第36回 問題52
社会保障
事例を読んで,Hさんに支給される社会保障給付として,最も適切なものを1つ選びなさい。
〔事 例〕
Hさん(45歳)は,妻と中学生の子との3人家族だったが,先日,妻が業務上の事故によって死亡した。Hさんは,数年前に,持病のためそれまで勤めていた会社を退職し,それ以来,無職,無収入のまま民間企業で働く妻の健康保険の被扶養者になっていた。
- 1国民年金法に基づく死亡一時金
- 2厚生年金保険法に基づく遺族厚生年金
- 3国民年金法に基づく遺族基礎年金
- 4健康保険法に基づく埋葬料
- 5労働者災害補償保険法に基づく傷病補償年金
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✓ これが正解3国民年金法に基づく遺族基礎年金
解説
子のある配偶者であるHさんには、遺族基礎年金が支給されます。
事例の決め手は、亡くなった妻とHさんの状況です。妻は民間企業で働いており、厚生年金の被保険者(国民年金の第2号被保険者)でした。Hさんは45歳で、中学生の子がいます。持病で退職してから無職・無収入で、妻の健康保険の被扶養者になっていました。妻の死亡の原因は業務上の事故です。
遺族基礎年金は、国民年金の被保険者などが亡くなったとき、その人によって生計を維持されていた子のある配偶者又は子に支給されます。ここでいう子は、18歳になった年度の末日までの子などです。以前は母子家庭が中心の制度でしたが、2014年4月から父子家庭も対象となり、妻を亡くした夫も子のある配偶者として受け取れるようになりました。Hさんは無収入で妻に生計を維持されており、中学生の子がいるので、この要件に当てはまります。
見分け方として、遺族基礎年金は子のある配偶者なら性別を問わず受け取れる一方、夫が受ける遺族厚生年金には年齢の要件があることを対にして覚えておきましょう。業務上の死亡では、健康保険ではなく労働者災害補償保険の給付が働く点もあわせて押さえておきます。
なお、2025年6月に公布された年金制度改正法により、遺族厚生年金の男女差を解消する見直しが2028年4月に施行される予定です。子のない60歳未満の夫も5年間の有期給付の対象となるなど、夫の受給の扱いが変わります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1国民年金法に基づく死亡一時金:死亡一時金は、第1号被保険者として保険料を納めた期間が一定以上ある人が、年金を受けないまま亡くなった場合の給付です。妻は会社員で、遺族基礎年金を受けられる遺族もいるので支給されません。
- 2厚生年金保険法に基づく遺族厚生年金:出題当時の厚生年金保険法では、妻の死亡による遺族厚生年金を夫が受けるには、妻の死亡当時に55歳以上であることが必要でした。45歳のHさんはこの年齢の要件を満たしません。
- 4健康保険法に基づく埋葬料:健康保険の埋葬料は、業務外の事由による死亡が対象です。業務上の事故による死亡は労働者災害補償保険の扱いとなり、葬儀の費用は葬祭料として給付されます。
- 5労働者災害補償保険法に基づく傷病補償年金:傷病補償年金は、業務上のけがや病気で療養を始めてから一定期間たっても治らない労働者本人に支給されるものです。亡くなった妻の遺族であるHさんが受ける給付ではありません。
出典:第36回 社会福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題52。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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