令和3年度 秋期 午前Ⅱ 問3
システム監査
アジャイルに関する問題
システム管理基準(平成30年)に規定されたアジャイル開発において留意すべき取扱いとして,最も適切なものはどれか。
- ア開発チームは,あらかじめ計画した組織体制及び開発工程に基づく分業制をとり,開発を進めること
- イ開発チームは,開発工程ごとの完了基準に沿って,開発プロセスを逐次的に進めること
- ウプロダクトオーナー及び開発チームは,反復開発の開始後に,リリース計画を策定すること
- エプロダクトオーナー及び開発チームは,利害関係者へのデモンストレーションを実施すること
答えと解説を見る
✓ これが正解エプロダクトオーナー及び開発チームは,利害関係者へのデモンストレーションを実施すること
解説
アジャイル開発では、利害関係者へのデモンストレーションを行います。
設問が引くシステム管理基準(平成30年)は、アジャイル開発を取り上げ、その特性に合わせた留意事項を示しています。アジャイル開発は、短い期間の反復で動くソフトウェアを作り、利害関係者からのフィードバックを受けて次の反復に生かす進め方です。プロダクトオーナーと開発チームが、反復の成果を利害関係者にデモンストレーションで見せることは、この進め方の中心にある取組みです。見分ける軸は、計画を最初に固めて工程順に進めるのか、反復のたびに成果を見せて計画を調整するのかという違いです。工程の完了基準や固定的な分業を求める記述は、ウォーターフォール型の考え方だと見抜けます。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- ア開発チームは,あらかじめ計画した組織体制…:あらかじめ計画した組織体制と開発工程に沿った分業制は、工程を順に進める従来型の開発で見られる進め方です。アジャイル開発は、少人数のチームが役割を越えて協働しながら反復を重ねることを重んじるので、留意事項としては合いません。
- イ開発チームは,開発工程ごとの完了基準に沿…:開発工程ごとの完了基準に沿って逐次的に進めるのは、前の工程を終えてから次に移る進め方の特徴です。短い反復を繰り返し、そのつど成果を確認して方向を調整するアジャイル開発の進め方とは異なります。
- ウプロダクトオーナー及び開発チームは,反復…:リリース計画は、反復開発を始める前に、プロダクトオーナーと開発チームが策定しておくものとされています。反復を始めた後で初めて作るのでは、各反復の目標やリリースの見通しが定まらないまま開発が進んでしまいます。
この問題の用語
- 組織目的を果たすために、人が役割を分けて集まったまとまりのことです。分け方には機能別、事業部制、マトリックスなどの形があります。
- 工程仕事を進める順序と段取りのまとまりを指します。図表にして管理し、重要な期日や作業の順序、進み具合を目に見える形にします。
- 利害関係者決定や活動に影響を与える、または影響を受ける人や組織のこと。利用者や株主、取引先などが含まれ、ステークホルダとも呼ばれます。
出典:令和3年度 秋期 システム監査技術者試験 午前Ⅱ 問3
同じ用語が出る問題
- 令和7年度 秋期 午前Ⅱ 問23:ファジングに関する問題(利害関係者)
- 令和7年度 秋期 午前Ⅱ 問15:集団思考の説明(組織)
- 令和3年度 秋期 午前Ⅱ 問23:品質特性に関する問題(利害関係者)
- 令和2年度 10月 午前Ⅱ 問12:データ管理者に関する問題(工程)
- 平成26年度 春期 午前Ⅱ 問24:TOCに関する問題(工程)
この解説に誤りを見つけたら教えてください。直して、直した記録を残します。誤りを報告する(メールが開きます)