第37回 問題32
社会保障
事例を読んで,社会保険の適用に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
〔事 例〕
Aさん(47歳)は,大学卒業と就職氷河期が重なったことにより,正社員として就職することができず,現在に至るまでアルバイトとして働いている。Aさんは7歳の子と二人で暮らしている。被用者保険の適用拡大によって,それまで国民健康保険の被保険者だったAさんは初めて健康保険の被保険者となった。これにより,Aさんの状況はどのように変化するか。
- 1新たに,国民年金の第二号被保険者となる。
- 2児童手当の支給額が増額される。
- 3新たに,労働者災害補償保険が適用される。
- 4新たに,介護保険の第二号被保険者となる。
- 5健康保険の保険料を,Aさんが3分の2,事業主が3分の1を負担することになる。
答えと解説を見る
✓ これが正解1新たに,国民年金の第二号被保険者となる。
解説
健康保険の被保険者になると、国民年金の第二号被保険者にもなります。
事例問題です。決め手は、47歳のAさんが、アルバイトのまま被用者保険の適用拡大によって初めて健康保険の被保険者になったという点です。被用者保険とは、会社などで働く人が加入する健康保険と厚生年金保険のことで、適用拡大はこれらを短時間で働く人にも広げるものです。
健康保険と厚生年金保険は適用の要件が共通で、原則としてあわせて加入します。Aさんは健康保険とともに厚生年金保険の被保険者となり、厚生年金保険の被保険者は国民年金の第二号被保険者となります。それまでのAさんは、国民健康保険に加入し、国民年金では自分で保険料を納める第一号被保険者だったと考えられます。したがって、新たに国民年金の第二号被保険者となるとする記述が最も適切です。
ほかの記述を確認します。児童手当の額は子の年齢や人数などで決まり、加入する医療保険で増えることはありません。労働者災害補償保険は、アルバイトを含め雇われて働く人にもともと適用されています。介護保険の第二号被保険者には、40歳になった時点ですでになっています。健康保険の保険料は、事業主と被保険者が2分の1ずつ負担します。
適用拡大で変わるのは、医療は国民健康保険から健康保険へ、年金は第一号から第二号へ、という2つの切り替え、と押さえておくと判断しやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 2児童手当の支給額が増額される。:児童手当の支給額は、子どもの年齢や何人目の子かなどによって決まります。親が国民健康保険から健康保険に切り替わっても、支給額が増えることはありません。
- 3新たに,労働者災害補償保険が適用される。:労働者災害補償保険は、雇用形態にかかわらず、アルバイトを含め雇われて働く労働者に適用されます。健康保険への加入をきっかけに新たに適用されるものではありません。
- 4新たに,介護保険の第二号被保険者となる。:介護保険の第二号被保険者は40歳以上65歳未満の医療保険加入者で、国民健康保険の加入者も含まれます。47歳のAさんは、すでに第二号被保険者になっています。
- 5健康保険の保険料を,Aさんが3分の2,事業主が3分の1を負担することになる。:健康保険の保険料は、原則として事業主と被保険者が半分ずつ負担します。被保険者が3分の2、事業主が3分の1を負担するという割合ではありません。
出典:第37回 社会福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題32。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
この解説に誤りを見つけたら教えてください。直して、直した記録を残します。誤りを報告する(メールが開きます)