過去問解きまくり研究所 ホーム

令和7年度 午前の部 問18

民法

更改に関する問題

更改に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。

〔冊子の注記〕以下の試験問題については、国際物品売買契約に関する国際連合条約(ウィーン売買条約)の適用は考慮しないものとして、解答してください。また、第4問から第23問までの試験問題については、商法の適用は考慮しないものとして、解答してください。

ア 債権者Aに対して金銭債務を負っている画家Bが、Aとの間で、当該金銭債務に代えてAの肖像画を描く債務を発生させる旨の更改をしたときは、当該金銭債務及びこれを主たる債務とする保証債務は、いずれも消滅する。

イ A、B及びCがDに対して連帯して900万円の貸金返還債務を負っている場合において、AがDとの間で、900万円の貸金返還債務に代えて甲土地の所有権を移転する債務を発生させる旨の更改をしたときであっても、B及びCは、Dに対して引き続き900万円の貸金返還債務を負う。

ウ 債務者の交替による更改がされた場合において、更改後の債務者がその債務を弁済したときは、更改後の債務者は、更改前の債務者に対して求償権を取得する。

エ 債権者の交替による更改は、更改前の債権者と更改後に債権者となる者との間の契約によってすることができる。

オ 債務者の交替による更改がされた場合において、更改前の債務者が更改前の債務を担保するために抵当権を設定していたときは、債権者は、更改前の債務者の承諾がある場合に限り、当該抵当権を更改後の債務に移すことができる。

答えと解説を見る

✓ これが正解2アオ

解説

アとオが正しい。連帯債務者との更改は全員の債務を消す

更改について、民法第513条以下の規定で判断する問題です。更改は、従前の債務に代えて新たな債務を発生させる契約で、従前の債務は消滅します。

アについて、第513条は、当事者が従前の給付の内容について重要な変更をする新たな債務を発生させる契約をしたときは、従前の債務は更改によって消滅するとしています。金銭債務が肖像画を描く債務に代わるのは給付の内容の重要な変更にあたり、金銭債務は消滅します。保証債務は主たる債務に付従するので、主たる債務の消滅とともに消滅し、アは正しい記述です。イについて、第438条は、連帯債務者の一人と債権者との間に更改があったときは、債権は全ての連帯債務者の利益のために消滅すると定めています。BとCも900万円の債務を免れるので、イは誤りです。

ウについて、第514条第2項は、債務者の交替による更改後の債務者は、更改前の債務者に対して求償権を取得しないと定めています。ウは誤りです。エについて、第515条第1項は、債権者の交替による更改は、更改前の債権者、更改後に債権者となる者及び債務者の契約によってすることができるとしています。債務者を除いた二者の契約ではできないので、エは誤りです。オについて、第518条第1項は、債権者は更改前の債務の目的の限度で、その債務の担保として設定された質権または抵当権を更改後の債務に移せるとしつつ、第三者が設定した場合にはその承諾を得なければならないとしています。債務者の交替による更改では更改前の債務者は新たな債務の当事者ではないため、その者が設定した抵当権を移すにはその承諾が必要で、オは正しい記述です。したがって、アとオの組合せが正解です。

債務者の交替は債権者と新債務者の契約で足り、債権者の交替は三者の契約が要る、と当事者の数で区別しておきましょう。

ほかの選択肢はなぜ違うのか

出典:令和7年度 司法書士試験 午前の部(法務省)問18(改変:1問ずつ解ける形に加工(肢の番号をそろえ、冊子の注記を各問に複写し))。解説は当サイト独自のもので、法務省とは関係ありません。

この解説に誤りを見つけたら教えてください。直して、直した記録を残します。誤りを報告する(メールが開きます)