令和6年度 午後の部 問5
民事訴訟法
控訴に関する問題
少額訴訟に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。
ア 公示送達によらなければ被告に対する最初にすべき口頭弁論の期日の呼出しをすることができないときは、裁判所は、訴訟を通常の手続により審理及び裁判をする旨の決定をしなければならない。
イ 被告は、最初にすべき口頭弁論の期日において弁論をした後であっても、口頭弁論の終結に至るまで、訴訟を通常の手続に移行させる旨の申述をすることができる。
ウ 証人の尋問は、宣誓をさせないですることができる。
エ 裁判所は、相当と認めるときは、裁判所及び当事者双方と証人とが音声の送受信により同時に通話をすることができる方法によって、証人を尋問することができる。
オ 少額訴訟の終局判決に対しては、控訴をすることができる。
- 1アウ
- 2アエ
- 3イエ
- 4イオ
- 5ウオ
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✓ これが正解4イオ
解説
イとオが誤り。最初の期日で弁論すると移行できず、控訴もできない
少額訴訟(60万円以下の金銭の支払を求める簡易裁判所の特別な手続)について、民事訴訟法の少額訴訟の規定で判断します。
アは正しい記述です。被告への最初の期日の呼出しを公示送達によらなければできないときは、裁判所は通常の手続で審理及び裁判をする旨の決定をしなければなりません。一回の期日で審理を終える少額訴訟は、被告が手続を知らないまま進めるのにふさわしくないからです。イは誤りです。被告は訴訟を通常の手続に移行させる旨の申述ができますが、最初にすべき口頭弁論の期日において弁論をし、又はその期日が終了した後は、この申述をすることができません。ウは正しく、少額訴訟では証人の尋問は宣誓をさせないですることができます。エも正しく、裁判所は相当と認めるときは、音声の送受信により同時に通話をすることができる方法(電話会議)によって証人を尋問することができます。オは誤りです。同法第377条は、少額訴訟の終局判決に対しては控訴をすることができないと定めています。不服がある場合は、同じ簡易裁判所に異議を申し立てます。
したがって誤っているのはイとオで、イとオを選ぶ組合せが正解です。
少額訴訟は一回で終わらせる手続なので、控訴ではなく異議、移行の申述は最初の期日で弁論するまで、と手続の速さに結び付けて覚えましょう。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1アウ:アは公示送達による呼出しが必要な場合の必要的移行として正しく、ウも宣誓させない証人尋問として正しい記述です。誤りを一つも含みません。
- 2アエ:アは正しい必要的移行の場面で、エも電話会議による証人尋問として正しい記述です。被告の申述の時期と控訴の可否を誤ったものを選べていません。
- 3イエ:イを誤りと見る点はよいものの、エは誤りではありません。電話のような音声だけのやり取りで証人に質問する方法は、裁判所が相当とすれば使えます。
- 5ウオ:オを誤りと見る点はよいものの、ウは誤りではありません。少額訴訟では、証人に誓いを立てさせる手順を省いて話を聞くことが許されています。
出典:令和6年度 司法書士試験 午後の部(法務省)問5(改変:1問ずつ解ける形に加工(肢の番号をそろえ、冊子の注記を各問に複写し))。解説は当サイト独自のもので、法務省とは関係ありません。
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