第38回 問題122
ソーシャルワークの理論と方法(専門)
ソーシャルワークの支援に関する次の記述のうち,適切なものを2つ選びなさい。
- 1パーソン・センタード・アプローチでは,不適応はその人の問題というより環境の問題と捉え,環境を人に合うように変えたり調整したりする。
- 2エンパワメント・アプローチは,クライエントが自身の思考パターンを見い出し,誤った信念を修正して,内面化された抑圧に対処させる方法である。
- 3ナラティブ・アプローチでは,クライエントがこれまでに気づいていなかった真実や過去の出来事に対する新たな解釈を見い出し,人生を「書き直す」ための助けをする。
- 4認知行動アプローチは,まず偏った行動を変えることにより思考プロセスの変化を促すための支援方法である。
- 5課題中心アプローチでは,支援者が専門的な観点から優先順位が高いと判断した課題に焦点を当てて解決する。
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✓ これが正解1パーソン・センタード・アプローチでは,不適応はその人の問題というより環境の問題と捉え,環境を人に合うように変えたり調整したりする。
✓ これが正解3ナラティブ・アプローチでは,クライエントがこれまでに気づいていなかった真実や過去の出来事に対する新たな解釈を見い出し,人生を「書き直す」ための助けをする。
解説
環境を人に合わせて整える考え方と、人生を書き直すナラティブが適切。
ソーシャルワークの実践モデルとアプローチは、それぞれ問題をどうとらえ、何に働きかけるかに特徴があります。2つ選ぶ問なので、各アプローチの中心の考え方と記述が合っているかで判断します。
1つめに適切とされるのは、パーソン・センタード・アプローチについての記述です。不適応をその人の問題というより環境の問題ととらえ、環境を人に合うように変えたり調整したりする、という説明です。その人を中心に置く考え方では、うまくいかない状態を本人の欠けた点として扱わず、本人と周りの環境との関係から生じるものとして見て、環境の側を本人に合わせて整えることを重視します。
2つめに適切なのは、ナラティブ・アプローチについての記述です。ナラティブ・アプローチは、人が自分の人生や問題を語る物語に注目します。問題が染みついた物語(ドミナント・ストーリー)にとらわれている状態から、それまで気づかなかった出来事や新しい解釈を見い出し、別の物語(オルタナティブ・ストーリー)へと人生を書き直すことを助けます。
ほかの記述は、アプローチの特徴を取り違えています。思考パターンを見い出して誤った信念を修正するのは認知の働きを扱う方法の説明で、エンパワメント・アプローチの中心は、無力な状態に置かれた人が力を取り戻すことです。認知行動アプローチは考え方の偏りに働きかけて行動や感情の変化を図ります。課題中心アプローチは、クライエント自身が認めた課題に取り組みます。各アプローチの鍵の語、ナラティブなら物語の書き直し、と結びつけて覚えると見分けやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 2エンパワメント・アプローチは,クライエン…:思考パターンを見つけ、誤った信念を修正するという説明は、認知に働きかける方法の特徴です。エンパワメント・アプローチは、社会的に力を奪われた状態にある人が、自らの力に気づき取り戻していく過程を支えるものです。
- 4認知行動アプローチは,まず偏った行動を変…:認知行動アプローチは、物事の受け止め方や考え方の偏りに目を向け、それを見直すことで感情や行動の変化を図ります。まず行動を変えて思考の変化を促すという順序で述べている点が、このアプローチの説明として合いません。
- 5課題中心アプローチでは,支援者が専門的な…:課題中心アプローチでは、クライエント自身が認識し取り組みたいと考える課題を、短い期間で計画的に解決していきます。支援者が専門的な観点から優先順位を判断して課題を決めるという点が誤りです。
出典:第38回 社会福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題122。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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