第38回 問題121
ソーシャルワークの理論と方法(専門)
事例を読んで,次の記述のうち,DWAT(災害派遣福祉チーム)の社会福祉士が主となって行うこの段階での活動として,適切なものを2つ選びなさい。
〔事 例〕
A県B市では大型台風の影響によって河川の氾濫や土砂災害が発生し,多くの家屋が被害を受け,複数の避難所が設置された。災害発生の翌日,B市からA県に対してDWAT(災害派遣福祉チーム)の派遣要請が入り,その7日後にチームがB市の避難所に入った。
- 1避難所等を巡回し衛生管理を行う。
- 2生活不活病対策のためのプログラムを実施する。
- 3避難所等において,被災した住民の生活課題のスクリーニングを行う。
- 4社会福祉協議会と協力し,「BCP」の再検討を行う。
- 5被災地において報告される情報や在宅等の巡回を通じて要配慮者の把握を行う。(注) 「BCP」とは,事業継続計画のことである。
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✓ これが正解3避難所等において,被災した住民の生活課題のスクリーニングを行う。
✓ これが正解5被災地において報告される情報や在宅等の巡回を通じて要配慮者の把握を行う。(注) 「BCP」とは,事業継続計画のことである。
解説
避難所での生活課題のスクリーニングと要配慮者の把握がDWATの役割。
事例の決め手は、時期と立場です。災害の翌日に派遣要請があり、その7日後にDWATがB市の避難所に入りました。避難所の生活が始まって間もなく、だれがどのような福祉的な支援を必要としているのかを、まだ十分につかめていない段階です。DWAT(災害派遣福祉チーム)は、社会福祉士や介護福祉士などの福祉専門職で構成され、避難所などで高齢者・障害者・子どもなどの要配慮者の生活機能の低下や、災害関連死などの二次被害を防ぐために活動します。2つ選ぶ問です。
1つめに適切なのは、避難所等で被災した住民の生活課題のスクリーニングを行うことです。避難者の中から、介護や見守り、相談などの福祉的な支援が必要な人をふるい分けて見つけ出すことは、チームが活動を始める段階で最初に行う中心の仕事です。
2つめに適切なのは、被災地で報告される情報や在宅等の巡回を通じて要配慮者を把握することです。避難所にいる人だけでなく、自宅や車中で過ごしている人の中にも支援が必要な人がいます。情報と巡回の両方から要配慮者を把握し、必要な支援や福祉サービスにつなぐことは、社会福祉士の専門性が生きる活動です。
一方、避難所の衛生管理は保健師などの保健医療の職種が中心となる活動です。体を動かす機会をつくるプログラムは、リハビリテーションの専門職などが主に担う支援です。事業継続計画の見直しは、本来は平時に各組織が行う取組です。福祉専門職のチームが最初に担うのは、支援の必要な人を見つけ出すことだ、と押さえると見分けやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1避難所等を巡回し衛生管理を行う。:避難所の衛生管理は、感染症の予防などを含め、保健師など保健医療の専門職が中心となって担う活動です。福祉専門職のチームの社会福祉士が主となって行う活動ではありません。
- 2生活不活病対策のためのプログラムを実施す…:避難生活で体を動かす機会が減ることによる心身の機能の低下を防ぐプログラムは、リハビリテーションの専門職などが中心になって担う支援です。チームに入ったばかりの段階で社会福祉士が主となる活動とはいえません。
- 4社会福祉協議会と協力し,「BCP」の再検…:事業継続計画は、災害時にも事業を続けるために各組織が平時に準備しておく計画です。被災直後の避難所に入ったチームの社会福祉士が、この段階で主となって見直す性質のものではありません。
出典:第38回 社会福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題121。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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