令和6年度 午前の部 問5
民法
民法に関する問題
条件に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。
〔冊子の注記〕以下の試験問題については、国際物品売買契約に関する国際連合条約(ウィーン売買条約)の適用は考慮しないものとして、解答してください。また、第4問から第23問までの試験問題については、商法の適用は考慮しないものとして、解答してください。
ア 停止条件が成就しないことが法律行為の時に既に確定していた場合には、その法律行為は、無条件となる。
イ 単に債務者の意思のみに係る停止条件を付した法律行為は、無効となる。
ウ 条件が成就することによって利益を受ける当事者が不正にその条件を成就させたときは、相手方は、その条件が成就しなかったものとみなすことができる。
エ 認知には、条件を付すことができる。
オ 不法な行為をしないことを条件とする法律行為は、無条件となる。
- 1アイ
- 2アオ
- 3イウ
- 4ウエ
- 5エオ
答えと解説を見る
✓ これが正解3イウ
解説
イとウが正しい。不成就が確定した停止条件と不法条件は無効
条件に関する民法の規定を正確に覚えているかを問う問題です。正しいものを選びます。
イは正しい記述です。民法第134条は、停止条件付法律行為は、その条件が単に債務者の意思のみに係るときは無効とすると定めています。債務者がその気にならなければ義務が生じないのでは、法的な拘束力がないからです。ウも正しい記述です。民法第130条第2項は、条件が成就することによって利益を受ける当事者が不正にその条件を成就させたときは、相手方はその条件が成就しなかったものとみなすことができると定めています。
アは誤りです。民法第131条第2項により、条件が成就しないことが法律行為の時に既に確定していた場合、停止条件なら法律行為は無効、解除条件なら無条件となります。停止条件で無条件となるのではありません。エも誤りです。認知のような身分行為に条件を付けると身分関係が不安定になるため、条件を付けることはできないと解されています。オも誤りです。民法第132条は、不法な条件を付した法律行為は無効とし、不法な行為をしないことを条件とするものも同様とすると定めています。
したがって正しいのはイとウです。既成条件は、停止条件と解除条件で結論が逆になる組(成就が確定なら停止は無条件・解除は無効、不成就が確定ならその逆)として表にして覚えると混同しにくくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1アイ:イは随意条件を無効とする条文どおりで正しいのですが、アは停止条件の不成就が確定していた場合を無条件としており、民法第131条第2項が定める無効と食い違います。
- 2アオ:アとオはどちらも誤りです。アの場合の法律行為は無効であり、オも不法な行為をしないことを条件とする法律行為は民法第132条により無効で、無条件になるのではありません。
- 4ウエ:ウは不正に条件を成就させた当事者への対処として条文どおりですが、エの認知には条件を付けられないと解されているため、エを正しいとする点でこの組合せは合いません。
- 5エオ:エとオはどちらも誤りです。身分行為である認知に条件は付けられず、不法な行為をしないことを条件とする法律行為も、無条件ではなく無効とされます。
出典:令和6年度 司法書士試験 午前の部(法務省)問5(改変:1問ずつ解ける形に加工(肢の番号をそろえ、冊子の注記を各問に複写し))。解説は当サイト独自のもので、法務省とは関係ありません。
この解説に誤りを見つけたら教えてください。直して、直した記録を残します。誤りを報告する(メールが開きます)