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令和8年度 午前の部 問16

民法

相殺に関する問題

相殺に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。

〔冊子の注記〕以下の試験問題については、国際物品売買契約に関する国際連合条約(ウィーン売買条約)の適用は考慮しないものとして、解答してください。また、第4問から第23問までの試験問題については、商法の適用は考慮しないものとして、解答してください。

ア 相殺の意思表示には、期限を付することができる。

イ 時効によって消滅した債権がその消滅以前に相殺に適するようになっていた場合には、その債権者は、相殺をすることができる。

ウ 連帯債務者の一人が債権者に対して債権を有する場合には、その連帯債務者が相殺を援用しない間は、その連帯債務者の負担部分について他の連帯債務者が相殺を援用することができる。

エ 双方の債務の履行地が異なる場合には、相殺をすることができない。

オ 債権が差押えを禁じたものである場合には、その債務者は、相殺をもって債権者に対抗することができない。

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✓ これが正解4イオ

解説

イとオが正しい。時効消滅前に相殺適状なら相殺でき、差押禁止は不可

相殺の要件と効果について、民法の条文で判断する問題です。

アについて、民法第506条第1項は、相殺の意思表示には条件または期限を付することができないと定めています。相殺には遡及効があるので期限を付ける意味がなく、アは誤りです。イについて、民法第508条は、時効によって消滅した債権がその消滅以前に相殺に適するようになっていた場合は、その債権者は相殺をすることができると定めています。イは正しい記述です。ウについて、民法第439条第2項は、反対債権をもつ連帯債務者が相殺を援用しない間は、その負担部分の限度で、他の連帯債務者は債権者に対して債務の履行を拒むことができると定めています。他の連帯債務者ができるのは履行の拒絶であって、相殺の援用ではありません。ウは誤りです。

エについて、民法第507条は、相殺は双方の債務の履行地が異なるときであってもすることができると定め、相殺した者が相手方の損害を賠償するとしています。エは誤りです。オについて、民法第510条は、債権が差押えを禁じたものであるときは、その債務者は相殺をもって債権者に対抗することができないと定めています。オは正しい記述です。したがって、イとオの組合せが正解です。

連帯債務の他人の反対債権は使えず履行を拒めるだけ、と平成29年改正後の扱いを押さえておくと、改正前の知識との取り違えを防げます。

ほかの選択肢はなぜ違うのか

出典:令和8年度 司法書士試験 午前の部(法務省)問16(改変:1問ずつ解ける形に加工(肢の番号をそろえ、冊子の注記を各問に複写し))。解説は当サイト独自のもので、法務省とは関係ありません。

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