令和2年度 問2
民法
請負契約に関する問題
マンションの区分所有者Aは、リフォーム会社Bとの間で、住戸内の浴室をリフォームする内容の請負契約(以下、本問において「本件契約」という。)を締結したが、この場合に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、誤っているものはどれか。
- 1Bの施工ミスにより浴室から水漏れが生じていても、修補が可能な場合には、AはBに対して、直ちに代金減額請求をすることはできない。
- 2Bの工事完成前に、Aが破産手続開始の決定を受けたときは、B又は破産管財人は、本件契約の解除をすることができる。
- 3Bが本件契約内容に適合した工事を完成させた場合であっても、Aは、Bに生じる損害を賠償すれば、本件契約の解除をすることができる。
- 4Bの工事完成後に、完成品に本件契約内容との不適合があることをAが知った場合には、AはBに対し、その時から1年以内にその旨を通知しなければ、追完請求としての修補請求をすることはできない。
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✓ これが正解3Bが本件契約内容に適合した工事を完成させた場合であっても、Aは、Bに生じる損害を賠償すれば、本件契約の解除をすることができる。
解説
仕事の完成後は、損害を賠償しても注文者が任意に解除することはできません。
この問は、令和2年4月施行の改正後の民法の請負の決まりで判断します。問われている点は、注文者の任意の解除(第641条)、注文者の破産による解除(第642条)、目的物が契約の内容に適合しない場合の責任と通知の期間(第637条)です。売買の決まりは、請負のような有償の契約にも準用されます。
誤っているのは、Bが契約内容に適合した工事を完成させた後でも、Aが損害を賠償すれば解除できるとする記述です。第641条は、請負人が仕事を完成しない間は、注文者はいつでも損害を賠償して契約の解除をすることができると定めています。工事が完成した後には、この任意の解除は使えません。
ほかの記述は条文どおりです。水漏れがあっても修補ができるなら、まず相当の期間を定めて追完を催告し、その期間内に直らないときに減額を求めるのが原則です(第563条)。注文者が破産手続開始の決定を受けたときは、請負人又は破産管財人が契約の解除をすることができます(第642条第1項。請負人からの解除は仕事の完成前に限る)。注文者が不適合を知った時から1年以内にその旨を通知しないと、修補などの追完の請求はできなくなります(第637条第1項)。
任意の解除は完成前に限る、という時点の区切りで見分けます。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1Bの施工ミスにより浴室から水漏れが生じて…:修補が可能な不適合なら、注文者は先に期間を定めて修補を求め、それでも直されないときに初めて代金を減らすよう求めます。催告なしで直ちに減額できるのは修補が不能な場合などに限られるので、記述は正しいです。
- 2Bの工事完成前に、Aが破産手続開始の決定…:工事の完成前に注文者Aが破産手続開始の決定を受けた場面です。この場合は請負人Bからも破産管財人からも契約を解除できると民法が定めているので、どちらも解除できるとする記述は正しいです。
- 4Bの工事完成後に、完成品に本件契約内容と…:完成品の不適合を知った注文者は、知った時から1年以内に請負人へその旨を知らせないと、修補の請求などができなくなります。請負人が引渡しの時に不適合を知っていた場合などの例外を除けば、記述は正しいです。
出典:令和2年度 管理業務主任者試験(一般社団法人マンション管理業協会)問2
同じ用語が出る問題
- 令和7年度 問20:推定修繕工事に関する問題(請負契約)
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