平成23年度 特別 午前Ⅱ 問3
システム監査
外部委託に関するシステム監査において,経営破綻などによってソフトウェア資産のメンテナンスが受けられなくなることを防ぐために確認すべき契約項目はどれか。
- ア開発したソフトウェアの瑕疵担保責任条項
- イ外部委託先のサービスを評価するためのSLA条項
- ウ責任の所在を明確にするためのソフトウェア開発の再委託禁止条項
- エソフトウェアのソースコードなどを第三者へ預託するエスクロウ条項
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✓ これが正解エソフトウェアのソースコードなどを第三者へ預託するエスクロウ条項
解説
委託先が破綻しても保守できるよう、ソースコードを第三者に預けます。
見分ける軸は、委託先がいなくなったときにも自社がソフトウェアを直し続けられるかどうかです。外部委託で作ったソフトウェアのソースコードを委託先だけが持っていると、委託先が経営破綻した時点で、修正や機能追加の手段が失われます。エスクロウ条項は、ソースコードや関連する資料を信頼できる第三者に預けておき、委託先の倒産など契約で定めた事態が起きたときに、発注者がそれを受け取れるようにする取決めです。監査では、こうした備えが契約に盛り込まれているかを確かめます。破綻への備えは資産を第三者に預ける条項、と結び付けて覚えておくと選びやすくなります。出題当時の民法の瑕疵担保責任は、2020年4月施行の改正で契約不適合責任に改められています。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- ア開発したソフトウェアの瑕疵担保責任条項:瑕疵担保責任条項は、納品物に欠陥が見つかったときに委託先へ修補や賠償を求めるための取決めです。委託先が存続していることが前提なので、破綻して相手がいなくなった場面への備えにはなりません。
- イ外部委託先のサービスを評価するためのSL…:SLA条項は、委託先が提供するサービスの水準を取り決め、その達成状況を評価するためのものです。水準を測る仕組みであって、委託先が事業を続けられなくなったときにソフトウェアを手元に残す手段ではありません。
- ウ責任の所在を明確にするためのソフトウェア…:再委託禁止条項は、委託先がさらに別の会社へ仕事を回すことを禁じ、責任の所在をはっきりさせるものです。委託先そのものが破綻した場合に、ソフトウェアを保守し続ける手立てにはなりません。
この問題の用語
- SLA提供する側と受ける側で、どの水準まで満たすかをあらかじめ取り決めた合意。緊急時の手順や、守れなかったときの扱いも決めておきます。
- 外部委託業務の一部または全部を、外部の専門的な企業へ任せることです。任せる範囲や品質、費用、責任の分担を、契約で取り決めます。
- システム監査情報システムが安全で正しく使われているかを、担当から独立した立場で点検し報告すること。直すべきところを見つけて伝えます。
- 契約当事者の合意で成立する法的な約束のこと。原則として口頭でも成立し、契約書は内容を確かめる証拠になります。
- 委託先業務の一部を任せた相手の会社です。任せる内容や守るべき条件を契約で定め、委託した側が状況を確かめます。
- ソースコード人が読み書きできる形で書かれた、プログラムそのものです。コンパイラなどで、コンピュータが実行できる形に変換して使います。
出典:平成23年度 特別 システム監査技術者試験 午前Ⅱ 問3
同じ用語が出る問題
- 令和7年度 秋期 午前Ⅱ 問2:システム管理基準に関する問題(システム監査)
- 令和5年度 秋期 午前Ⅱ 問15:民法の契約不適合責任に関する記述(契約)
- 令和5年度 秋期 午前Ⅱ 問11:SLAに関する問題(SLA)
- 令和3年度 秋期 午前Ⅱ 問2:第一者監査に関する問題(委託先)
- 令和2年度 10月 午前Ⅱ 問10:業務処理統制に該当するもの(外部委託)
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