平成25年度 春期 午前Ⅱ 問9
システム監査
外部委託に関する問題
外部委託に関するシステム監査において,経営破綻などによってソフトウェア資産のメンテナンスが受けられなくなることを防ぐために確認すべき契約項目はどれか。
- ア開発したソフトウェアの瑕疵担保責任条項
- イ外部委託先のサービスを評価するためのSLA条項
- ウ責任の所在を明確にするためのソフトウェア開発の再委託禁止条項
- エソフトウェアのソースコードなどを第三者へ預託するエスクロウ条項
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✓ これが正解エソフトウェアのソースコードなどを第三者へ預託するエスクロウ条項
解説
委託先の破綻に備え、ソースコードを第三者に預けるのがエスクロウ条項です。
エスクロウ条項は、ソフトウェアのソースコードや設計書などを中立的な第三者に預けておき、開発元が経営破綻するなど決められた事態になったときに、利用者がそれを受け取れるようにする取決めです。開発元がいなくなってもソースコードが手に入れば、利用者や別の業者が保守を続けられます。見分ける軸は、委託先そのものが消えてしまう事態に効くかどうかです。欠陥への責任、サービス水準の評価、再委託の禁止は、委託先が存続していることを前提にした条項で、破綻後のメンテナンスを守る手立てにはなりません。預けて保険にするという語の意味から、破綻への備えと結び付けて覚えると判断しやすくなります。肢にある瑕疵担保責任は出題当時の民法の用語で、2020年4月施行の改正民法では契約不適合責任に改められています。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- ア開発したソフトウェアの瑕疵担保責任条項:瑕疵担保責任条項は、納品されたソフトウェアに欠陥があったときに、開発した側が修補などの責任を負うことを定めるものです。責任を負うべき委託先が経営破綻してしまえば履行を求められず、破綻後の保守を確保する手段にはなりません。
- イ外部委託先のサービスを評価するためのSL…:SLA条項は、委託先が提供するサービスの水準を合意し、その達成度を評価するための取決めです。委託先が事業を続けていることが前提であり、経営破綻によって保守そのものが途絶える事態を防ぐ働きはありません。
- ウ責任の所在を明確にするためのソフトウェア…:再委託禁止条項は、委託先が業務をさらに別の業者へ回すことを禁じ、責任の所在をはっきりさせるためのものです。委託先自身が破綻した場合には効き目がなく、ソフトウェア資産の保守を続ける備えとはなりません。
この問題の用語
- SLA提供する側と受ける側で、どの水準まで満たすかをあらかじめ取り決めた合意。緊急時の手順や、守れなかったときの扱いも決めておきます。
- 外部委託業務の一部または全部を、外部の専門的な企業へ任せることです。任せる範囲や品質、費用、責任の分担を、契約で取り決めます。
- システム監査情報システムが安全で正しく使われているかを、担当から独立した立場で点検し報告すること。直すべきところを見つけて伝えます。
- 契約当事者の合意で成立する法的な約束のこと。原則として口頭でも成立し、契約書は内容を確かめる証拠になります。
- 委託先業務の一部を任せた相手の会社です。任せる内容や守るべき条件を契約で定め、委託した側が状況を確かめます。
- ソースコード人が読み書きできる形で書かれた、プログラムそのものです。コンパイラなどで、コンピュータが実行できる形に変換して使います。
出典:平成25年度 春期 システム監査技術者試験 午前Ⅱ 問9
同じ用語が出る問題
- 令和7年度 秋期 午前Ⅱ 問2:システム管理基準に関する問題(システム監査)
- 令和5年度 秋期 午前Ⅱ 問15:民法の契約不適合責任に関する記述(契約)
- 令和5年度 秋期 午前Ⅱ 問11:SLAに関する問題(SLA)
- 令和3年度 秋期 午前Ⅱ 問2:第一者監査に関する問題(委託先)
- 令和2年度 10月 午前Ⅱ 問10:業務処理統制に該当するもの(外部委託)
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