える薬で、骨格筋の収縮力を高めるものではありません。カルシウム拮抗薬は主に血管の平滑筋をゆるめて血圧を下げる薬で、心拍出量を増やすことを目的とする薬ではありません。分解する酵素を止めれば物質は増える、受容体を遮断すれば作用は弱まる、と仕組みから考えると判断しやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1抗コリン薬は気管支収縮を促進する。:抗コリン薬は、気管支を縮める副交感神経のアセチルコリンの作用をさえぎるため、気管支は広がります。COPDの吸入薬としても用いられています。
- 2利尿薬は腎臓の水分再吸収を促進する。:利尿薬は、尿細管でナトリウムや水が体に戻るのを妨げることで尿を増やし、むくみや血圧を下げます。再吸収を進める作用とは逆です。
- 3β遮断薬は骨格筋の収縮力を増強する。:β遮断薬は心臓のβ受容体をふさいで脈を遅くし、心臓の収縮を穏やかにする薬です。骨格筋の力を強める薬ではありません。
- 4カルシウム拮抗薬は心拍出量を増加させる。:この種類の降圧薬は血管の壁をゆるめて末梢の抵抗を下げることが主な働きです。心臓から送り出す血液量を増やすために使う薬ではなく、種類によってはむしろ脈を抑えます。
出典:第61回 理学療法士国家試験 午後(厚生労働省)問45(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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