平成26年度 春期 午前Ⅱ 問5
システム監査
外部委託管理の監査に関する記述
外部委託管理の監査に関する記述のうち,最も適切なものはどれか。
- ア請負契約においては,委託側の事務所で作業を行っている受託側要員のアクセス管理が妥当かどうかを,委託側が監査できるように定める。
- イ請負契約の場合は,受託側要員に対する委託側責任者の指揮命令が適切に行われているかどうかを,委託側で監査する。
- ウ外部委託で開発した業務システムの品質管理状況は,委託側で監査する必要はなく,受託側で監査すべきである。
- エ機密度の高い業務システムの開発を外部に委託している場合は,自社開発に切り替えるよう改善勧告する。
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✓ これが正解ア請負契約においては,委託側の事務所で作業を行っている受託側要員のアクセス管理が妥当かどうかを,委託側が監査できるように定める。
解説
委託側の事務所で働く受託側要員のアクセス管理を、監査できるよう定めます。
外部委託では、業務を任せても、委託した業務に関わる情報や資産を守る責任は委託側に残ります。受託側の要員が委託側の事務所で作業する場合、委託側のシステムや情報に触れる機会があるため、そのアクセスの管理が妥当かを委託側が確かめられるよう、監査できる権利を契約で定めておくことが適切です。見分ける軸は、請負契約の性質を踏まえたうえで、委託側の責任を果たせる記述かどうかです。請負では委託側が受託側の要員に直接指揮命令できない点、委託した業務の品質も委託側が確かめる責任がある点を押さえておく必要があります。任せても責任は残る、だから監査の権利を契約に入れる、と流れで覚えると判断しやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- イ請負契約の場合は,受託側要員に対する委託…:請負契約では、受託側の要員への指揮命令は受託側が行い、委託側の責任者が直接指揮することはできません。委託側による指揮命令が適切かを監査するという記述は、請負の前提と食い違っています。
- ウ外部委託で開発した業務システムの品質管理…:外部委託で開発した業務システムであっても、その品質に最終的な責任を負うのは委託側です。受託側の監査に任せきりにするのではなく、委託側でも品質管理の状況を確かめる必要があります。
- エ機密度の高い業務システムの開発を外部に委…:機密度が高いという理由だけで自社開発へ切り替えるよう求めるのは、監査人の改善勧告としては行き過ぎです。外部委託のままでも、契約や管理の手立てによってリスクを抑えられるかをまず評価するのが監査の筋道です。
この問題の用語
- 外部委託業務の一部または全部を、外部の専門的な企業へ任せることです。任せる範囲や品質、費用、責任の分担を、契約で取り決めます。
- 請負契約仕事の完成を約束して引き受ける契約のこと。作業の遂行だけを約束する準委任契約と違い、成果物を完成させる義務を負います。
- 指揮命令働く人に仕事の内容や進め方を直接指示する関係のことです。派遣では派遣先が行いますが、請負では発注者ではなく受注した側が行います。
- 作業工程を組み立てる、一つひとつの仕事の単位のことです。開始と終了、所要日数をもち、順序をつないで全体の日程を作ります。
- アクセス管理誰がどの情報にどこまで触れてよいかを決めて保つ仕事。退職者のIDが残っていないかを名簿と突き合わせます。
- 機密決められた人以外に見せてはならない、という扱いのことです。社外秘などの区分を決め、書類に表示して全員に周知します。
- 改善勧告監査で見つかった問題について、直すよう促す申し入れのことです。事実の誤りがないかを相手と確かめてから、報告書に載せます。
出典:平成26年度 春期 システム監査技術者試験 午前Ⅱ 問5
同じ用語が出る問題
- 令和6年度 秋期 午前Ⅱ 問7:監査報告書に関する問題(改善勧告)
- 令和3年度 秋期 午前Ⅱ 問9:全般統制に関する問題(アクセス管理)
- 令和2年度 10月 午前Ⅱ 問4:ペネトレーションテストの問題(機密)
- 平成25年度 春期 午前Ⅱ 問3:偽装請負に関する問題(指揮命令)
- 平成23年度 特別 午前Ⅱ 問4:偽装請負に関する問題(請負契約)
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