第37回 問題34
社会保障
事例を読んで,Aさんに適用される社会保険制度に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
〔事 例〕
Aさん(55歳)は配偶者のBさんと離婚した。Aさんは離婚以前,国民年金の第三号被保険者及び健康保険の被扶養者であった。二人の間に子はおらず,Aさんは,現在,単身で暮らしている。離婚時に年金分割の手続きは済ませている。
- 1離婚前は,Bさんが,Bさん自身の厚生年金保険料に加えて,Aさんの国民年金保険料を納付していた。
- 2Aさんは,離婚前に被扶養者の認定を受けていた健康保険の任意継続被保険者となることができる。
- 3Aさんは,離婚の前後を通じて,介護保険料を市町村から直接徴収されている。
- 4Aさんは,分割した年金記録に基づく老齢厚生年金を,自身の支給開始年齢に達するまでは受給できない。
- 5Aさんは,国民年金保険料の納付猶予制度を利用することができる。
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✓ これが正解4Aさんは,分割した年金記録に基づく老齢厚生年金を,自身の支給開始年齢に達するまでは受給できない。
解説
分割した記録の老齢厚生年金は、自身の支給開始年齢から受給します。
事例問題です。決め手は、Aさんが55歳で、離婚前は国民年金の第三号被保険者かつ健康保険の被扶養者であり、離婚時に年金分割の手続きを済ませているという点です。離婚によってAさんは配偶者の扶養から外れ、自分で各制度に加入することになります。
離婚時の年金分割は、婚姻期間中の厚生年金保険の保険料納付記録(標準報酬)を、元夫婦の間で分ける仕組みです。分割を受けた人は、その記録をもとにした老齢厚生年金を受け取れますが、支給が始まるのは、分割を受けた本人が自分の支給開始年齢に達してからです。元配偶者が年金を受け取り始めても、それに合わせて受け取れるわけではありません。したがって、自身の支給開始年齢に達するまでは受給できないとする記述が最も適切です。
ほかの記述を確認します。第三号被保険者の保険料は配偶者が加入する厚生年金制度全体で負担しており、Bさんが個別に納めていたわけではありません。任意継続被保険者になれるのは被保険者だった人です。介護保険の第二号被保険者の保険料は医療保険の保険料とあわせて納めるもので、市町村が直接徴収するのは第一号被保険者です。国民年金保険料の納付猶予制度は50歳未満の人が対象です。
年金分割は記録を分けるもので、受け取り始める時期は自分の年齢で決まる、と押さえておくと判断しやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1離婚前は,Bさんが,Bさん自身の厚生年金保険料に加えて,Aさんの国民年金保険料を納付していた。:国民年金の第三号被保険者には個別の保険料の納付はなく、厚生年金の保険者がまとめて費用を拠出しています。元配偶者のBさんが二人分を払い込んでいたという説明は仕組みと合いません。
- 2Aさんは,離婚前に被扶養者の認定を受けていた健康保険の任意継続被保険者となることができる。:健康保険の任意継続被保険者になれるのは、退職などで資格を失う前に、本人が被保険者として一定期間加入していた人です。被扶養者だったAさんは、元配偶者の健康保険の任意継続被保険者にはなれません。
- 3Aさんは,離婚の前後を通じて,介護保険料を市町村から直接徴収されている。:55歳のAさんは介護保険の第二号被保険者で、保険料は加入している医療保険の保険料と一緒に納めます。離婚前は被扶養者として個別の負担はなく、市町村が直接徴収するのは65歳以上の第一号被保険者です。
- 5Aさんは,国民年金保険料の納付猶予制度を利用することができる。:国民年金保険料の納付猶予制度は、50歳未満の人を対象とした仕組みです。55歳のAさんは対象にならず、保険料の納付が難しい場合は免除制度などを検討することになります。
出典:第37回 社会福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題34。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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