第37回 問題77
ソーシャルワークの理論と方法
事例を読んで,地域活動支援センターのA社会福祉士がBさんの家族と面談を行った時点で用いた方法として,最も適切なものを1つ選びなさい。
〔事 例〕
Aは,複数の利用者家族から子どもの自立と今後についての心配があるという声を聞くことが多くなった。このことから,家族同士が不安を話し合い,将来の子どもの生活について考えるグループワークを行うことにした。Aは,その一環として開催前に参加を決定した利用者家族と個別面談を行った。面談の際,利用者Bさんの母親は「皆さんになじめるか不安です」と話した。AはBさんの母親がグループに期待していることや不安に感じていることを聴いた。
- 1スクリーニング
- 2波長合わせ
- 3アイスブレイク
- 4集団規範の形成
- 5リーダーシップ
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✓ これが正解2波長合わせ
解説
開催前にメンバーの期待や不安を聴いて理解する方法は、波長合わせです。
グループワークは一般に、準備期、開始期、作業期、終結期の段階で進みます。事例の場面は、グループワークの開催前に、参加を決めた利用者家族と個別面談をしている時点なので、準備期にあたります。決め手は、Bさんの母親の、皆さんになじめるか不安です、という言葉に対し、Aが母親がグループに期待していることや不安に感じていることを聴いたことです。
波長合わせは、シュワルツ(Schwartz, W.)が示した考え方で、援助者が準備期に、メンバーの生活状況や感情、ニーズ、グループへの期待や不安をあらかじめ理解し、援助者の側の構えを整えておくことをいいます。開始前にメンバーの思いをつかんでおくことで、初回からメンバーに寄り添った関わりができます。したがって、Aが用いた方法は波長合わせが最も適切です。
ほかの選択肢は、グループワークの別の場面で使われる方法や概念です。見分け方は、その方法がどの段階で、誰に向けて使われるのかを確かめることです。開催前に個々のメンバーの気持ちを理解しておく作業が出てきたら、準備期の波長合わせと結び付けると判断しやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1スクリーニング:スクリーニングは、支援の対象としてふさわしいか、どの支援が適しているかを選び分ける手続です。Bさんの母親はすでに参加が決まっており、Aは選ぶためではなく思いを理解するために話を聴いています。
- 3アイスブレイク:アイスブレイクは、グループの開始期などに緊張をほぐし、メンバーどうしが打ち解けるために行う簡単な活動です。グループが始まる前の個別面談で、期待や不安を聴く場面にはあたりません。
- 4集団規範の形成:集団規範は、グループの活動が進む中でメンバーが共有するようになる行動のルールや決まりです。開催前の個別面談の段階では、まだグループとしての規範は形づくられていません。
- 5リーダーシップ:リーダーシップは、グループの目標に向けてメンバーを方向づけ、まとめていく働きや役割を指します。母親の不安や期待を個別に聴くAの関わりを表す言葉としては適切ではありません。
出典:第37回 社会福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題77。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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