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令和6年度 午前の部 問8

民法

相隣関係に関する問題

相隣関係に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。なお、別段の慣習の有無を考慮する必要はない。

〔冊子の注記〕以下の試験問題については、国際物品売買契約に関する国際連合条約(ウィーン売買条約)の適用は考慮しないものとして、解答してください。また、第4問から第23問までの試験問題については、商法の適用は考慮しないものとして、解答してください。

ア 堀の所有者は、対岸の土地が他人の所有に属するときは、当該土地の所有者の承諾を得なければ、当該堀の幅員を変更してはならない。

イ 土地の所有者は、その所有地の水を通過させるに当たり、低地の所有者の承諾を得なければ、当該低地の所有者が設けた工作物を使用することはできない。

ウ 水流地の所有者は、他人が所有する対岸の土地に付着させて堰を設けたときは、これによって生じた損害に対して償金を支払わなければならない。

エ 土地の所有者は、他の土地に設備を設置しなければ電気の供給を受けることができない場合であっても、当該他の土地の所有者の承諾を得なければ、当該設備を設置することはできない。

オ 土地の所有者が境界付近における障壁の修繕をするために隣地を使用する必要がある場合であっても、隣地上の住家については、その居住者の承諾を得なければ、立ち入ることはできない。

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✓ これが正解4イエ

解説

イとエが誤り。工作物の使用や設備の設置に承諾は要件ではない

相隣関係の規定のうち、水流地・水の通過・堰・継続的給付のための設備・隣地の使用について、承諾が要るかどうかを中心に確かめる問題です。誤っているものを選びます。なお別段の慣習は考えません。

アは正しい記述です。民法は、溝、堀その他の水流地の所有者は、対岸の土地が他人の所有に属するときは、その水路又は幅員を変更してはならないと定めています。対岸の所有者の承諾を得れば変更できると解されるので、記述は条文に沿っています。ウも正しい記述です。水流地の所有者は、堰を設ける必要があれば対岸が他人の土地でも堰を付着させて設けることができますが、それによって生じた損害に対しては償金を支払わなければならないとされています。オも正しい記述です。障壁の修繕などのために隣地を使用できる場合でも、住家については、その居住者の承諾がなければ立ち入ることはできないとされています。

イは誤りです。民法は、土地の所有者はその所有地の水を通過させるため、高地又は低地の所有者が設けた工作物を使用することができると定めており、承諾は要件ではありません。エも誤りです。民法第213条の2第1項は、他の土地に設備を設置しなければ電気、ガス又は水道水の供給その他これらに類する継続的給付を受けることができないときは、必要な範囲内で他の土地に設備を設置できると定めています。他の土地の所有者の承諾は要件ではなく、あらかじめ目的・場所・方法を通知することとされています(同条第3項)。

したがって誤っているのはイとエです。相隣関係では、承諾が要るのは住家への立入りなど限られた場面で、多くは権利として認めたうえで通知や償金で調整する、という構造で覚えると整理できます。

ほかの選択肢はなぜ違うのか

出典:令和6年度 司法書士試験 午前の部(法務省)問8(改変:1問ずつ解ける形に加工(肢の番号をそろえ、冊子の注記を各問に複写し))。解説は当サイト独自のもので、法務省とは関係ありません。

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