第38回 問題116
ソーシャルワークの理論と方法(専門)
事例を読んで,この段階でA市社会福祉協議会のB職員(社会福祉士)が担うソーシャルワーカーの役割として,次のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
〔事 例〕
C民生委員や地域住民が中心となって,3年前から商店街の空き店舗を活用した子ども食堂を開いている。独居高齢者やサービスを利用していない障害者など,見守りを必要としている人が多数いると感じているA市のC民生委員は,子ども食堂に日常的に関わっているBへ,「子どもだけでなく,地域全体を見守るようなネットワークをつくれないだろうか。商店街には空いている店舗があるので拠点として利用できないだろうか」と相談した。BはC民生委員の意向を踏まえて空き店舗の活用に取り組むことにした。
- 1メディエーター
- 2ファシリテーター
- 3コンサルティ
- 4プログラムディベロッパー
- 5コンビナー
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✓ これが正解4プログラムディベロッパー
解説
空き店舗を生かした新たな見守りの拠点づくりは、プログラムディベロッパーの役割。
事例の決め手は、C民生委員の相談の中身と、それを受けたBの動きです。C民生委員は、子どもだけでなく地域全体を見守るネットワークをつくりたい、空き店舗を拠点として使えないかと相談し、Bはその意向を踏まえて空き店舗の活用に取り組むことにしました。この段階は、地域で満たされていないニーズに対して、新しい活動や事業の仕組みを生み出そうとする段階です。
ソーシャルワーカーの役割には、仲介、調停、代弁、組織化などさまざまな名前がついています。そのうちプログラムディベロッパー(プログラム開発者)は、地域の中で満たされていないニーズを見つけ、それに応える新しいサービスや事業、活動の仕組みを企画し、つくり出す役割です。独居高齢者やサービスを利用していない障害者などの見守りの必要に対し、空き店舗を拠点とした新たな仕組みづくりに取り組むBの役割は、プログラムディベロッパーにあたります。
ほかの役割は、この場面に合いません。メディエーターは対立する当事者の間に立って調停する役割で、事例に対立は見られません。ファシリテーターは集団の話し合いや活動が円滑に進むよう促す役割で、まだ集団の活動を進める段階ではありません。コンサルティは専門的な助言を受ける側の立場で、相談を受けたBの立場とは逆です。
役割の名前は、だれに・何をするかを短く言い表したものなので、事例の中でワーカーが何を生み出そうとしているかを先に読むと見分けやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1メディエーター:メディエーターは、利害が対立している人や組織の間に立ち、互いの主張を調整して合意をめざす調停の役割です。事例には当事者どうしの対立は見られないので、この場面のBの役割には当たりません。
- 2ファシリテーター:ファシリテーターは、会議やグループの話し合いが円滑に進むよう、参加者の発言を促し進行を助ける役割です。Bはまだ集団の話し合いを運営する段階ではなく、新しい拠点の仕組みをつくろうとしています。
- 3コンサルティ:コンサルティは、コンサルテーションの場面で専門的な助言を受ける側を指します。事例で相談を受けて動いているのはBであり、助言を受ける立場の名前を当てはめるのは逆になります。
- 5コンビナー:コンビナーは、関係する人や組織を集めて場を設定する役割を指す語として用いられます。事例のBの中心の働きは、人を集めること自体ではなく、空き店舗を生かした新しい見守りの事業を企画しつくり出すことです。
出典:第38回 社会福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題116。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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