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令和6年度 午後の部 問6

民事保全法

仮処分に関する問題

民事保全に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。

ア 裁判所は、口頭弁論又は債務者が立ち会うことができる審尋の期日を経ることにより仮処分命令の申立ての目的を達することができない事情があるときは、その期日を経ずに、仮の地位を定める仮処分命令を発することができる。

イ 保全命令に対しては、その命令につき不服のある債務者は、即時抗告をすることができる。

ウ 保全命令が発せられた後であっても、保全命令の申立てを取り下げるには、債務者の同意を得ることを要しない。

エ 物の給付を命ずる仮処分の執行については、仮処分命令が債務名義とみなされる。

オ 不動産の占有移転禁止の仮処分命令の執行は、債務者に対してその不動産の占有の移転を禁止することを命ずるとともに、その旨の登記をする方法により行う。

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✓ これが正解3イオ

解説

イとオが誤り。不服は保全異議で、占有移転禁止は登記でなく執行官の公示

民事保全(仮差押え・仮処分)の手続について、民事保全法の保全命令と保全執行の規定で判断します。

アは正しい記述です。仮の地位を定める仮処分命令は、原則として口頭弁論又は債務者が立ち会うことができる審尋の期日を経なければ発することができませんが、その期日を経ることにより申立ての目的を達することができない事情があるときは、期日を経ずに発することができます。イは誤りです。保全命令に不服がある債務者は、同法第26条により、その命令を発した裁判所に保全異議を申し立てます。即時抗告ができるのは、保全命令の申立てを却下する裁判に対して債権者が不服を述べる場面です。ウは正しく、保全命令の申立ての取下げには、命令が発せられた後や保全異議の申立てがあった後でも、債務者の同意は要りません。エも正しく、物の給付その他の作為又は不作為を命ずる仮処分の執行については、仮処分命令が債務名義とみなされます。オは誤りです。不動産の占有移転禁止の仮処分の執行は、執行官による公示の方法によって行われ、登記をする方法によるのではありません。登記をする方法で執行されるのは、処分禁止の仮処分です。

したがって誤っているのはイとオで、イとオを選ぶ組合せが正解です。

占有をとめる仮処分は執行官の公示、処分をとめる仮処分は登記、と対で覚えると取り違えません。

ほかの選択肢はなぜ違うのか

出典:令和6年度 司法書士試験 午後の部(法務省)問6(改変:1問ずつ解ける形に加工(肢の番号をそろえ、冊子の注記を各問に複写し))。解説は当サイト独自のもので、法務省とは関係ありません。

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