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令和8年度 午前の部 問9

民法

境界標に関する問題

相隣関係に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。なお、別段の慣習の有無を考慮する必要はない。

〔冊子の注記〕以下の試験問題については、国際物品売買契約に関する国際連合条約(ウィーン売買条約)の適用は考慮しないものとして、解答してください。また、第4問から第23問までの試験問題については、商法の適用は考慮しないものとして、解答してください。

ア 土地の所有者は、隣地の竹木の枝が境界線を越える場合において、急迫の事情があるときは、その枝を切り取ることができる。

イ 建物を築造する際に境界線から50センチメートル以上の距離を保つ必要がある場合において、これに違反して建築をしようとする者がいるときは、隣地の所有者は、建築の着手時からの期間にかかわらず、建物が完成するまでの間は、その建築を中止させ、又は変更させることができる。

ウ 二棟の建物がその所有者を異にし、かつ、その間に空地がある場合において、その一方の所有者が他方の所有者との共同の費用でその境界に囲障を設けることを求めたにもかかわらず、他方の所有者との間で設置する囲障の材料と高さについての協議が調わなかったときは、当該一方の所有者は、その境界に囲障を設けることができない。

エ 土地の所有者は、隣地の所有者及び隣地を現に使用している者の承諾を得なければ、境界標の調査をするため必要な範囲内であっても、当該隣地を使用することができない。

オ 境界線を明らかにするための測量の費用は、相隣者が土地の広狭に応じて分担する。

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✓ これが正解2アオ

解説

アとオが正しい。急迫時の枝の切取りと測量費用の広狭に応じた分担

相隣関係の民法の規定(令和3年改正後の規定を含む)を条文どおりに押さえているかを問う問題です。

アについて、民法第233条第3項は、隣地の竹木の枝が境界線を越える場合に、土地の所有者が自らその枝を切り取ることができる場面として、催告しても相当の期間内に切除されないとき、竹木の所有者を知ることができないなどのとき、急迫の事情があるときを挙げています。アは正しい記述です。イについて、民法第234条第2項は、境界線から50センチメートル以上の距離を保たない建築を中止・変更させることができるとしつつ、建築に着手した時から1年を経過し、または建物が完成した後は、損害賠償の請求のみができると定めています。期間にかかわらないとするイは誤りです。

ウについて、民法第225条第2項は、囲障の材料や高さの協議が調わないときは、板塀または竹垣その他これらに類する材料で高さ2メートルのものでなければならないと定めています。協議が調わなくても、この基準で囲障を設けることができるので、ウは誤りです。エについて、民法第209条第1項は、境界標の調査または境界に関する測量のため必要な範囲内で、土地の所有者は隣地を使用できるとし、住家への立入りにだけ居住者の承諾を求めています。隣地の所有者などの承諾がなければ使用できないとするエは誤りです。オについて、民法第224条は、境界標の設置及び保存の費用は等しい割合で負担し、ただし測量の費用は土地の広狭に応じて分担すると定めています。オは正しい記述です。したがって、アとオの組合せが正解です。

境界標は等分、測量は広狭に応じて、と費用の分け方を対にして覚えると見分けやすくなります。

ほかの選択肢はなぜ違うのか

出典:令和8年度 司法書士試験 午前の部(法務省)問9(改変:1問ずつ解ける形に加工(肢の番号をそろえ、冊子の注記を各問に複写し))。解説は当サイト独自のもので、法務省とは関係ありません。

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